その2:宿泊旅行統計調査
フリーランスになって1年、Lancersの研究員制度第4期に応募し、参画させていただくこととなりました。
地方観光DXという、フリーランスの集合体で自治体案件を獲ろうという取り組み。
うん、これが常態化したら、面白い世の中になるかもな、と思ったのです。
とはいえ何を研究するかと言う話もあるので、観光的な部分の無料データをどう使っていけるのかをいろいろ試してみようと思う次第です。
1)宿泊旅行統計調査とは
今回も相変わらず、大好きな(?)e-Statに参ります(笑)
国内の宿泊施設の状況が月次でとりまとめられた統計になります。
その種類、参考表も含め21種類。
調査方法は全国の宿泊施設を対象とした郵送方式での調査です。
一次速報は約1か月後で5種類が、二次速報は約2か月後に32種類の統計表が公開されます。
旅行・観光消費動向調査同様に集計はものすごく早いです。
2)ここから考えられること
地方観光DXのプログラムは、前回も書きましたが、自治体側に立って観光客呼び込みに繋がるプランを立てることです。
宿泊旅行統計は、実際に宿泊業界が冷え込んでいるとか、使用される価格帯がどう変化しているとか、あるいは最近の外国人宿泊客はなんだかホテルより民宿が多いよ?といった利用施設種類の変化などを見ることができます。
また、従業員の数なども調査されていますので、多分業界の方はそうしたところ、業界の景気動向的な部分もやはり気にになさっているのではと思いますが、では自治体の計画にこちらの計画が役に立つかと言いますと、今回もまた
立ちます!
と、言うことができます。
こうした月次統計は積み上げるのが少々面倒(本音)ではありますが、
(いや多分、昨今では、RPAとか、もしかしたらGASなんかでもさくっと積み上げ表が作れるかもしれません)
積んでいくと、
■地域の宿泊状況はどう推移しているか
とか
■地域の宿泊トレンド(施設)はどう推移しているか
とか
■地域の宿泊者傾向(家族とか個人とか)がどうなっているか
とか
■各月の宿泊傾向はどうか(指定月抽出)
とか
そういったものを分析することが可能です。
細かく見ると、「この地域の10月の宿泊者は家族連れから個人旅行にシフトしており、ホテルから民宿が人気になっている傾向がある」だから「おひとり様プランを充実させるのが〇」とか、個人旅行の訪問先を更にリサーチして子どもが楽しめるように工夫をし、再度家族連れが増えるようにしよう、といったことを考えることができます。
3)注意点
この統計は基本が都道府県集計、二次速報では一部宿泊施設の多い市町村の集計が提示されます。
すなわち、あくまで宿泊先であって、そこが観光目的地ではない可能性があります。
例えると、宿泊地は大阪でも、観光目的地は奈良であったり、仙台に泊っていても、観光は平泉であったり、という感じです。
そうした場合、宿泊地最寄りの観光地でどうした施策を展開しても、宿泊客には連携されない、特に広域で動く可能性の高いインバウンド旅行者の場合にはそこを見込んでおく必要がありそうです。
4)まとめ
昨今あちこちで観光のプランを作ったり、独自の事業展開が行われていますが、ことインバウンドと考えた場合には、日本人より広域で動く方が多いと思われるので(我々も海外に旅行に行くとそうなりがちですよね)、広域的な観光連携がやはり必要なのかな、と思います。
また、どこかの個別の自治体のお仕事であっても、そうした見方も頭の片隅に置いて見てみる必要がありそうです。
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