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何者にもなれなかった自分へ

株式会社アカイノロシを設立して、あっという間に一年以上が経過した。

「ゼミの活動をきっかけに大学4回生の時に起業しました」という話をすると、「学生時代から起業に興味があったんですか?」という質問をいただくことが多いのだが、学生時代起業には全く興味が無かった。
というより、そもそも卒業後の進路を描くことが3回生の冬休みになっても全くできていなかった。

小さい頃から多趣味だった私は、今振り返ると将来の夢がコロコロ変わる少年だった。

プロ野球選手、アナウンサー、お笑い芸人…
七夕の短冊や卒業文集、なぜか流行ったプロフィール帳などで「将来の夢」を書くときはいつも違う事を書いていた。

だからこそ、「私は◯◯になる!」と将来の夢が明確な子に憧れたし、明確な夢を描けない自分に劣等感を抱いていた。
「人生を掛けてこれがしたいって思えることが自分には無いのか…」

そんなこんなで、大学三回生の秋まで来てしまった。いよいよ進路を決断しなければならないという時期に出会ったのがタイ産コーヒーだった。

実は、それまで人生で一度もコーヒーを飲んだことが無かった。20歳の自分にコーヒーの仕事をしていることを伝えたら絶対に信じないだろう。
それでも、現地の雄大な自然、農園主の熱き想い、農法や焙煎・抽出などそれぞれの工程で魔法のように変化する味わい…
コーヒーが持つ魅力に一瞬にして引き込まれた。

こうして、私の未来予想図のシナリオ急変した。「何者にもなれなかった自分」は、自分で職を作り出す道を選んだ。

先日、夢を書いてほしいという依頼を受けた。
改めて夢を考えたとき、記したのは「プロになる」

「◯◯になる!」ではなく、何になるにしても貫きたい想いを持っておくことが、自分にとっては大切なのではないかとこの一年の活動を通じ、色んな人に出会って感じた。
本来、「しごと」という言葉には「すること」という意味しかなく、今のような「職業」という意味は後から付けられたものらしい。「しごと」とは、ありたい姿なんだと思えたとき、何者にもなれなかった劣等感は消えた。

22歳の自分がコーヒーの魅力に取りつかれたように、10年後何をしているかは全く分からない。
でも、何をするにしても「プロ」を目指す位、その時取り組むことをとにかく好きになる。

この気持ちだけは忘れることなく取り組み続けたいと思う。

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