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六畳敷木綿製赤穂緞通のお手入れ

2021年8月、赤穂市立美術工芸館 田淵記念館 にて展示されていた六畳敷。当社の工房裏にて赤穂緞通を織り手の皆さんがお手入れされる機会がありましたのでまとめておきます。

公開展示「新発見!赤穂緞通」
展示日時:令和3年8月11日(水)~令和3年9月27日(月)
・六畳敷木綿製赤穂緞通 8月11日(水)~8月30日(月)
・三畳敷絹製赤穂緞通  9月 1日(水)~9月27日(月)
※六畳敷、三畳敷それぞれ1枚ずつ展示。


一般的な緞通は、鍋島、堺、赤穂ともに一畳敷(およそ 95x190cm)となりますが、今回は持ってこられたのは六畳敷。個人所有として保管状態もたいへん良い一枚。

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六畳敷の重さ19.6kg

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濡れると60kgを超える!

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二人がかりで表に用意した洗い場へ

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当社の工房裏の絶妙な勾配は洗い流す、水を切る作業に最適。

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今回、当社は織り手さんたちによるお手入れを補助する形でサポートしておりましたが、大量の水だけて洗い流す思いもよらぬ洗浄法。これなら中和も濯ぎもいりませんね!

硬度が低くきれいな赤穂市の水道水、使ったのは約9tL!

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規格外の六畳敷のため、考え抜いた脱水法。生地に負担を描けないで確実に脱水出来るタオルドライの手法を応用してます。

織り手さん3人で形を整える。見た目では型崩れを確認しにくい。

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縁の歪みを再度観て欲しい、真っ直ぐな仕上がりが気持ちいい。

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此処まで美しく再現できた、素晴らしい!

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紫外線を浴びた表と裏の状態をみる。

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100年経ってこの輝き。湯呑みの輪っかの跡も見えないため、よほど大切に使われたものと考えられます。

やはり、繊維素材のメンテナンスは水洗いが大前提。ドライクリーニングや有機溶剤では何も解決しないことを再確認できる良い機会でした!

当社は播州赤穂にて赤穂緞通のしみ抜き・お手入れを長年行っております。
その実績・ノウハウから、同じ木綿による織物である佐賀県の鍋島緞通・大阪府の堺緞通にも適応できる技術を確立いたしました。緞通は和のしつらえとして、今もなお多くの愛好家や所有者が多くおられます。その方々の思いを大切にし、新たな時代に継承されるお手伝いができればと考えております。


しみぬき工房 つづれや
代表:田川 芳弘
住所:〒678-0172 兵庫県赤穂市坂越1754番地
フリーダイヤル:0120-975-354
TEL / FAX:0791-48-8059
営業時間:午前9時~午後6時  定休日:日曜日・祝日


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