ハグ
おばあちゃん家。
帰り際に、おじいちゃんおばあちゃんとハグ。
ハグはいい。
話すより見るよりわかることがある。
物忘れが進んで、神経質に同じ心配事を繰り返すようになったおじいちゃんは思ってるよりずっと分厚い。肩周りががしーっと硬くて、手を回しても少し足りない。
おばあちゃんも意外とか細くない。
口下手になったおじいちゃんをちょっと言い負かしたりしながらも、なんでもしてあげるおばあちゃん。弱いような強いような、優しくてたくましいおばあちゃん。
なんだかんだとしゃべったり探ったりするより
はじめからこうしてハグしたらよかったのかなあと思う。
でもきっと、近づこうとして一緒にいようとして、なんだか思うようにいかなくて、それでも一緒にいる。そんなのがあっての、体ごと一気に一緒になるハグだからいいのかなあ。
でもでも、最近ほんとによく思う。
ハグはいい。
帰り際だけ?じゃなくてもいいよね?
ひさしぶり〜おじゃまします〜
すぐしてもいい。
話し途中に「はいちょっと、はい」ってしてもいい。
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