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ほんとにアマビエいたんだもん!うそじゃないもん!

妖怪、幻獣、未確認動物(UMA)……。

そう、その存在がまことしやかに囁かれつつも、誰にも実在が証明できていない者たちである。

誰しも思ったことがあるだろう。
そんな者たちをこの目で見てみたい!
あわよくば捕獲してみたい!!!
せめて実在する証拠だけでも!!!!!!

……わかっています。
わかっているんです。
私ももういい大人ですから。

そんなもん本当はいないって、そう言いたいんですよね?
大半は創作か見間違いだと。
チュパカブラは病気で毛の抜けたコヨーテだし、溺死者の肛門は必定弛緩してしまうものであって河童が尻子玉を抜いたからではないって、そう言いたいんですよね?

わかっているんですそんなことは。
だから私は……
証拠をでっち上げます。
今日はそういう話です。

皆さんは妖怪のミイラってご存知ですか?
有名どころだと、人魚や河童、鬼のミイラなどが存在しています。
ミイラというのは当然ながら死体です。
死体があるということは、それらが生きて存在していたということ。
つまり、生きた妖怪やUMAを捕えなくとも、ミイラ(死体)さえ手に入れば、「ほんとにトトロいたんだもん!うそじゃないもん!」と言えるわけです。

江戸時代の日本では妖怪のミイラが数多くつくられ、輸出品としても人気だったといいます。
昔の日本人も「精巧な贋物」をつくることで、実際には存在しない者たちをこの世に顕現させていたんですね。

私もそれをやりたいんです。

今回テーマに選んだのはアマビエです。
実は、アマビエのミイラというのも実際に発見されています。
それもかなり出来のいいものが…。
新規性を重んじるならなにか別のものをつくるべきなのですが、私が今最もつくりたいものはアマビエなので、アマビエをつくります。
こればかりは、許していただければなりません。
なにぶんミイラをつくるのは初めて。
手探りの作業をするにあたってモチベーションがなにより大事になりますので……。

さて、おおまかな作業の流れとしましては、
①発泡スチロールで骨格をつくる
②粘土で肉づけをする
③着色する
④麻紐の毛髪をつける
こんな感じです。

江戸時代につくられたミイラたちは本物の動物(猿など)のミイラや骨、皮が多く使われていたようですが、今回は使いません。
動物の素材を使うのは処理や管理が難しそうなのでひとまずやめておきます。
素人ですからね。

さっそくやっていきましょう。
まずは骨格をつくります。

発泡スチロールの球です。
これで鳥の頭っぽいものをつくります。

おりゃ!!

こんなもんでしょうか。
発泡スチロールを切るのに適切な道具がわからず、家にあったダンボールカッターで作業したら少し指を切りました。
皆様はお気をつけください。

発泡スチロールのブロックです。
これは魚のような胴体部分になります。

カットして、頭部に合体します。

なぜでしょう、骨と化したキョロちゃんになってしまいました。
不安を誘うフォルムです。

まあ、これは骨格に過ぎないのできっと大丈夫です。
ここに紙粘土で肉付けしていきます。

さらに不気味なフォルムになりましたね。
なんらかの武器のようにも見えます。
胴体にも肉付けしていきましょう。

ちょっとアマビエっぽく見えてきたでしょうか。
尾ひれも付けたいのですが紙粘土を使い切ってしまったので、ひとまずこの状態で次の作業をします。

木粉粘土というものを買ってみました。
乾くと木のようになるとのこと。
表面に薄く広げるように乗せていきます。
ミイラってだいぶ木っぽいなと感じるので、これで質感が出てくれたらいいですね。

こんな感じになりました。
よさげな風合いが出たのではないでしょうか。
ただ、木かと言われると、土くれ感が強まりましたね。

さて、紙粘土を買い足して、尾ひれもつけましょう。

後から尻尾をくっ付けたため、上手く繋がらず脆くなっています。
粘土遊びはたまにやりますが、この問題にはいつも悩まされつつ、最終的には見なかったことにしています。
今回も知らないふりをして、粘土での成形はこれで終わりです。

着色をしていきましょう。

アクリル絵の具で色をつけるというのも考えましたが、今回は焦げ茶色の水性ニスを使います。
思いつきでやっているので、粘土に使っていいのかは不明です。

おや、なんだかいい感じなのではないでしょうか。
どことなく食べ物っぽいですが。

カメラにも食べ物だと認識されていました。

着色完了です。
思っていた以上にそれっぽい。
アクリル絵の具とかでやるよりも風合いが出てよかったかもしれません。

あとはあの特徴的なロン毛をつけるだけ。

麻紐をたくさん切ります。

バラします。

全部まとめます。
なんだか、ウィッグのようにも、ススキのようにも見えますね。

あとは本体に装着するだけです。

ついに……。

完成!!!!!!
アマビエのミイラです!!!!!!

荒は目立ちますが、手塩をかけてつくったミイラなので愛着が湧きますね。

箱に入れてあげましょう。

木箱と綿を用意したかったところですが近所のホームセンターに売っていなかったため、小学生用のお道具箱とラッピング用の緩衝材で代用しました。

お道具箱だと思うと威厳はありませんが、フカフカのベッドに横たわっている感じで可愛らしいです。

しかし、生まれてきた時点ですでに死体というのは少しかわいそうな気がしてきました。
この子にも外の世界を見せてあげたい……。

というわけで、海に来ました。
富士山も見えて、いいロケーションです。

海を見せてあげます。

わが子よ、これが海ですよ。
あなたが生まれた場所ですよ……(※そんな事実はありません)。

少しですが外の世界を見せてあげられてよかったです。
一緒に電車に乗り旅をしたことで、更に愛着も湧いたように思います。

しかし、これはあれですね。
今突然私が死んだりなんかしたら、遺品整理にやってきた親族に見つかって死ぬほどビビられそうですね。
呪物として後世に伝わってしまうかもしれません。

というわけで……。

今後はこの状態で保管しようと思います。
かわいいですね!!!!!!

皆様も、オリジナルのミイラをつくってみてはいかがでしょうか。
そして、インターネットに「〇〇のミイラ発見されるwww」などと書き込み、「贋物乙」と言われてみてはいかがでしょうか。

それでは、おやすみなさい。

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