見出し画像

2024/03/27 卒業した!.mp4

大学を卒業しました。学位記に記された「学士」の文字を見ると、私って学士なんだ……と不思議な嬉しさが湧いてくる。私も学士だけど、街を歩く人々にも学士や修士がいっぱいいるんだと思うと面白く思えてしまう。学士って、今までの人生には無かった言葉の響きすぎて良い肩書きだなと思う。
卒業できて嬉しいです。

そういえば入学式はなかったな、と体育館で学長の話を聞きながら思った。2020年に大学に入学した私たちに入学式なんてものは当然のように無く、私はヌルっと大学生になった。世間はそれをコロナ禍の悲劇のように扱ったけど、それはそれで気が楽なもので別になんとも思っていなかった。スーツすら買わなかった。Twitterで#春から〇〇大をキーワードに友達を募り、本名も姿も知らない友達を作った。やっぱりそれもそれで気が楽で良かった。

卒業式では「皆さんは大学生活のほとんどをコロナ禍で過ごし……」という言葉を枕詞にして展開されるスピーチを3回くらい聞いた。「普通の大学生活には程遠く」「皆さんの大学生活への希望は打ち砕かれることとなりました」なんて言われたこともあった。私は聞きながらヤバ、打ち砕かれるとか言っちゃうんだ……。なんて思った。
あんまりそんなことないんだけどなー。元々出不精なこともあり、オンライン授業は本当にありがたかったし嬉しいことに友達もできたし、しかしそんなにかわいそうな子たちと思われてるのだろうか、と思うと少し寂しくなった。全然そんなことないんだけどな。

そもそも、私は「普通の大学生活」を知らない。私にとって大学の授業は半分オンライン授業だし、zoomは必需品だし、計画を立てるとなればコロナで中止となる場合の代替案や中止の判断基準を考えるのは当然だったし、それらって普通じゃなかったのかな。もしかして。でもこれらが私にとっての普通の大学生活で、案外苦でもなかったのだ。頻繁ではないにしても友人や先輩後輩らと飲みにも行ったし、遊びにも行ったし、確かにイベントが中止になるのは悲しかったけど、仕方ないっていうか。

大学、行って良かった。結局これから文章を書くこと、言葉を使って人に届けることを多く含んだ仕事を始めることになったけど、それは大学で「私は文章を書くのがかなり好きだな」と気付けたからだった。大学に行かなければこうはならなかったし、もっと言えばコロナ禍の間、家で時間を持て余していなかったらWordで遊ぶこともなかった。

人にも恵まれたな。卒業式の翌日、福岡のワンルームに戻ってきてベッドに座り、撮った写真を眺めていたらポロポロ泣けてきて仕方なかった。
卒業式の間はこれまで4年間を一緒に過ごしてくれた人々と会うのが楽しくて楽しくて仕方なかったけど、離れたら本当に寂しくなってしまった。大学の卒業式なんて形式だけだろ、なんて思っていたのだが(実際に式典の中身は形式だけだった)、案外まっすぐに淋しさがやってきて、しかし卒業が淋しく思えることがじわりと嬉しくて、その嬉しさがやっぱり淋しくて、しばらくポロポロ泣いていた。

絶望的な起床をして「絶起」とツイートしたら常に5いいねくらい付くことも、友達と授業の愚痴を言うのも、教授のモノマネをするのも、二次会の次は結局朝までカラオケに行ってしまうのも、暇な時にサークルの部室に行けばとりあえず誰かと喋れたのも、名前にカスってもいないあだ名で呼ばれたのも、友達の家でエナドリを飲み徹夜でレポートを書いたのも、本当に全部ありふれたもので、しかし全てが今はきらきらに光っているように思えてしまう。

しかしそういった思い出は晴れ着の写真には現れてくれず、学校までの道とか、近くに住む野良猫とか、たばこの自販機とか、よく行った居酒屋のトイレにある「吐いたら罰金」の張り紙とか、乱雑な部室の棚とか、よく行ったジョイサウンドのドリンクバーとか、友達の家のこたつとか、いつも湿っている構内の階段とか、そんなところにいるんだと思う。しかしそんな場所の写真なんて撮っていないから、かつてそれらが日常だった時に撮った写真を眺めてはきらきらの思い出を脳内に呼び起こしている。思い出は映像。データが重い分脳内はすぐに消去しようとする。忘れたくないから、時々写真を見返したくなる。だからその日のために写真をたくさん撮るんだなぁと、ポロポロ泣きながら思った。全部忘れたくないから、全部の写真が消せない。

大学生活、本当に楽しかったな。もうすぐ社会人になるなんて、ちょっとまだ信じられない。でも頑張らないと。この4年間を思い出作り期間だけにしておくのは、もったいない。ちゃんと繋げていきたいな、と思う。

これからもnoteは続けていきたい。文書を書くことを仕事にできたのはいいが、それにとらわれて好きな文章を書けなくなるのはつらい。今後も応援してくれると嬉しいです。

私が大学生活で出会ったすべての人のこれからにたくさんの幸せがあるよう祈っています。ほーんとうに卒業できて良かった!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?