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「12人の優しい日本人を読む会」がただただ最高でした!ありがとう!というお話

※こちらは、2020年5月6日に配信された「12人の優しい日本人を読む会」

が、もうほんとに素晴らしかったよヒャッホーという思いの丈をただ綴っている記事です。物語についてのネタバレはしていない(つもり)ですが、どんな配信だったかなど触れているので、「アーカイブこれから見る!情報入れたくない!」という方は、読まないほうがいいかもしれません。何卒ご了承ください。


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Twitterでたまたま情報を得ることができた「12人の優しい日本人を読む会」めっちゃ楽しみにしてた!
けど、作業BGMくらいに考えてて。完全に”ながら見”の準備をしておりました。

だって、
どうせ無料配信だし。

演劇は、劇場で、生で、お客様と、舞台とがあって、成立するものだから。大変な状況の中、リモート演劇や過去公演の配信を行う団体の方々の”火を絶やさぬための活動”を、とても尊敬しております。
でも、本来の演劇は、今は存在すること自体不可能で、これはもう別の話で。諦めるしか、仕方がない。

「所詮配信」

そう思っていたYoutubeに飛ぶ前の私を、今はぶん殴ってやりたい。

本当にごめんなさい。
最高でした!!!!!
紛れもなく演劇!素晴らしい演劇でした!


もう、始まる前から「演劇」でした。

14時の、10分前くらいだったかな。URLに飛ぶと、既にたくさんの待機の方々が(数は忘れてしまった)。期待たっぷりのコメントが流れ続けていました。
東京サンシャインボーイズをずっと追いかけていた人。映画なら観たという人。そもそも作品自体知らないという人。歴さまざまであれ、この「12人の優しい日本人を読む会」を楽しみに待ってた”同じ気持ち”の皆さまが、指定URLというひとつの会場に集まっている。期待とワクワクで、全員が14時に早くなれ、早くなれとドキドキしながら待っている。
これはもう、開演前の客席の、あのざわつき。

ここは劇場だ。

隣に座る人の顔は見えないけれど、音はないけれど、この感情は、降りてる緞帳を目の前に待つあの感情と、何ひとつ変わらなかった。

14時。
発起人(?)、近藤芳正さんが登場。今回の企画について説明をしてくださる。途中で三谷幸喜さんの嬉しい乱入!作者が現れて前説に参加、って、この空気もなんだか劇場的。
三谷さんは、スタンバイする近藤さんのためのつなぎ役ということでもあったわけですが、
そう、こういうのが大事。
演劇空間としての優しい演出を感じました。
説明を終えてそのまま「はい始めまーす」ってスタートしたところで、怒る人はいないと思うんですけど。ちゃんと演者として待機する時間を作るのが素晴らしいなと思いました。
そこまでエモくない、もっとテクニカル寄りの理由だったかもしれませんが…、それでも、グダグダにせずきっちり分けるところに、今回の全体クオリティの高さが既に垣間見えました。

「読む会」ってタイトルだったから…。もっと読み合わせっぽくて、たまに噛んじゃったりして「エヘヘ」ってグダって、それも、普段見られないオフモードが見えて楽しいね、みたいな、そんなゆるいものを想像してたのが。

本気と書いて、マジだった。


セリフが始まった瞬間、一気に物語の世界へ連れて行かれました。画面が分割されていても、その背景に生活感が見えていても、役者さんたちの表情や発する言葉に集中していたら、何ひとつ気にならなかった。そこは、陪審員12人が話し合わんとする、ひとつの部屋にしか思えなかった。

そして皆さん思ってらっしゃるだろうことですが、また、作品のチョイスがいい!
いくら役者さんが迫真の演技をしようが、Zoomの分割画面ではどうしても無理が出てしまう作品だってある。いや、そっちの方が多い。いや、基本的に何やったって無理のはず。
が、またこの「12人の優しい日本人」という作品が!!!
12名の表情が均等に置かれることで、「今この人はどんな顔してるんだろう?」っていうのを、好きなように見られる。舞台の客席だと、遠いか近いか、上手側か下手側か、表情が見たくても物理的にどうにもいかん場面があるけれど。Zoom配信ならそれがない!ひとつの議題について話し合う12人を、脳内スイッチングで好きなように見られる。サイコー!

何よりもう、役者さん皆様の演技が素晴らしく素晴らしかった。そしてタイムラグ感じさせないスムーズな会話、努力や演出の結果ですよね。すごい。

演劇だった。これは演劇だ。

ただ時間を決めた配信ではなく、ちゃんと生で、ライブ配信されているという事実もとても大事で。演者さんと観ている私は、今、同じ時間に生きている。その中で、この物語を全身に感じている。

演劇だ。

当然、他に何も手につかなかった。全画面表示にして、開演中釘付け状態。
今このご時世では絶対に不可能と思っていた、このワクワクする感情たちが、家にいながら再生されているこの状況よ。
「読む会」作品のクオリティは勿論、演劇が生きているということが嬉しくて、観ているあいだ、ずっと涙が止まらなかった。ほんとうに、泣きっぱなしだった。

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(前半終わった段階で描いたやつ)


前半・後半に分けられての配信でしたが、これも良かったですね。
「続き早く観たーい」っていう気持ちもなくもなかったけど、通していたら、途中でお手洗い行っちゃったりして集中切れたかもしれない。演者さんも大変だろうし。

ラストは大拍手。聞こえなくても大拍手を贈った。最高だった。
一人一人去っていくのも、カメラオフではなく、退出という形を取ったのが素晴らしかった。カーテンコールも、配信でありながら、素を出さず、舞台のカーテンコールさながら緊張感持たれたままの役者さんたちが現れたことに、演劇を感じて、またそこに泣いた。

終演後、「はいどうもー!」って出てきてくれても、嬉しかったのに。
それをやらなかったのが素晴らしかった。
「12人の優しい日本人」が、美しくフェードアウトし、感動と余韻が胸に残った。

もう1回言ってしまうけど、

これは、演劇でした。


配信という枷だらけの状況の中で、こんな体験させていただけたなんて。
ありがとうございました。
言うまでもない、三谷さんの面白い脚本。役者さん方の「これぞプロ」の演技。そして、冨坂さんの演出の力。素敵な演劇として形にしてくださった、この企画に関わられた皆様の力。皆さまのおかげで、ゴールデンウィークの最後を楽しく締めくくることができました。

本当に、本当にありがとう!!!!!

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追伸:
オンライン演劇を他に観ていないので、他にも素敵な作品の配信がたくさんあるかもしれないですよね。オススメのものがございましたら、教えていただけたら嬉しいです。



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5月中はアーカイブ残していただけるそうですね。嬉しい。


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