行政書士との相性の良いダブル/トリプルライセンスについて

今回は行政書士資格だけではなく、他資格との兼業で開業する方の記事を書きました。 行政書士と相性の良い資格としては、FP、宅地建物取引士、税理士、司法書士、社会保険労務士、弁理士、土地家屋調査士、簿記資格等々となるかと思います。

行政書士が他の資格を取得するメリットとしては、
行政書士は取り扱える仕事が多い=何か得意ジャンルを作る必要がある=ダブルライセンスでより特定のジャンルに特化した行政書士として業務を行うということが挙げられます。

そもそも各士業には独占業務というものが設定されておりまして、独占業務外の業務はお客様本人にやっていただくか、またはその独占業務を行うことが出来る士業の方に改めて依頼をしなければならないのですが、それぞれの職域の独占業務をワンストップで自分が最後まで受けられるようになることで、より依頼者から仕事を受けやすくなり単独の資格者よりも収益を上げやすくなったりもします。

ではそれぞれを見ていきます。


FP(ファイナンシャルプランナー)

行政書士と相性が良い部分としては、FPは今後の資産活用やライフプランニングを顧客に提案出来ますので、行政書士の業務の「相続分野」と相性が良く、2級くらいまでは比較的取得しやすい資格です。
また、自身の身近な生活の中で使うような知識も学べるために業務上必要が無くても取得しておいて損はない資格でもあります。

宅地建物取引士

不動産の資格となります。不動産関係の重要事項説明の際にこの資格が必要です。また不動産取引には契約/覚書など行政書士の職域と知識や知見が役に立つ部分が有ります。
行政書士有資格者にとっては試験範囲も重複している部分が有り学習も進めやすいでしょう。

税理士

独占業務は税務関係の書類作成及び申請となります。難関資格ですので取得のハードルが相当高いですが、取得すれば行政書士資格の「相続分野」などの顧客と関わりそのまま財産の計算や分与の実務まで手を出せるので、親和性は高いといえます。

司法書士

独占業務は法務局へ提出する書類作成及び申請となります。会社設立登記や不動産登記などの際にこの資格が必要になります。難関資格の一つで資格取得のハードルはとても高く取得にはかなりの努力と時間が必要になるでしょう。
行政への書類提出と法務局などへの登記を一人で全てをできるのは単独資格者に比べて大きなアドバンテージとなるでしょう。

社会保険労務士

独占業務は労働基準監督署、労働局又は年金事務所へ提出する書類作成及び申請となります。法律に則り適切な労務環境を維持管理出来る様なアドバイス、今後起こりうる労務問題を未然に防ぐ為のアドバイスも行います。
世の中的にますますコンプライアンスが厳しくなる中、しっかりとした組織運営や会社経営の為には欠かせない存在です。
会社設立(行政書士)→その後の労務関係の管理(社会保険労務士)という形でダブルライセンスが有ると関わる事が出来ると思います。

弁理士

知的財産や特許のスペシャリスト、難関資格で資格取得のハードルはとても高く取得にはかなりの努力が必要となります。著作権や商標などに関して、もし行政書士からのダブルライセンスで弁理士を取得したならば、行政書士で培ってきたものが弁理士業務でも役に立つかと思われます。

土地家屋調査士

不動産の表示登記に関する専門家です。上述の司法書士は権利に関する部分の登記を担当しますが、土地家屋調査士は表示に関する部分の登記を担当しており、現況調査、測量、表示に関する登記の代理申請までを行う事が出来ます。 行政書士は不動産に関する許認可でいえば、農地を宅地や駐車場などに使用したい場合の農地転用許可の申請や、開発許可申請などに関わります。相続に伴う遺産分割協議書の作成も行います。
これらは土地の登記や測量業務に密接に関わってくるため、行政書士資格を持っていれば、業務の幅が広がる上に、土地家屋調査士の業務もスムーズに行えるというメリットがあります。

簿記

決算書などの財務諸表を理解することで会社の経営成績を把握することが可能です。行政書士の業務の中でもいろいろな場面で決算書を見る機会があるので、役に立つ資格であることは間違いありません。 3級などは独学でも比較的取得しやすい資格ですので、数字関係に自分が向いているか向いていないか、改めて確認するのもよいかもしれません。

まとめ

行政書士資格のみでも業務を行う事は何の問題もありませんが、更なるステップアップを目指す方、現状より効率よく業務を進め、単独資格者よりもスムーズに顧客開拓を狙う方、さらにはダブルライセンスだけではなく、トリプルライセンスで更に自らが出来る業務を増やし、ダブルライセンス以上の顧客開拓を狙う方は他の資格取得に向け学習するのもよいと思います。


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