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視覚障害者はプログラマーとして生きられるかという問いについてスクリーンリーダーのNVDAを1か月ほど使った立場から考える

こんにちは、土田淳也(@mocoatuya)です。
網膜色素変性症という目の病気により視覚障碍者となりながらも、プログラマーとして生きていくために考えたこと、実践したことなどを綴る記事です。

私がスクリーンリーダーのNVDAを本格的に使い始めて1か月ほどが経ちました。今回の記事ではこの1か月間NVDAを使用した感想や、私が検証している「視覚障害者はプログラマーとして生きられるか」という問いについて、現時点での考えを書いていきたいと思います。

プログラミング環境

現時点でのプログラミング環境は以下のようになります。最適解ではないと思いますので、スクリーンリーダーを用いたプログラミングに挑戦しようと考えている方はご自身でいろいろ試してみると良いかと思います。

OS:Windows10
スクリーンリーダー:NVDA
NVDA音声エンジン:JTalk
音声:tohoku-f01
速さ:100(高速読み上げ)
ブラウザモード1行の最大文字数:60
エディタ:VSCode
ターミナル:VSCodeの統合ターミナル

視覚障碍者はプログラマーとして生きられるのかという問いについて

ここでは上記の問いを、「視覚障害があってもスクリーンリーダーを使えば晴眼者の方たちと同じようにドキュメントを読んだり、コーディングができるか」という問いに置き換えて考えます。この問いに対して、現時点では

文字が読めなくても、文字のサイズや色、画面背景の色などがなんとなくわかる程度の視力が残っていればスクリーンリーダーを用いることで請願者の方と同様にドキュメントを読んだり、コーディングをすることはできる」と考えています。

スクリーンリーダーの読み上げでは、文字のサイズや色、文字が配置されている場所、文字が書かれている箇所の背景色などによって表現されている情報(文の重要度や前後の文との関連性など)を得ることができません。

実際に、画面を見ずにスクリーンリーダーの読み上げのみでドキュメントを読むということを試してみたのですが、どこまでが文章であり、どこまでがコード部分なのか把握することに時間がかかるということがありました。

視力が残っており、文字のサイズや色、画面背景色などが分かるならば、それらの情報により、文の切れ目などの文構造の把握にかかる時間を短縮することができます。

まとめると、少しでも視力が残っているならばなんとかなりそう!
ということになります。

では全盲の場合はどうであるのかという話ですが、
現時点では全盲の場合、どのようにすればコーディングなどの作業が上手くできるのか想像できません。しかし、実際に全盲でもエンジニアとして働かれている超すごい方々はいらっしゃいます。
今後は全盲となった場合においても作業ができる方法を模索していこうと思っています。

【記事投稿後にご指摘をいただきました。NVDAの書式とドキュメント情報の設定を変更することにより、文字のサイズ、色などの情報の読み上げを行うことができます。これらの設定のレビューも記事として投稿したいと考えております。】

NVDAを1か月使ってみた感想

この1か月間はNVDAの仕様や読み上げられ方の確認、どのような環境ならばスクリーンリーダーを用いたプログラミングが可能なのかを調べることに注力していました。この1か月間でスクリーンリーダーが読み上げた内容を理解する能力をそれなりに身に着けることができたと思うので、今後はNVDAの読み上げを頼りにしたコーディングの訓練を積んでいく予定です。

1か月間さわってみましたが、NVDAの不満点は特にないです。あえて不満点をあげるならば、JTalkの読み上げの最大速度をもう少し上げてほしいということぐらいです。

これからスクリーンリーダーを用いたプログラミングに挑戦する方へ

最初の1か月はスクリーンリーダーで読み上げられた内容が上手く理解できず、気が滅入ることが多いかと思います。

私もこの1か月は読み上げを理解することができず、同じ文を何度も何度も繰り返し読まなければいけないということが幾度もありました。文字を拡大して読むほうがはるかに効率的だと考え、スクリーンリーダーを使うのをやめようと思うこともありました。

しかし、1か月ほどスクリーンリーダーを使っていると徐々に慣れてくるものなのでぜひ諦めずに続けていただきたいです。

まとめ

視覚障害があっても何とかやっていけそうと思うことができた良い1か月間でした。記事をお読みいただきありがとうございました。


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