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視覚障害者はプログラマーとして生きられるか 視覚障害者がVSCodeを使うべき理由

こんにちは、土田淳也(@mocoatuya)です。
網膜色素変性症という目の病気により視覚障碍者となりながらも、プログラマーとして生きていくために考えたこと、実践したことなどを綴る記事です。

今回は、視覚障碍者がコーディングの際に使うエディターにVSCodeを選択すべきと考える理由と実際にスクリーンリーダーを用いながらコーディングをした感想を書いていきます。

環境はWindows + スクリーンリーダーのNVDAです。

VSCodeを選択すべき理由1:
スクリーンリーダーによる読み上げが安定している

VSCodeは読み上げてほしい箇所をしっかりと読み上げてくれるという点で優れています。書いたコードを1行ごとに読み上げることや、1文字ずつ読み上げることはもちろんのこと、ファイルの開閉などの機能にアクセスした際に機能の読み上げも行ってくれます。
さらにターミナルの出力も読み上げることができるので、開発に必要な機能は一通り読み上げることができるのではないかと思います。

VSCodeを選択すべき理由2:
キーボードのみでほとんどの操作ができる

視覚障害の症状は様々であるため一概には言えないのですが、マウスカーソルの見づらさなどの理由からマウスの操作よりもキーボード操作のほうが簡単に行うことができると感じる人は多いと思います。また全盲である場合はすべての操作をキーボードで行うことになるので、キーボード操作のみでエディタの機能にアクセスできる必要があります。
VSCodeではファイルやフォルダの開閉、編集ファイルの選択、ターミナルの開閉や使用などの開発に必要な機能にキーボード操作のみでアクセスできます。Ctrlキー+Shiftキー+Pによりコマンドパレットを呼び出し、検索することで大体の機能にアクセスできます。

VSCodeを選択すべき理由3:
VSCodeがスクリーンリーダーを意識して開発されている

VSCodeにはスクリーンリーダーを使用していることを検知し、VSCodeの挙動を変える設定があります。このようにVSCodeがスクリーンリーダーを意識して開発がされているため、スクリーンリーダーでVSCodeを使用する際に何かしらの不具合があった場合でも開発者により修正される可能性は大きいと考えられることから安心です。

以上がVSCodeを選択すべきだと考える理由です。

実際にスクリーンリーダーを用いてコーディングをした感想なのですが、想像以上に難しいです。

まず、スクリーンリーダーが読み上げた内容を理解することが困難です。
NVDAによる1行ごとの読み上げの場合、urlを(ユーレール)、
endif を(エンダフ)と読み上げるなど、読み上げられた内容からコーディングを想像することが難しいです。また1行ごとの読み上げでは大文字と小文字の区別をつけることができないので1文字ずつの読み上げをおこない確認をする必要があるのですが、時間がかかり、効率的な作業をすることができません。
さらに、スクリーンリーダーで読み上げられた内容を記憶するために何度も同じ行の読み上げを行う必要があります。
今の私のレベルでは、ある行を覚えているうちに他の行を忘れるため、いつまでたってもコーディングが進まないという状況がおこっています。

まとめ

スクリーンリーダーによるコードの把握は難しいのですが、VSCodeでは開発をする上で必要な箇所はすべて読み上げてくれます。

今後は効率的な開発をするために改善すべき点を明らかにし、修正していく必要があるのですが、とりあえず視覚障害があってもコーディングができることを私自身が感じることができたので良かったです。
最後までお読みいただきありがとうございました。




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