「認定我が子」が巣立っていく

ぴんぽーーーーーん

昔よりだいぶ頻度は減ったが
彼は
いつも突然ピンポンする。

「あ、おれおれ！」

って、
ゲンちゃんだな。
オレオレ詐欺かい。

長男（もう大学生）の
小学校の頃からの近所のお友だち
ゲンちゃんは、
とっても人懐っこくて、
昔からよくウチに出入りしている。

長男の友だちなんだが
長男不在でも
気にせずやってくる。

長男不在なら
弟たちとゲームやったり
ちょっと兄さん風吹かせたりして
実の兄弟のように
楽しく遊んでいく。

わたしとも
なんでも
おしゃべりしていく。

あまりにウチになじんでるので
わたしも
早々にゲンちゃんを「我が子認定」し、
あんたはウチの子だと思ってるから
いつ来てもいいよ〜
と宣言した。

「認定我が子」のゲンちゃんは、
小中学校のころは
ちょくちょく顔を見せてたが、
だんだん
生活パターンが変わるにつれて
顔を見ない期間が長くなった。
それでも
大学生になってからも
ちゃんとウチのことを忘れず
時折ピンポンしてくる。

先日
久々に
ゲンちゃんがピンポンしてきたとき、
まぁいつものことながら
長男は不在。

相変わらずそんなの気にせず
にこにこで「ひっさしぶり〜」
とゲンちゃん。

「おかえり〜！ひさしぶりだね〜」
と迎えるわたし。

以前のように
我が家でくつろぎ
弟と遊び
わたしとおしゃべりし
うどん食べてったゲンちゃんだが。

なんと
こんど
一人暮らしを始めるんだと。

ここから電車で1時間くらい離れたとこに
もう物件決めて
引っ越しの準備をしてるんだと。

大学に通いながら
やりたいことに取り組むため
便利なとこで暮らしたいんだと。

ゲンちゃん！！！！！
あんなにちっちゃくてちょこまかしてた
ゲンちゃんが！
ひとりだちしていくなんて…
おばちゃん、応援してるけど、
めっちゃ
さみしいぞーーーーーー

もうね
我が子が巣立つ気持ちになって
さみしくてせつなくて心配で
でも
成長したなぁ…と
頼もしくもあり
誇らしくもあり。

心から応援し
幸あれ！と思うものの…
やっぱり
さみしくてせつない…

ゲンちゃん、
実家に帰ったときには
忘れずに
ウチもピンポンして
元気な顔を見せてね。