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デジタル庁はなにを目指すべきか

昨日、テレビで 平井卓也 デジタル担当大臣が出演していて、5年以内に日本でGAFAに匹敵する企業が生まれるか?というような問いに日本はそもそもGAFAを目指してない、という回答をしていた。
これはたしかに、当を得てるなと思った。

もちろん、野心ある日本企業がGAFA を目指し、世界に向け、デジタルトランスフォーメーションをもたらすプロダクトやサービスを提供したいというのであれば、それはそれで、ご自由にどうぞではある。

しかし、そこを目指すなら、最初からシリコンバレーとかを拠点にして、
多国籍チームで狙うが良いですよと、ごく普通のアドバイスをしてあげたい。

日本でGAFAを目指そうというのは、
「俺エベレスト登頂したいから、ご近所さん誘って、一緒に富士山に登ろうよ」というようなもので、いやそれは違うんじゃないかなと思うわけである。

なぜアメリカでGAFAMが登場したかというと、アメリカにはシリコンバレー があって、そこから登場したプロダクトがグローバルに展開できるような土壌が存在するからである。

ついでに言えば、アメリカンドリームという、世界最大級のガチャが回せる国だからである。

ということで、今後政府はなにを目指したら良いのか考えてみたいと思う。

日本がDXするために必要なこと

かなり散文的になってしまうが、とりあえず思いついた事を書いてみる。

・完全を目指すのはやめよう。
セキュリティーは、重要だし、今後の大きな課題ではある。でも完全を目指すのはやめよう。完全なんていままでもなかったし、これからもない。

・多機能はやめよう。
みんなの意見や要望を聞くことは良い事だ、でもなんでも機能を詰め込むのはやめよう。

・やらない事を決めよう
・市場を決めよう
・シェアしよう
・オープンイノベーション
・ローカライズは、ほどほどほどに

 一企業としてなら、バリバリのローカライズがあってもよいが、国全体で目指すのはそこじゃない。

・行政も断捨離を
 行政の話じゃないが、街を歩くと、至る所で「最近置き引きが増えてます。」「盗難が増えてます。」といった注意アナウンスが流れてくる。
「携帯電話の電源をお切りください」にしても、効果があるから流しているというより、それを流す事で、やってます感のアピールで、今更逆に消す事ができなくなっているのではないかと思う。
十分な効果が得られない見かけだけの対策は、断捨離すべきだと思う。

・教育
 プログラム教育とか論理的思考とか。
 優秀な人材を育てる。これも重要だと思う。

・一気に切り替える
もちろん移行期間とか、新旧の併用期間とか多少あっても良いと思う。
ただ、システムというのは2重にあると、大概にしてその運用のコスト増が見えない形で発生している。そこで、割りを食ってるのはユーザーのほうなのだ。
やると決めたら、ちゃんと説明して、一気に導入する。

キャッシュレスなんかも、現金、QR、電子マネー、そろそろある程度標準を集約していかないと、複雑化のコストを長期にわたってユーザーが負担する羽目になるだろう。

・法律改正
GAFA など利便性の高いプラットフォームは積極的に取り入れるが、個人情報を吸い上げられ放題だったり、課金され放題とならないよう、GDPRのような法整備だったり、デジタル課税などが必要だと思う。

一方で、デジタル化を阻害している規制などはどんどん撤廃を検討するべきだと思う。

・自治体向けの技術支援
特別給付金の動きをみると、それぞれの自治体がバラバラで、自由なのはいいけど、中央のシステムと連携する部分は特に、もう少し共通のシステムを用意してあげたほうが良いんじゃなかと思う。

・船頭多くして船山に上る開発をやめよう
 あまり詳しくない発注者(政府だけに止まらず大手企業も含む)が、「安心」「早い」「完璧」をもとめて発注すると、予算が膨大になり、なんだかよくわらないプロダクトがうまれることが多々ある。

大手に発注すると、安心感はあるが、実際にはどんどん下請けにまわされて、優秀な人材が10人で作れば良いものを1000人でゴニョゴニョしているというのは、普通にありうる話である。

必要機能を明確にし、それを少人数で、スピーディーに作り、ミスがあれば、都度スピーディーに修正できるようにするしかない。


ガラパゴスという成功体験と失敗

昔、日本独自の進化を遂げた携帯電話を日本メーカーは作っていて、今ガラケーと呼ばれている。
要素としては、近年のスマホに生かされている部分もあっただろう。しかし現在、世界で売れてるスマホをどこが作ってるかというと、HUAWEI、サムスン、Apple、OPPO、シャオミといったところだ。

これから言えるのは、ローカライズは程々にという事だと思う。
もし日本の人口が中国のように14億人とかいるなら話が別だが、1億人であれば1つか2つ主要メーカーがあれば良い。それ以外は、国内でもさらにニッチなところを攻めないと、小さなパイを奪い合い全滅となってしまう。

マイナンバーカード

様々な機能やサービスをつけてくれるのは良いが、これを持ち歩かないと利用できないというのはあんまりよろしくない。

いろいろなサービスをマイナンバーにつけようという動きもあるが、
結局スマホに入れてもらわないと、実用面では不便極まりない。

スマホに、免許証証明機能、健康保険証明機能をつけるために、マイナンバーカードを利用するというなら良いが、それ自体(マイナンバーカード)を持ち歩く必要はないはずである。
もしカードとして持ち歩くなら、落とすと嫌なので、マイナンバー記載のない携帯用のカードを新たに発行してもらいたい
ともかく、いまのうちに、将来的にはスマホなどに入れて使用するという想定で計画をすすめてもらいたい。


ローカルGAFAクローンという戦略

なぜプラットフォームを国内に持ちたいかというと、海外のプラットフォームを使うと、そこにお金を吸い取られてしまうからである。

中国の場合、GAFAのクローンをつくり、それを国家化でもって優先的に導入するというモデルが成り立つ。

しかし日本の場合は、そこまで大きな市場がないので、なんでも自前でプラットフォームを用意したりすると、ガラパゴス化によりコスト問題にぶつかり、結局、あとからやってきた黒船にやられてしまう。というおきまりの結果を招くことになる。

じゃあアメリカか、中国の市場を狙ったらということになるが、
最近はアメリカにしても、中国にしても海外企業が進出してきて、その市場を独占することにはかなり警戒感があるし、今後さらに難しくなるだろう。

となると面倒ではあるが、「中国以外のアジア」を国内+αとしてターゲットとするのが、確率で言えば、日本からグローバルを目指す事に比べれば、もう少し勝率があがると思う。


災害対策

いろいろ改革は必要なのだが、やはりここは災害大国日本。
災害時でも利用できるインフラを確保することは、忘れてはならない。
その点、菅首相になって、携帯電話料金の引き下げ期待なんていうのが浮上しているが、一方で災害に強いインフラ基盤の強化とか、セキュリティ対策の強化のほうが重要なんじゃないだろうか。

これは、かならずしも全く壊れない、破られないシステムが必要なのではなく、災害時に迅速に電源や、通信インフラを立ち上げたりするシステム、迅速に被害を保証するというように、柔軟性な対応も必要だと思う。


まとめ
具体的に色々つめていくとなると、今後、問題も色々でてくると思う。それでも、菅内閣には、行政手続きのオンライン化、通信インフラ強化、デジタル資産の保護を進めるためにDXを推進して欲しい。

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