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旦那さんからのプロポーズに感動出来なかった理由

今日、たまたまnote繋がりである夏木さんの記事を読みました。

読んでて「うわぁ~素敵やんか~」とうっとりしていた私。
プロポーズって、人生でそう何度も経験出来ることじゃないので、やはり記憶として残る大きなイベントですよね。
私もしっかり覚えています。
覚えていますが、さてこのように感動したり喜んだりしただろうかと振り返ってみましたが、残念ながらそうではありませんでした。

それは何故か。


あれは私たち夫婦がまだ恋人同士であった夏の日。

まず、私たちは同期入社で仲良くなりました(最初はお互いかなり印象悪かったのに)。
私は2年制の専門学校卒、旦那さんは浪人経験者の大学卒ということで同期であるにも関わらず3つ歳が離れていました。
出会ったその年の秋にはお付き合いが始まったので、恋人期間は実に5年半。長い。結構長い方だと思いませんか。

日頃から結婚の話は出ていたので、まぁ来るべき時に来るだろうという感じで私はのんびり待っていました。プロポーズを。


実は旦那さん、同じ会社で働いていたのは最初の3年間だけで。
その後旦那さんのみ転職したのですが、それがかれこれ1年弱かかりました。
そんな背景もあってプロポーズが遅くなったと、結婚後に話してくれました。致し方なしです。


その日は私の誕生日でした。


旦那さんから「なちこの誕生日、〇〇に食べに行こう」とのお誘いがありました。
その〇〇はお高級な和食料理店です。
地上29階の贅沢空間。
旦那さんは転職して1年以上経つ。
どんな鈍感な私でも、条件が揃いすぎてピンときました。いや、ビビビッと。違う、ドカーンときました!(とにかく大きな閃きだったようだ)


これ! 絶対!! プロポーズくるわ!!!


確信をもってひとり密やかにニヤニヤしていました。
旦那さんは案外ピュアな面も持ち合わせているので、まさかそれだけの条件で私が「プロポーズされる」と気づくと思っていないご様子。ソワソワしていました。


そして私の誕生日当日。

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29階のお高級和食を頂きながら、さていつされるのか。いつ言われるのかずっと待っていました。
食事の前半ではないかな……
やっぱり中盤か、食べ終わり辺りかな……
まさかこの食後のデザートの中に指輪が隠されているとか!?

私は慎重にシャーベットアイスを掘りながら口に運びました。
指輪は見つかりませんでした。


「さて……」と言葉をかけてきた旦那さん。
いよいよか! と身構えた私。


「ご飯も食べ終わったし、出ようか」


え? えぇーーー!? 今日ここでプロポーズするんじゃないの!?!?


読みが外れたのかなぁとちょっとガッカリしていましたが、何せ旦那さんのソワソワ感と私のプロポーズセンサーが「いいや、まだこれからだ」と言っていました。

家に帰る途中でされるのかもしれない。
もしかすると家に帰ってからされるのかもしれない。(その時はすでに同棲をしていた)

ひとまず私たちは店を後にしました。


帰り道、旦那さんが運転をする助手席で座っていると、どうやら真っすぐ帰らずどこかへ寄り道するご様子。
長いこと車を走らせると、夜景が綺麗に見える場所で車を停めました。


おぉー!!! ここか!!! ここでとうとうプロポーズするんだな!?


私の心の内ではわっしょいわっしょいお祭り騒ぎでしたが、表情は全くもって無。「え? どうしたのこんなところに停まって」とワタシ何も勘づいてないアピールをかましました。
ピュアオブピュアな目をして旦那さんに問いかけました。
あの時の私は主演女優賞並みだったでしょう。


「実は、なちこに誕生日プレゼント用意してるんよね」


そう言ってガサガサと後ろの座席から何かを取り出しました。ついにきたかーーー!!!


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はい、と手渡された紙袋はずっしりと重く。
指輪が入っているにしては大きすぎる袋でした。
てっきり指輪を渡されプロポーズされると思っていた私は頭がハテナでした。


紙袋を開けると、ヘルスメーターでした。


「あり、がとう……?」
「ほら、なちこ体重計欲しいって言ってたからさ。これ色々測れるやつ」
「お、おぅ……」


プロポーズと指輪が貰えると超絶期待していた私は右から左へ頬を叩かれた気分でした。
なんてこった! バカ恥ずかしい奴やん!! てかおまえ、ここはプロポーズと指輪でしょうに!!! 空気読めバカ!!!!!


ワァー、コレホシカッタヤツー。と棒読みで体重計を眺めていますと、旦那さんが笑いながら「それともうひとつ」と言いながら差し出してきました。


指輪でした。


「俺と結婚してくれますか」


ここで、本来ならば涙のひとつも流して「……はいっ!」て言うべきシチュエーションだったのでしょう。

でもね。

でもですよ。


お高級な食事の場でプロポーズでもなく。

この夜景が見える車の中ですぐプロポーズでもなく。

あなた、体重計を渡した後で指輪を渡してきたのよ?? ねぇ???


「お、おぅ……」


こうして、旦那さんからの人生で最初で最後のプロポーズへの返答は「お、おぅ」となってしまいました。


未だに旦那さんから言われます。
なちこにプロポーズしても、反応が素っ気なくて残念だったと。あっさりすぎたと。


そうだよね、ごめんね。一大決心の人生に残る大事なイベントで、相手の反応が「お、おぅ」とかでごめんね! はいごめんなさいね!!!


でも! せめて!! 体重計よりは先にプロポーズしたほうがいいと思うな!!!




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