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異文化って言葉だけでは片付けられないよ


📍「俺か、俺以外か」な韓国人留学生

私はブラジル留学中、とある韓国人男子B君と出会った。

B君は、ブラジルで出会ったどんな人よりも私にとって理解し難い人物だった。

出会ったばかりの頃はとても嬉しかった。
私自身、日系人や日本人移住者が少ない南部の地域を留学先に選んだため、現地で日本語を話す機会は全くなかった。そんな中で、同じアジア人のB君に会えたことで、無意識に安心感を抱き、マイノリティ同士親しくなれると期待していたのかもしれない。

だが、時間が経つにつれて、B君と一緒にいるのが次第にしんどくなってきた。

特に、彼の「食へのこだわり」が原因だ。

・しょっぱいもの、甘いものが嫌い
・ほとんど毎日韓国料理
・甘いお酒や安いお酒は飲まない

ここまでは百歩譲って理解しようと思えばできる。韓国では高層マンション、大学は私立大学、親のカードで生活、そして留学先大学真横の10万以上するアパートを借りて生活しているくらいだ。美味しいものを食べて育ってきたんだろう。

だが、私が我慢できなくなったのはここからだ。

・他人から提供されたものや作って貰ったものに対して平気でマイナス発言をする
・口に合わないからという理由で留学生コミュニティ主催の料理イベントに参加しない
・ブラジル人に対して、「ブラジル料理は好きじゃない」と言う
・「ピザ、ハンバーガーしか食べるものがない」と公共の場で文句を言う

これらの行動に対して、同じ留学生としてとても恥ずかしかった。留学生のバディを担当してくれているブラジル人の生徒たちがシュラスコに連れて行ってくれたり、学食を案内してくれたりしたことが何度もあった。

その時、

バディ 「どう?美味しい??」

B君  「普通かな。こっちの肉はしょっぱすぎる」

バディ 「そっか...じゃあ何を食べるのが好き?」

B君  「参鶏湯(サムゲタン)」

バディ 「...」

なんでこんな遠いブラジルまで留学に来たのか本当に不思議だ。

勉強のため????いや絶対に違う。
B君は韓国でポルトガル語を学んでたらしいが、留学先で受講していたのは「数学1」 「社会学」と
「料理実習」だけ。

しかも、食にとどまる話ではなく、趣味や旅行に関してもそうだ。
ブラジルではK-POPや韓ドラが人気なため、韓国人というだけで興味を持たれる。例えば、TWICEやBTSは好きか、最近見たオススメのNetflixは何か、○○って映画はおもしろいと思うか??など。私も何回か質問したこと。

だが、B君は決まってこう答える

「僕は興味無い」

→彼の趣味はジムで筋トレすること。音楽は韓国のトロット(日本でいう演歌のようなもの)しか聞かない。スポーツは得意だけど観戦は好きじゃない。ドラマや映画は一切見ない。旅行は1人でしたい。

だそうだ。

これは、「自己主張をはっきりする」「嫌なものは嫌だと言う」といった韓国人に多い性格や特徴だけの問題ではないと私は感じる。最初は「韓国人」という枠にはめて考えようとしたが、B君の自己主張は度を超えている。韓国ではそれほど目立たないのかもしれないが、今彼がいるのはブラジルであり、一緒にいるのもブラジル人だ。

留学後半になると、バディもB君をあまり誘わなくなっていた。当然だと思う。ブラジルにいるんだから、その国の文化や性格を尊重するのは当たり前であってほしい。

ある1人の留学生友達が、

「何を聞いてもNOと答えるくせに旅行したり高いレストランでご飯食べるくらいなら、ブラジルに喉から手が出るほど来たいと思う素直な心を持つ貧しい人たちにお金を上げて欲しい。」

と言っていて大共感した。


結局、食が耐えきれず1年留学を断念して半年で帰るそうだ。それでいいと思う。全員がそう思ったと思う。


もちろん、韓国人を否定したり避けたりするつもりは今後一切ない。ただ、何を「異文化」と定義して感じるかは難しい。 あと半年ある留学生活の中で、もっといろんな人に出会い、驚かされる経験もたくさんあるだろう。視野を広げ、自身の価値観を見直していきたい。

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