吉備・出雲の旅(その6)~須我神社~
八岐大蛇を退治したスサノオがイナダヒメとともにこの地に着き、「吾が御心清々し」といい、ここに宮を構えた。そんな「日本初之宮」が、この須我神社の由緒です。
須我神社(すがじんじゃ)
【鎮座地】島根県雲南市大東町須賀
【御祭神】須佐之男命(すさのおのみこと)
稲田比売命(いなだひめのみこと)
八島野命(やしまのみこと)
県道24号線(松江木次線)を走ると大きな鳥居が見えてきます。その道を入ると鎮座しています。鳥居の先には「日本初之宮」の碑も。神門には立派な注連縄。この先の一段高くなったところに社殿があります。
スサノオがこの地に宮を構えたときに
八雲立つ 出雲八重垣 つまごめに 八重垣作る その八重垣を
と歌を詠みました。これが日本で最初の和歌といわれ、和歌発祥の地ともされています。これらは「古事記」「日本書紀」の記述に基づいた創建の由緒です。ちなみに、「出雲国風土記」にはこのエピソードは出てこず、しかも、上の歌は出雲国造りをした神(ヤツカミズオミヅヌノミコト)が言ったことになっていたり、風土記にある須我社が、須我神社のことと思われますが、祭神は須義禰命(スガネノミコト)という地主神だったのではないかと考えられていたりもします。この辺りも、「記紀」と「風土記」の差異があるのも謎なところですね。
神門の先が少し開けていて石段を登った先が社殿です。こちらも立派な大社造りの本殿は歴史を感じます。須佐神社もそうでしたが、こちらもとても静かな佇まいです。派手さはないですが、由緒の通り「清々しさ」に満ちています。
この須我神社の後ろにそびえる山も八雲山といい、須我神社の奥宮があります。
少し進むと、お清めの湧き水「新泉坂根水」があり、ここで清めてから参拝します。
ここから十数分、最後はやや急な石段を登り切ると夫婦岩(奥宮)が鎮座しています。なんとも不思議な雰囲気を醸し出しています。
八雲山中腹にはスサノオ、イナダヒメ、そしてこの二柱の御子神ヤシマノミコトの神霊が鎮まっていると言われています。
御朱印も拝受。
「須佐神社」と「須我神社」の由緒の違いや、出雲とスサノオの関係など謎が多いが故に、神秘性もあったりします。どちらも交通の便が良くないのが難点ですが、ぜひ伺って欲しい神社です。
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