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『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』 主人公・竈門炭治郎の優しさは原作者ゆずりだった

もともと観に行く予定になかった『鬼滅の刃』。
数日前に、ヴィクトリー下村さんのnoteで紹介されていた記事を拝見して、急遽、心変わり。予定変更。公開日当日に“始発列車に乗車“することにしました。

実を言いますと、コミックを読んだことはありません。TVアニメだけ見ていました。私が住んでいる地域では毎週水曜日深夜2時30分ごろから放送。毎週水曜日に自分が担当していたテレビ番組のOAチェックをしていて、そのまま見続けていたらこのアニメの初回放送を偶然に見ることができたのです。最初は見やすい深夜アニメだなと思う程度でしたが、毎週いつの間にか欠かさず見るようになっていました。最終回は今回の映画につながるように作られていて、「残りは映画で観てねってこと?」と、残念な気持ちのままあっけなく6ヶ月の放送が終了してしまいました。



公開日当日の朝のこと。予定の起床時間よりも1時間も早く目が覚めました。楽しみなことがある朝はいつもこんな感じですが、とにかく早起きなんですよね。旅行中はそれが顕著で、午前5時、6時は当たり前。4時起きということもありました。いま流行りつつある「ずらし旅」どころではなく、かなりズレまくっている私でございます。「ちょっと観てみようかな」ぐらいの気持ちでしたが、潜在意識では相当楽しみにしていたということです。

朝一の映画館に到着すると、すでにチケット売り場には人だかり。しかもグッズ売り場には50メートル近くの列ができていました。事前に調べていた豪華版のパンフレットを購入したいと思っていたので、上映時刻間際まで40分間ならびましたが購入できず。無念のまま劇場へ。

上映中、あっという間にストーリーにハマり込んでしまう私。周囲につられて、何度かウルッときそうになりました。映画中盤にはもはや長年のファンであるかのように、キュンキュンしてましたよ。なぜここまで心酔してしまったのか。それは30年以上前に大流行した『ドラゴンボール』の主人公・孫悟空と、『鬼滅の刃』の主人公・竈門炭治郎が重なって見えたからだと思います。ちょうど私が小学校低学年の頃、『Dr. スランプ アラレちゃん』のアニメが終了し『ドラゴンボール』があらたに放送開始。初回放送のとき、聞き覚えのないオープニングに何か違うなと感じながらも、見ていてとてもワクワクしてくる感じをなんとなく覚えています。アドベンチャーをしながら新しい仲間を見つけ、ストーリーが次々と展開していくところが毎回楽しみでした。やっぱり主人公の孫悟空が好きでしたね。いつもどんなことにも、まっすぐな姿勢で立ち向かうところが、当時の私の目にもとても潔く映ったように思います。この部分が『鬼滅の刃』の主人公にも同様に感じられるのです。そこに強く惹かれたのでしょう。

また、占いの観点からもこの映画は非常におもしろいと感じています。前回のエッセイでは占星術の勉強をしていると書きましたが、正確には占星術とタロット占いを学んでいます。200年に一度の大変革が起きると言われている今年12月ですが、「土の時代」から「風の時代」へと移行していきます。(詳しくは映画『82年生まれ、キム・ジヨン』のエッセイをご覧んください)

実は、この大変革にタロットカードも当然かかわっていて、ワンド、ペンタクル、ソード、カップの4種類のカードがあるのですが、これらは「火」「地」「風」「水」それぞれと関係するのです。つまり、ソードは「風」とつながります。このアニメのタイトルにもある「刃」すなわち刀、そうです「ソード」です。この『鬼滅の刃』こそ、これからの風の時代を「斬」り開く象徴的な存在のように見えるのです。

さらに主人公の人を思いやる心持ちや正義感は、これからの世の中では重要な要素となるでしょう。ADAM GRANTのGIVE & TAKEという名著がありますが、その中でtaker や matcherではなくgiverであることの大切さを説いています。この点においても、このアニメの評価はさらにぐっと上がっていくと思われます。

前回の映画『82年生まれ、キム・ジヨン』も同じ「風の時代」を予感させる作品ではありましたが、それ以上に「風」とつながる「ソード」がストーリーの中心にあるだけにたいへん興味深いですね。現在、社会現象になっている『鬼滅の刃』の人気を見て取れば一目瞭然。そのことが実証されているように感じます。

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鑑賞後、売り切れているだろうなと思いつつも、念のためグッズ売り場へ。店員の方に声をかけると「ありますよ」の一言。「豪華版のですよ」ともう一度尋ねると「はい」と再度言われました。ツイてるなと思いながら、さりげなく何部ぐらいあるんですかと尋ねたところ、通常版と豪華版とを合わせて1万部も仕入れているとのこと。気合いの入れ方が違います。今年2月トイレットペーパーがどの店の陳列からも消えてしまった時、とんでもない数量のトイレットペーパーを手配した某スーパーの心意気を思い出しました。

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しかも入場時には、こちらの薄手のコミックと塗り絵がプレゼントされました。

「お疲れさまです、吾峠です。
 まだまだおうちで過ごす時間も多いので、
 塗り絵を楽しんでいただければと思います!
 帰ったら手洗いうがいを忘れないようにしてくださいね。」

塗り絵には上記のコメントが添えられていました。

観客は大人ばかりでしたが、もちろん子どもたちにも大人気。
主人公・竈門炭治郎の優しさは、やはり原作者ゆずりのようです。

久々のお祭り気分のひとときは、こうして終わりを告げました。

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