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テーマにピンポイントにフォーカスできる「ノルマティーバ」とは?

◆ノルマ設定を使いこなす2つのポイント

今回はトレーニングメソッド論の中からノルマ設定の使い方についてのお話です。

これはスペインの指導理論ではノルマティーバと言い、練習の質を決定的に変化させる道具です。

先日の記事では、良い練習とは何か?に始まり、そこからトレーニング作成の5つのポイントを解説させていただきましたが、その続きだと捉えてください。

さて、これからノルマ設定をする際に気をつけるべきポイントを2つ紹介します。

①ノルマが練習の目的に繋がっていること

練習メニューを考える時に、ノルマ設定をつける練習ありますよね?

例えば、5vs2のロンド(ボール回し)を「2タッチ以下でプレーする」というのもそうです。

これ何のために設定しているのでしょう?

前回の記事では、練習は何かを獲得するために実施しているので「目的」を設定しましょうという話をしました。

ですので、今日のノルマ設定も同様で

練習に置いて選手に獲得してもらいたいこと効率よく学べるために行う設定

だと捉えられます。

前述の5vs2のロンド(コンテクストなし、戦術意図は攻撃のボール保持)で2タッチ以下でプレーするノルマ設定の場合、攻撃の選手のプレーアクションは、

コントロール→パスまたは1タッチでのパス

になるため、ボールを最初に触る前に周りの状況を把握して置かないとプレーはうまくいかないので、「認知」に関わるパーフォマンスアップのためのノルマ設定として利用できます。

この練習で2タッチのノルマ設定がない場合どうなるでしょう?

コントロールをミスしても、何度かボールに触ってボールを持ち直して何とかキープはできるはずです。

しかし、戦術意図であるチームで「ボールを保持」することが目的の場合は、できるだけ相手にボールを触られるリスクを軽減してプレーする方が良いのでスムーズにコントロールとパスのアクションを行う必要があり、コントロールは次のパスをしたいところにキックしやすい様にする必要があります。

その場合、次にパスをしやすい場所を「いつ」見ておく(認知しておく)と良いのかというと、それはコントロールの前です。

◯ 認知→コントロール→パス(キック)× コントロール→認知→(ボールをこねる)→パス(キック)

これがタッチ制限がない場合には、うまく誤魔化せてしまいます。
特にボール扱いが良い選手(テクニックがある選手とは異なる)の場合、足の裏でボールをPisar(踏みつけて)時間を稼いでボールを取られないプレーは可能だったりしますが、それは指導者が考える「目的を獲得する練習」とは方向性が異なるので制限をかけなければいけません。

この様にして、ノルマ設定は良い練習の条件である目的が伴う練習を成立させるための有効な道具となるのでうまく利用しましょう。


②目的(テーマ)がノルマになってはいけない

もう一つのポイントは、トレーニングの目的(テーマ)がそのままノルマにならない方が良いことです。

これ、結構な数のコーチが行なってしまっていますのでみなさんも色んな練習を見る時に気をつけてみてください。

例えば、戦術意図が「前進する」で戦術コンセプトが「サイドチェンジ」となる時に次の様な5vs5の4ゴールゲームをするとします。

方法:5vs5の4ゴールゲーム。レーンを右・左・真ん中と区切る

そして、このメニューで「ゴールする前に必ず左右のレーンにボールを一度循環させる」というノルマを与えます。

この場合、ボールは左右に循環するでしょう。

一見すると、サイドチェンジが起きそうなノルマですね

しかし、ここには大きな罠が潜んでいて、多くのコーチはそれに気づいてないことが多いです、

それは「何のためのサイドチェンジか」を選手が理解しないことがほとんどなのですね。

ここにどういうロジックが働いているかを解説しましょう。

このノルマの場合、確かにボールは左右のレーンに循環するでしょう。

なぜならノルマだからです。

しかし、状況はこうです。

↑左右のレーンにボールは循環するが相手も対応して全く効果的ではない「やらされるサイドチェンジ」が行われる

これでは戦術意図の「前進する」が含まれない、全く意味の無いサイドチェンジになっています。

この様にしてテーマがノルマになった場合は、そのアクションは起きるが状況に合わない時にそれを無理やり試みるという現象が起き、選手が「いつ?どの様に?」そのテーマを実行するかという「サッカーにおける判断」をせずにプレーすることになってしまうのです。

そもそも、サイドチェンジとは

「相手がいない手薄な逆サイドから前進を図るアクション」

が定義です。

ですから、そういう状況を作りあげてサイドが手薄になっているかどうかを認知し狙ってサイドチェンジを実行してもらう必要があります。

ではこれを改善するための効果的なノルマ設定は何か?

その一つは

守備チームはボールが左右のレーンにある時はスライドしてボールサイドに人数をかけて逆のレーンに誰も入ってはいけない

になります。

こうするとボールと逆サイドのレーンには青チームは誰も居なくなりスペースが空きますね(逆サイドが手薄になるのです)。

これでノルマ設定によってサイドチェンジして前進するチャンスがピッチ上に散らばることとなるのです。

あとはキーファクターによって、逆サイドの攻撃選手のポジショニングの深さと幅を改善したり、サイドチェンジのパススピードが上がったり、体の向きを逆サイドを見れる様に仕向けていくと効果的なサイドチェンジからの前進が成立する様になります。

基本的には、改善したいテーマの対戦チームにノルマをつける方が良いです。

攻撃を改善したければ守備のノルマをつけ、守備を改善したければ攻撃のノルマをつける、といった感じです。

今回は、練習作成の時のノルマ設定の上手な利用方法をお話しました。

これでより選手が意図を持った戦術アクションを獲得できる練習が構築できます。

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