認知症の高齢者の死の場所 : ドイツにおける死の場所の観察研究からの疫学データ(2001年、2011年、2017年)Place of death of older people with dementia : Epidemiological data from an observational study of places of death in Germany (2001, 2011, 2017)


[Place of death of older people with dementia : Epidemiological data from an observational study of places of death in Germany (2001, 2011, 2017)].


背景
認知症は、病気の進行により余命が短くなり、治療法の選択肢がないことから、終末期の病気として認識されるようになってきています。緩和ケアでは、患者のニーズに応じたケアを行うために、希望する死の場所が品質の指標となると考えられている。本研究の目的は、高齢の認知症患者の死の場所の分布を説明することである。
方法
ウェストファーレン州(州別で見ると人口は国内第1位。ヨーロッパを代表する工業地帯であるルール地方は州の西部に位置し、これまでドイツ(西ドイツ)経済を牽引してきた。ドイツ全体で13ある人口50万人以上の都市の内、4つがこの州に集まる。州都デュッセルドルフをはじめ、ケルン、ドルトムント、エッセンがそれである。また、西ドイツの首都であったボンも州内にある。bywiki)の選択された地域で実施された、これまでのドイツにおける死の場所に関する最も包括的な研究から、2001年、2011年、2017年の死亡証明書を評価した。死因に関する医療情報も分析した。このようにして、65歳以上の認知症の死亡患者(ICD-10:F01、F02、F03、G30)を特定し、その死亡場所の分布を統計的に決定した。
結果
65歳以上の死亡患者31,631人のうち4720人(14.9%、95%CI:14.5-15.3%)に認知症が認められた。死亡場所の分布は以下の通りであった(%;年齢標準化;2001/2011/2017年):自宅環境24.0/19.7/15.8、病院40.4/29.0/24.3、緩和ケア病棟0.0/0.3/1.8、ホスピス0.4/0.9/0.9、介護施設35.2/49.5/57.1、その他0.0/0.0。=自宅・病院が減って、介護施設が増えている。2017年では過半数以上が介護施設。
結論
認知症の高齢患者(65歳以上)の大半は介護施設で死亡し,次いで病院と家庭環境であった。緩和ケア病棟やホスピスは、認知症患者の死の場としては劣位の役割を果たしている。

ちなみに本文はドイツ語ww

https://link.springer.com/content/pdf/10.1007/s00391-021-01976-7.pdf


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