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書評: データ分析の教科書 (高橋威知郎) 。データ分析の考え方と全体プロセスをわかりやすく解説する本

今回は書評です。

ご紹介する本は、データ分析の教科書 です。

この記事でわかること

・本の内容
・データ分析の準備 (大事なこと) 
・使えるデータかを見極める方法
・分析スケジュールの見積もり方法

この記事では、データ分析の教科書 という本について、前半では本の概要、後半は印象的だったことを3つに絞ってご紹介しています。

ぜひ最後まで記事を読んでいただき、よかったらこの本も手にとってみてください。

この本に書かれていること

本書を一言で表現すると、データ分析の考え方、全体プロセスをわかりやすく解説しています

分析事例は高度過ぎず、ケースが実務に基づいて具体的で読みやすいです。

この本で使われているデータ分析の全体像は、5つのステップからです。

データ分析の全体像
・準備する
・集める
・分析する
・表現する
・伝える

以下は、この本の内容紹介からの引用です。

最適なデータを駆使し、ビジネスで成果を上げるための実用書。

顧客別 DM や見込み客の見極めなど 「顧客との関係性の視点」 、高付加価値商品リストやセットメニューなど 「製品からの視点」 、利益最大化を実現するセールスミックスなど 「財務の視点」 といった具体的事例で、精度の高い、アクション (意思決定) につながる分析法を解説。

読んで印象的だったこと

ここからは、この本を読んで印象的だったことをご紹介します。

具体的には以下の3つです。

読んで印象的だったこと
・データ分析の準備 (アクションの因数分解) 
・6W1H のデータ構成要素
・分析スケジュールの見積もり方法

では、それぞれについて順番にご説明します。

[印象的だった 1] データ分析の準備 (アクションの因数分解) 

皆さんはもし 「データ分析は何のためにやるか」 と訊かれたら、どのように答えるでしょうか?

ビジネスでのデータ分析の目的は、アクションにつながることです。データ分析をして終わりではなく、いかにアクションに結びつけ、ビジネスでの成果に貢献できるかです。

データ分析ではいきなり集計に入るのではなく、準備が大切です。目的の設定です。

本で紹介されているデータ分析の準備は、5つの項目があります。このデータ分析は何のためにやるかの意義を明確にします。

データ分析の準備
・誰に対して
・目的 (その人は何のためにアクションをするか) 
・何 (アクションは何か) 
・具体的には (そのアクションの具体的内容) 
・最初の第一歩 (アクションの中で最初にやるべきこと) 

興味深いと思ったのは、アクションの解像度を高めていることです。

アクションを抽象レベルではなく、具体的に何かを掘り下げます。さらに、アクションの中で 「最初にやるべきこと」 までをデータ分析の準備項目に入れているのです。

アクションの解像度を高めるのは、それだけデータ分析をアクションにつなげるのを重視している表れです。

[印象的だった 2] 6W1H のデータ構成要素

データ分析の準備が終われば次に行うのは、どんなデータを使って集計するかを決めます。

皆さんは、集計するデータを使っても良いかの判断基準には何があると思うでしょうか?

この本で紹介されていたデータの要素分解が参考になります。具体的には、6W1H で集計に使ってもよいデータかどうかを判断します。

データの要素分解 6W1H
・誰が by Who
・誰に対して for Who
・なぜ (何のために) Why
・いつ When
・どこで Where
・何を (データ項目) What
・どのように (データ収集方法) How

特に自分が直接収集したデータではない時は、これらの要素からデータを理解します。最初に設定した分析目的に沿ったデータなのかを判断します。

[印象的だった 3] 分析スケジュールの見積もり方法

ユニークだと思ったのは、分析スケジュールの見積もり方法です。

分析スケジュールの見積もり方法
・期限を決める
・その期間を半分にする
・半分にできることを考え、決める

ポイントは、想定したデータ分析に使える期間を始めから半分にします

というのはデータ分析とは予定通りには進まないからです。事前の計画通りに進むことは稀で、多くの場合は後からやることが増えてきます。

最初にやるべきことを減らして半分にするという制約から、本当に重要なことに絞るわけです。

ここにデータ分析での戦略的な思考、意思決定が求められます。思いつくものを全てやる 「あれもこれも」 ではなく、「あれかこれか」 で取捨選択をします。

まとめ

今回は、データ分析の教科書 という本をご紹介しました。

いかがだったでしょうか?

ビジネスの実務でのデータ分析方法について、具体的な事例を使って全体像をわかりやすく解説しています。興味のある方は、ぜひ読んでみてください。

最後に今回の記事のまとめです。

本の概要
データ分析の考え方、全体プロセスをわかりやすく解説している本。アクション (意思決定) につながる分析法を学べる。
データ分析の全体像
・準備する
・集める
・分析する
・表現する
・伝える
読んで印象的だったこと
・データ分析の準備。目的を設定し、分析からアクションにつなげるため分析意義を明確にする
・6W1H のデータ構成要素から、分析目的に沿ったデータなのかを判断する
・分析スケジュールの見積もり方法。想定期間を半分にし、本当に重要なことに絞る


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