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ポスト平成のキャリア戦略。ポスト平成でキャリアを磨くための「ハングリー & ノーブル (高潔な気概) 」

ポスト平成のキャリア戦略 という本から、ビジネスキャリアについて書いています。

この本のタイトルは「ポスト平成のキャリア戦略」です。

ポスト平成では「個の能力」が問われる

本書では、ポスト平成で求められる人は、「新しい事業を創れる人」だと強調しています。仕事のできる人の定義が、根底から変わるという指摘です。

日本人の今後のキャリアを考えるときに、最も大きいテーマは「個として働けるか」だとします。

もちろんチームワークも大事ですが、より個の能力が問われ、自立した個人として仕事に向き合うことができるかです。

たとえとして、野球とサッカーの違いで説明されています。

今までは、個々人の役割が決まっていた野球型の組織でした。しかし今後は、得意分野を持ち、領域や役割を横断しながら自律的に動くサッカー型の組織です。

本書のキーワードは「ハングリー & ノーブル」

この本のキーワードは、「ハングリー & ノーブル」です。ノーブルとは、高潔な気概であると書かれています。以下は本書からの引用です。

「ポスト平成」時代を、日本人として立派に生きるためのキーワードをひとつ挙げるとすれば、それは「ハングリー & ノーブル」です。

 (中略)

今の日本にも、貪欲に金銭や名誉を求めるハングリーな人はいます。高貴な気概に満ちたノーブルな人もいます。しかし、ハングリーかつノーブルな人はほとんど思い当たりません。

大半の成り上がりは、自らの欲望や自我に食われて、ちっぽけな成功に満足し、偉大な何かを残せずに人生を終えます。大半のエスタブリッシュメントは、良識があっても、勇気と野蛮さに欠けるため、いい子ちゃんで終わってしまいます。

 (引用: ポスト平成のキャリア戦略


書かれているのは、ハングリーさがなければ事を成せず、何でも貪欲に吸収し、決断する度胸が持てません。一方、ノーブルさ (高潔な気概) がないと悪いことをやってしまいかねないと言います。

20代・30代・40代で必要な経験

本書では、20代から40代のそれぞれで、ビジネスキャリアの観点からどのような経験が必要なのかが、対談で話されています。

20代から40代で必要な経験は、以下です。

20代:失敗や挫折から、これまでの自信やプライドを捨て、新しい自分に生まれ変わるような経験 (リセットする体験)
30代:リーダーとして人をマネジメントする経験
40代:自分の理念を語れる。人を育てる。重要な財産は人脈 (ノウハウではなくノウフー (know who) )

ではここからは、本書を読んで思ったことです。

2つあります。

本書を読んで思ったこと
・ハングリー & ノーブル
・リーダーシップ

[読んで思ったこと 1] ハングリー & ノーブル

1つめは、「ハングリー & ノーブル」についてです。

ハングリーとノーブル (気高さ) は、本書のテーマです。対談では繰り返し強調されています。

ハングリーさで思ったのは、私自身にとっては出世やお金などの欲が、ビジネスキャリアと結びついていないことです。

チャレンジ、好奇心、学びに貪欲であること、自分の好きなことを追求するという意味のハングリーさが、自分の考え方に合っています。

ノーブルについて思ったことは、いかに自分の軸となるものを持つかです。具体的には、次の4つです。

自分の軸になる4つ
ビジョン:理想とする世界観。自分はどんな世界をつくりたいのか
使命感:自分は何のために生きているのか (ビジョンを実現するために何をするか)
価値観:どんな生き方や判断基準を持っているか
提供価値:自分が世の中に提供する具体的な価値は何か

ビジョンという世界観を実現するために、使命感として自分は何をするか、価値観や美意識としてどんな判断の拠り所を持っているか、そして、自分の振る舞いや行動によって実際にどんなインパクトを価値としてもたらしているかです。

これら4つが具体的であり、かつ一貫性があれば、自分の軸になります。

ビジョンが中心にあり、使命感・価値観・提供価値の3つが、ビジョンのまわりで結びついているイメージです。

[読んで思ったこと 2] リーダーシップ

読んで思ったことの2つめは、リーダーシップについてです。

リーダーシップとは、影響力です。まわりの人に影響を与え、組織を導いていく力です。

リーダーシップのもう1つの側面は、自分自身に対してです。本書で強調されている、ビジネスキャリアにおいて個で生きることの重要性を考えた時に、自分で自分のことを鼓舞し続けられるかです。

では、リーダーシップを身に付けるためには、どうすればいいのでしょうか。

以下の3つが、私が考えるリーダーに必要な要素です。

リーダーに必要な力
・構想力
・決断力
・人間力

以下、それぞれをご説明します。

1. 構想力

リーダーとは、掲げたビジョンという未来に向けて先導する人です。

ビジョンとは理想的なあるべき世界観です。

未来という夢を、なるべく具体的なイメージで鮮明に描けるかの「構想力」が問われます。ビジョンという未来を絵にするためには、その未来が見えている必要があります。他の人には見えていないものが、少なくともリーダーとなる人には見えています。

ただし、見えているだけでは足りません。描いた絵を人々に示し、語ることです。そして、語り続けることです。

人々にはまだ見えておらず気づいていない未来なので、始めは受け入れられないかもしれません。自分の信じることを何度でも語ることです。未来を示し続け共感してくれるフォロワーが生まれれば、一人の夢が皆の夢になります。

2. 決断力

リーダーとは決められる人です。明確な答えのない状況でも決断を迫られた時に、覚悟を持って決められるかです。

何かを決めるということは、選ばない選択肢を明確にできるかです。A も B もという両方ではなく、B を捨て、A と決められるかです。決断とは何かを捨てることです。リーダーに求められるのが「決断力」です。

3. 人間力

リーダーは、フォロワーという存在がいてはじめて成立します。

フォロワーから見て、この人なら付いて行っても良いと思える魅力があるかです。魅力的な人間であるかがリーダーの大事な要素です。どれだけの「人間力」があるかが、リーダーには問われます。

リーダーの姿勢が手本としてフォロワーに示され、全体に影響を与えます。

リーダー自身が我が身を正し、自分を律した振る舞いができるかです。たとえ誰も見ていなくても、人として恥じない行動ができるか、鏡に映った自分に誤魔化すことなく、正しい行動が取れているかです。

最後に

本書が興味深く読めるのは、二人の対談内容をそのまま全てを受け入れるよりも、自分自身に問いかけることによってです。

語られていることに対して自分はどう思うか、同意するか違う考え方をするか、それはなぜなのかです。

私は2018年現在は30代で、これまでのビジネスキャリアを振り返り、これからを考えさせられた本でした。


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