書評: 結果を出すリーダーはみな非情である (冨山和彦) 。リアリズムと合理主義を追求するリーダーシップ
今回は、書評です。
結果を出すリーダーはみな非情である という本を取り上げます。
この記事でわかること
・本に書かれている内容
・結果を出すリーダーになるためには
・リーダーシップを磨く方法
ぜひ記事の内容も参考に、この本も読んでみてください。
この本に書かれていること
この本の内容を一言で言えば、リアリズムと合理主義に徹するリーダーシップです。
読者ターゲットは30代のビジネスパーソンで、会社でのポジションは課長や部長クラスです。
ミドルリーダーが、これからさらに一皮むけるために、どんな能力や経験を積めばよいかが書かれている本です。
読んで考えさせられたこと (5つ)
この本を読んで考えさせられたのは、次の5つです。
読んで考えさせられたこと
・現実直視
・本質理解
・決断
・逃げない
・論理と感情
以下、それぞれについてご説明します。
[考えさせられた 1] 現実直視
リーダーに問われるのは、現実に対して正面から向き合うことです。
特に有事において、現実直視ができるかどうかが大事です。
リーダーがどんなビジョンを描き、何を考え、どんな振る舞いをするかは、いずれもリーダー自身が目の前の現実をどう捉えているかが出発点です。
事実や現場での事象からどんな意味合いを抽出するかの大切さを、この本を読んであらためて考えさせられました。
[考えさせられた 2] 本質理解
見定めた現状から、どのような本質を捉えるかです。
問題が起こった時に、目に見える事象の背後にあるメカニズムを紐解き、さらに奥にある本質を見極められるかどうかが、問題解決に大きく影響します。
人や組織の本質は何かも、リーダーには問われる視点です。人の良い面だけではなく、性悪説な一面、あるいは弱さや怠惰の部分にも目を向けます。
本質というリアルをつかめるかどうかが、合理主義を追求するリーダーシップに求められます。
[考えさせられた 3] 決断
リーダーに必要な力の1つは、決断力です。
中でも、リーダーにしかできない意思決定ができるかです。リーダー以外のメンバーにはできない判断を、リーダーが最後は決断します。
決断とは、選ばない選択肢を捨てることです。何かを決めるにあたって難しさがあるのは、選ぶよりも捨てるほうです。つまり、戦略的な思考と行動が求められるのがリーダーです。
この本で印象的だった表現に、「引き算の思考」 があります。
意味は、決断を 「あれもこれも」 と積み上げる足し算ではなく、「あれかこれか」 でどちらかを捨てます。戦略とは捨てて、残したほうに集中することです。先に捨てる決断がきます。
[考えさせられた 4] 逃げない
決断力以外にも、リーダーに求められる力は意志力や実現力です。
たとえ困難な状況であっても目の前の現実から逃げず、意志を貫けるか、そしてやり遂げられるかどうかです。
自分ごととして捉え、自分の言葉や決断に覚悟と責任を持つのがリーダーです。
[考えさせられた 5] 論理と感情
この本で書かれているのは、リアリズムと合理主義に徹するリーダーシップです。
ただし、論理やロジック一辺倒でよいというと、そうではありません。論理と感情、人の合理と非合理の両方に向き合うことが大切です。
むしろ非合理な部分、人の感情、人間関係のドロドロしたところなど、単純に論理だけでは片付かないことに目を向け、リーダーとして何を感じるかです。
人や問題の合理と非合理の狭間で悩み、考え、そして、矛盾することに自分なりの折り合いをつけて、なんとかやりくりをしていくのです。
こうした人や組織の表と裏について、実体験がありマネジメントした経験が、リアリズムに徹することができるリーダーシップにつながります。
まとめ
今回は、結果を出すリーダーはみな非情である という本をご紹介しました。
リーダーの役割、リーダーシップとは何かをあらためて考えされた一冊でした。
最後に今回の記事のまとめです。
この本の内容は、リアリズムと合理主義に徹するリーダーシップ。
読者ターゲットは30代のビジネスパーソンで、会社でのポジションは課長や部長クラス。ミドルリーダーが、これからさらに一皮むけるために、どんな能力や経験を積めばよいかが書かれている。
読んで考えさせられたこと
・現実直視:現実に正面から向き合い、意味合いを見い出す
・本質理解:事象の背後にあるメカニズム、さらに奥にあるものごとの本質を捉える
・決断:リーダーにしかできない意思決定をする。選ばないほうを捨てる ( 「あれもこれも」 ではなく 「あれかこれか」 )
・逃げない:困難にも現実から逃げず、意志を貫き、遂げる
・論理と感情:論理一辺倒ではなく、論理と感情、人の合理と非合理の両方に向き合う
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