箱を再定義した 「YROHAKO (イロハコ)」 に学ぶ、パーパスからの価値とブランドのつくり方
今回は 「パーパス (存在意義) からの価値とブランドのつくり方」 という話です。
おもしろいと思った箱のブランディング事例から、学べることを掘り下げていきましょう。
箱を再定義するイロハコ
ご紹介したいのは 「YROHAKO (イロハコ)」 です。
ブランドコンセプト
イロハコのブランドコンセプトについて続けて詳しく見てみましょう。
価値イメージの再構築 (パーセプションチェンジ)
イロハコはデザインや製法にこだわり、箱の価値認識を変えようとしています。
箱の役割を物を入れるためだけではなく、室内に飾ることでちょっとした刺激を与える存在になることを狙っています。
イロハコをマーケティングの観点で捉えれば 「パーセプションチェンジ」 です。パーセプションとは認識を意味し、「お客さんの頭の中での商品やサービスでの価値についてのイメージ」 です。
イロハコは箱の価値イメージを変えることを狙っているわけです。
学べること
ではイロハコから学べることを掘り下げていきましょう。
存在意義の再定義
イロハコのブランドコンセプトから学べるのは 「お客さんの価値イメージをより良くするためには、存在意義に立ち戻る重要性」 です。
イロハコは箱としての役割を自分たちの手で再定義しました。
箱を単なる収納具としてではなくイロハコをインテリアとして空間に存在させ、イロハコのことを 「空間にいる人への刺激を与えるもの」 「日常生活をより良くするもの」 と捉え直したのです。職人の手作りによって実現し、イロハコのある生活を提案しています。
「三人のレンガ職人」 から学べること
自分たちの存在意義 (パーパス) は何か、自分たちは何をやる存在なのかの話はイソップ寓話の三人のレンガ職人に通じます。
ある時に旅人がレンガを積む仕事をしていた三人に 「ここで何をしているのですか」 と尋ねました。
答えは三者三様でした。1人目のレンガ職人は答えました。「見ればわかるだろう。レンガ積みに決まっているだろう」 と。
2人目の答えは 「お金を稼いで家族を養うためにレンガで壁を作っている」 、そして3人目のレンガ職人が旅人に言ったのは 「歴史に残る偉大な大聖堂を造っているんだ」 でした。
やっている作業は一見すると同じでも自分の捉え方次第で意味合いは変わります。お客さんや世の中にとっての自分たちの存在意義は何かを高い次元から見つめ直し、提供価値に落とし込んでいくことが大事です。
まとめ
今回は箱を再定義するイロハコを取り上げ、マーケティングに学べることを見てきました。
最後に学びのポイントをまとめておきます。
✓ 存在意義の再定義から
やっていることの捉え方次第で意味合いは変わる
お客さんや世の中にとっての自分たちの存在意義 (パーパス) は何かを高い次元から見つめ直し、提供価値に落とし込もう
存在意義を反映した商品やサービスを提供することで、お客さんの頭の中での価値イメージは変わっていき、結果としてブランドができる
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