今週のおもしろかったマーケティングニュースまとめ [2021年12月12日号]
今週の1週間で読んだニュースから、個人的におもしろいと思ったマーケティングの記事です。
選んだ基準は、マーケティングのものの見方や考え方、マーケティング事例を学べるニュースです。
記事は全部で12個あります。他にマーケティングが学べる動画も最後にご紹介しています。
小売の巨人へのインタビュー記事
日経 MJ の 12/8 の一面特集は、ユニクロの柳井正氏と、セブン & アイ・ホールディングス名誉会長の鈴木敏文氏へのそれぞれのインタビュー記事でした。
※ 有料会員限定の記事です
お二人が語っていた内容から、特に印象的だった言葉をご紹介します。
柳井さんが言っていたのは、消費者理解についてで、
セブン & アイの鈴木さんの、無人コンビニへの指摘も考えさせられます。
じっくり読みたい Google の記事
続いて、Google のオウンドメディア 「Think with Google」 から。専門家の議論をまとめた記事です。
「マーケティングは違いを見つけるから同じを見つける」 時代に - 博報堂嶋氏やワンメディア明石氏らが議論、効果の高い YouTube 広告とは
書かれていたことで印象的だったのは、
これからのブランドは 「カリフォルニアロール」 になるべき。受け手の参加余地を意図的につくり巻き込み、送り手と受け手の双方でメッセージを広げる
YouTube 広告は 「人様のパーティでスピーチするようなもの」 。YouTube の場に 「参加させてもらう立場」 で
違いを見つけるマーケティングから、同じを見つけるマーケティングへ
未来予測 / トレンド記事
未来について書かれた記事や、来年のトレンドを紹介する記事です。
「空飛ぶクルマ」 2025年万博での実用化に向け競争激化
空飛ぶクルマと聞くと、SF やかなり先の未来のイメージを持つかもしれませんが、実現はもうすぐという記事。
記事タイトルにあるように2025年という3年くらい先の、もはや現実的な話です。わくわくする内容でした。
2025年というのは、25年4月に開幕する大阪万博が開発・実現の目標になっているからです。万博の目玉の1つとして、大阪府や国が開発を後押しています。
2021 シニアトレンド & 2022 シニアトレンド予測をハルメクが発表
シニア向け女性雑誌 「ハルメク」 が、今年のシニア世代の動向を振り返り、2021年シニアトレンドと、2022年のシニアトレンド予測を発表しています。
発表ではそれぞれについて簡単な解説がされていて、知らないことが多く勉強になりました。
ダイエット & 健康情報メディア FYTTE 編集部員とオピニオンリーダーが予測する2022年のヘルスケアトレンド
2022年のヘルスケアトレンドを紹介する記事です。
以下の10個のキーワードが解説されています。
新サービスリリース
マニアックな話ですが、個人的には注目したいニュースがこちら。
ニールセン、クッキーレスの未来に備えて日本を含む15市場で強化されたデジタル広告測定用 ID システムを展開
ニールセンが提供するデジタル広告視聴率 (DAR (Digital Ad Ratings) のために強化された 「ニールセン・アイデンティティ・システム」 を、来年にリリースするとのこと。
今回の改良で、より正確なデジタル広告測定が可能になります。クッキーレス環境が進む将来においても、デバイスやプラットフォーム、パブリッシャーの重複を排除した 「人」 をベースにした総合的な広告測定ができます。
日本でのリリースは来年の2022年4月1日の予定です。
店頭やパッケージの 「映え」
お店のつくり方、商品のパッケージで、「見せ方」 を考えさせられる記事です。
1つ目は回転寿司の 「くら寿司」 から。
くら寿司、Z 世代向け新店舗 佐藤可士和氏が監修
Z 世代向けの店舗で、内装コンセプトが 「日本の伝統文化 × トウキョウ・ポップカルチャー」 です。
色とりどりの 「カラフル提灯ウォール」 、他には 「スイーツ屋台」 、回転寿司ではめずらしい 「自動クレープ焼き機」 もあります。
席は、障子を閉めることで個室になるボックスシートや、スカイツリーなどの眺望が楽しめるテラス席 「バルコニー飲食スペース」 、さらに原宿の街並みを見ながら食事ができるスタンド席、自撮りスタンドまであるとのこと。
このニュースに注目した理由は、回転寿司の新しい独自化だからです。
回転寿司のこれまでの差異化は、安さ、手軽さ・効率、ネタ、ラーメンなどのサイドメニュー、期間限定キャンペーン (例: 鬼滅の刃とのコラボ) でした。しかし、くら寿司の新しい店舗は、店内デザインによる体験からの独自化で興味深いです。
イッセイ ミヤケも採用 「箱」 の 「再発明」 で梱包が価値になる
箱をテーマとし、「箱を、再発明する。」 というコンセプトがおもしろいです。
パッケージを見た目の美しさだけではなく、使い勝手の良さも追求するデザインの考え方が好きです。
マーケティング事例の記事
他社の成功事例には、学ぶことがたくさんあります。
今週読んだ事例記事で、特に興味深かったものを3つご紹介します。
開封率が強みの紙の DM でメッセージを伝える - 有識者 & 調査結果からコツを学ぶ
デジタルではなく、あえて 「紙の DM 」 にフォーカスを当てた記事。
実際の DM 事例や調査結果から、紙の DM を成功させるポイントが学べます。
押しつけないコミュニケーション
紙ならではの特別感のある体験をつくる (素材や色, 香り, 音)
QR コードをつけてデジタルにつなげる
記事の中に紹介されていた 「センサリーマーケティング」 も興味深かったです。
センサリーマーケティングとは、生活者の感覚 (センサー) に働きかけ、生活者の評価や知覚 (パーセプション) 、行動に影響を与えるアプローチです。
この捉え方は、Google が提唱している 「パルス型消費」 にも通じると思いました。
パルス型消費についての Google の解説記事はこちらです。
「小さく始めたからこそ、上手くいった」 日立製作所の BtoB マーケの PDCA サイクルが回るまで
営業が強い組織の中で、スモールスタート (小さく始める) で BtoB マーケティングを推進し、最終的には全社的な取り組みへ拡大した事例です。
社内で他部署からの思うような協力が得られない中で、諦めずに粘り強い交渉で進めていった話は、例えば部署横断のプロジェクトを進める時の参考になります。
LINE ミニアプリで 「効率化」 する、日本の飲食企業たち - 「ムゲン食堂」 と 「廚 菓子 くろぎ」 の場合
飲食店での LINE 公式アカウントの活用事例です。
記事のポイントをまとめると、LINE 導入による効果や価値は、
非効率なアナログのデジタル化 (顧客体験, 業務プロセス, 顧客リスト化)
業務プロセスの効率化
お客の飲食体験の向上 (価値創出)
* * *
今週のピックアップ記事は以上です。
最後におまけです。
マーケティングを学べる動画
【実戦】森岡毅率いるチーム刀が直伝。最強マーケター育成ブートキャンプ (葬儀ビジネス編)
日本を代表するマーケターの森岡毅氏が代表を務める 「刀」 が総力をあげて用意した 「マーケティング ブートキャンプ」 のダイジェスト動画です。
この動画は、葬儀ビジネスのケースです。
マーケティングで大切なことが凝縮されている動画でした。マーケターの方はもちろん、マーケティングの仕事を直接されていない方にも見ていただきたい内容です。
自分なりの学びのポイントは、
目が向きがちな 「打ち手の How 」 の前に、「ターゲット顧客 (Who) 」 と 「顧客への本質的な提供価値 (What) 」 を考える
本質的な提供価値は 「顧客インサイト」 にもとづいている
インサイトとは、顧客が持っている潜在的な望みや解消したい不満。無意識な行動を支配している。普段は自覚していないが、そう言われれば 「そうそう!」 「なるほど」 「ハッとさせられる」 もの
顧客理解の重要性を具体的なブートキャンプ内容を通じて学べます。
* * *
今週は以上です。
また来週の日曜に気になったマーケティングニュースのまとめをお届けしますね。良い一週間をお過ごしください!
ニュースレターのご紹介
これが本当に最後で、レターのご紹介をさせてください。
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