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マーケティングリサーチの役割。マーケティングがあってこそのリサーチ

今回のエントリーは、自分の専門であるマーケティングリサーチについてです。

マーケティングとマーケティングリサーチの関係

マーケティングリサーチを企画するためには、「マーケティング」 と 「マーケティングリサーチ」 の関係を理解する必要があります。この整理は重要です。

マーケティングとマーケティングリサーチの関係
・マーケティングの目的
・マーケティングの問題と課題
・マーケティングリサーチの目的 (= マーケの問題解決) 

1. マーケティング目的

自社商品やサービスのビジネスをする上で、マーケティングの目的があります。例えば、自社製品の大型リニューアルをし、減少傾向にある売上を回復 (増加) させることです。

2. マーケティングの問題と課題

通常、マーケティング目的を達成するためには何かしらの問題があります。

同じ例で言えば、製品の大型リニューアルのための情報が足りておらず、具体的なリニューアルの戦略や施策を決めきれないという状況です。必要な情報とは例えば、大型リニューアルには新規ユーザー取り込みが重要なので、新規ターゲットのニーズを理解することです。

これが、リニューアルによる売上増加というマーケティング目的を達成するための 「マーケティング課題」 です。

3. マーケティングリサーチの目的

マーケティング課題に答えを出すことが 「マーケティングリサーチの目的」 です。リサーチに求められるのは、リニューアルの戦略や施策の判断材料や意思決定をするための示唆を提示することです。

マーケティングとマーケティングリサーチには一貫性があるか

ここまでを整理します。

マーケティングの目的:大型リニューアルで売上減少を増加に転じたい
マーケティングの問題と課題:大型リニューアルの戦略や施策を決める必要情報が不足。具体的には、リニューアルで狙う新規ユーザーのニーズが不明
リサーチの目的:新規ユーザーを取り込むためにニーズを調査をし、マーケティングの問題解決の一助とする
  • マーケティングとマーケティングリサーチの関係で大切なのは、3つ全てでの一貫性です。
  • リサーチ目的がマーケティング課題を解決するか、マーケティングにおける問題解決に貢献し、マーケティング目的達成につながるかです。

マーケティングリサーチ課題

リサーチ目的を達成するために設定するのが「リサーチ課題」です。

リサーチ課題とは、どのような視点で調査し分析をするかの論点です。リサーチ目的とマーケティング課題は一貫性を持たせているので、リサーチ課題に答えを出すことは、マーケティング課題に答えを出すことです。

前述の例で言えば、リサーチ目的である 「新規ユーザーのニーズを理解し、リニューアル戦略の意思決定に貢献する」 に対して、以下のようなリサーチ課題が考えられます。

リサーチ課題の例 (1)
新規ターゲットユーザーはどういう人たちなのか?
・自社製品カテゴリーに求める価値は何か (どのようなうれしいことを期待してそのカテゴリーを買うのか) ?
・普段の買いものはどこで、いつ、何を、どれくらい買っているのか?
・生活状況などのライフスタイル、接触メディア (情報媒体) は何か?
リサーチ課題の例 (2)

・新規ユーザーから見た競合は何か?自社製品を買う際に、頭に浮かぶであろう他の選択肢は何か (直接の競合である同カテゴリー以外も含めて) ?

・新規ターゲットは何人くらいのボリュームなのか?
・そのボリュームのうち、どの程度の人が買ってくれそうか (既存売上に増加の影響を与えるほどの規模はいるか) ?

・新規ユーザーの自社製品への認知、興味、商品特徴理解はそれぞれどの程度か?
・購買ファネルにおいてどこにボトルネックがあるか?

マーケティングとリサーチのつながり

これらリサーチ課題である論点に、調査から1つ1つ答えや示唆を出します。

リサーチ目的を果たし、マーケティング課題に答えることを目指します。リサーチ課題に答えを出し、大型リニューアルの意思決定に役に立つ情報を提供するのです。

リサーチを基点に考えれば、以下の流れです。

リサーチからマーケティングへ
・リサーチ課題に答えを出す
・リサーチ目的を達成する = マーケティングの問題解決をする
・マーケティング目的を達成する

マーケティングリサーチとマーケティングは、密接につながっています。

2018年4月21日追記

今回の記事の補足を書きたいと思い、別の記事で公開しました。


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