成果を出すデータ検証。相手のニーズと利用目的を理解する方法
今回はデータ検証についてです。データ検証で成果を出す方法を解説しています。
「提示相手の期待と利用目的を理解しよう」 という話です。
この記事を読んでいただきたいと思うのは仕事でデータ検証をしている方、やる機会がある方です。データ検証を効率よく成果を出す方法としてお役に立てればと思います。
また、「成果を出すデータ検証の方法を知りたい」 と興味を持った方にも参考になればうれしいです。
背景の共有
今回の背景から共有させてください。コンサルティングのある仕事での出来事です。
データ検証の依頼を時々受けるのですが、内容は 「第三者の立場で、データ検証の設計や進め方のアドバイスをもらえないか」 というものでした。
もう少し具体的にご説明をすると、例えば BtoB の事業をやっている企業で、マーケティングデータからのデータ分析ツールやダッシュボードを提供している会社です。ツールのユーザー企業はメーカーやサービス提供の事業者で、他にはメディア企業や広告会社も使っています。
検証内容は提供データの仕様が変わるため、変更前後で問題がないことをデータで提示することでした。
木を見て森を見ず
このようなデータ検証へのコンサルティングの仕事で、共通してまず伝えることがあります。それは 「木を見て森を見ずにならないように」 です。
というのも、データ検証の詳細のプラン作成や実際に検証作業に入ると、人はえてして目の前の細かいところに目が向きがちです。良く言えば集中できていますが、一方で視野が狭くなっている状態です。
データ検証の2つの目的
ここで言う 「森」 とはそもそものデータ検証の目的です。目的は2つに分解できます。
自分たち (検証する側) の目的
検証結果を見せる相手にとっての目的
見落としがちなのは特に後者の相手視点での目的です。相手の立場になっての目的設定ができるかが、データ検証で成果を出すポイントです。これができると、際限なく検証が続きいつまでたっても終わらない状態を防げます。
では具体的に、検証を提示する相手の目的をどうやって見極めるかの方法を見ていきましょう。
相手の目的を理解する方法
相手とは検証結果を提示する人や企業です。先ほどの例を続けると、分析ツールを提供するユーザー企業や利用者です。
相手の目的を理解するために次のように分解して見ていきます。
✓ 相手の目的理解 (着眼点)
検証に期待していること
検証結果を 「誰が・誰に対して・どう使うか」 (検証結果の具体的な利用シーン)
使うことによって何の意思決定するのか
意思決定から想定されるアクション (ネクストステップ)
いつまでに必要か
このように広く相手の目的を把握します。広くとは検証結果の具体的な利用シーンまで解像度高く描きます。
例えば、分析ツールを社内利用の管理をしている担当者は検証結果を知ることによって、想定される社内ユーザーからの FAQ (よくある質問) を取りまとめることに使います。そのためには単に検証結果を担当者に開示するだけではなく、こちら側でも FAQ のドラフト案まで用意すると喜ばれます。
期待や使い方がわかれば検証ブランや検証設計を立てやすくなります。逆に言えば相手の目的が見えていないと検証の範囲が広がり作業量が膨大になり、検証自体が目的になる手段が目的化が起こります。
データ検証で成果を出すためには目的設定が大事です。検証する側の自分たちの目的だけではなく、提示する相手の目的を理解して取りかかると良いです。
まとめ
今回はデータ検証についてでした。
最後にポイントをまとめておきます。
データ検証の際は 「木を見て森を見ず」 にならないよう注意。自分たちの目的と検証結果を提示する相手の目的の両方を考慮する
相手の目的を理解するためには、検証に期待すること、検証結果の具体的な利用用途・シーン、意思決定の背後にある目的・アクション・タイミングなどを広く把握する
相手の目的が明確になることで検証範囲や作業量が適切になり、検証結果がより効果的に活用される
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