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イシューから始め、バリューを出す方法。仮説を持つことの注意点

イシューからはじめよ - 知的生産の「シンプルな本質」という本は、タイトルの通りイシュードリブンで仕事をすることの大切さを学べる本です。

今回は、イシューから始めることについて書いています。

バリューを出すとは

本書が読者に問いかけるのは、バリューのある仕事ができているかです。バリューがあるとは、2つです。「イシューの度合いが高い」と「解の質が高い」です。

バリューは、以下の2つの掛け合わせです。

バリュー = イシュー度 × 解の質

イシューからはじめる

バリューをイシューと解に分けており、大事なのは順番です。まずはイシューの見極めです。イシュー度合いの高いものに注力できるかです。

イシュー度が高いとは、答えを出すべき必要の高いもの、あるいは解決すべき必要の高いことです。

解の質を高めるのは、取り組むイシューを決めてからです。いくら解の質が高くても、そもそもイシュー度が低ければ価値のあるアウトプットにはなりません。

重要なのは、問題を解く前に問題を見極める、解の質を上げる前にイシューの質を上げるという認識です。

イシューを見極めるということは、扱わないイシューを捨てることです。必ずしも今答えを出す必要のないイシュー度合いの低いものは、手を出さないという割り切りが大切です。

戦略とは捨てること、戦いを略すと書くように、やらないことを決めることです。

イシューを見極めた後にやること (2つ) 

イシュー度の高いものを見極めた後にやることは、2つです。

イシューを見極めた後にやること
・答えが出せるかを確認する
・イシューに対して仮説を持つ (スタンスをとる) 

以下、それぞれの補足です。

[やること 1] 答えが出せるかを確認する

本当に答えを出すべきイシューを見極め、イシューを解く前に確認すべきことがあります。答えが出せるかです。

どんなにイシュー度が高いことでも、答えが出せないものには手を出してはいけません。バリューは、イシュー度と解の質のかけ算です。答えが出せないとは、解の質がゼロだということです。つまり、バリューはゼロです。

[やること 2] イシューに対して仮説を持つ (スタンスをとる)

イシューを見極めてすぐに解を出そうと着手する前に、イシューに対して仮説をつくります。解いてみないと答えはわからないとするのではなく、強引にでも仮説を持ち、イシューに対して自分なりのスタンスを明らかにします。

仮説を持つメリットは2つあります。

仮説を持つメリット
・解を出すためのデータや情報の集めすぎを防げる
・分析結果の解釈がしやすくなる

イシューと仮説をセットで持っておけば、解を出すプロセスは、仮説が正しいのか、それとも間違っているのか、間違っているのであれば具体的にどこが違うのかになります。

一方、仮説がなければ、イシューに対して何をすれば解を出せたかの判断ができません。際限なく情報収集をすることになり、答えを出すにあたって、解として位置づけていいのかも決めにくくなります。

なお、仮説を持つことには注意があります。

仮説を持つことの注意点

仮説とはあくまで「仮の答え」です。その時点では最も妥当な答えになりそうなことです。しかし、本当にそうなのかは定かではありません。

この前提を忘れてしまうと、仮説に固執してしまい、真実 (本当の答え) を見誤る原因になります。仮説を持つことは答えを出すための手段にもかかわらず、ただ仮説を盲目的に答えにすり替えてしまうのは本末転倒です。

大切なのは、自分の中に矛盾を同居させます。仮説は正しいだろうと思うと同時に、間違っているのではと思うのです。

仮説はデータや情報で分析し検証され、時には反証されて、より強い答えを得られます。こうして、解の質を上げていきます。


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