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書評: 「それ、根拠あるの?」 と言わせない データ・統計分析ができる本 (柏木吉基)
ご紹介したい本は、 「それ、根拠あるの?」 と言わせない データ・統計分析ができる本 (柏木吉基) です。
本書の概要
ビジネスの物語形式でデータ分析を学べる本です。
ストーリーは、データ分析を担当する若手社員が上司にアドバイスをもらいながら、経営メンバーに提案する新規事業の計画書を作る設定です。
新規事業は架空の話ですが、サイクロン掃除機をアジア新興国に新規参入するというものです。事業計画にデータ分析をどう役立たせるかという視点で興味深く読めました。
本の構成は次の通りです。矢印の先に書いているのはそれぞれの章で学べることやデータ分析で具体的に何をするかです。
✓ 本書の構成
発想とコツ → 仮説思考や逆算思考
データの集め方 → データ収集で注意すべきこと
市場規模の推定 → 平均値と中央値
売上や利益のリスクの見極め → 標準偏差とヒストグラム
成功要因の抽出 → 相関分析
必要な予算と結果予測 → 単回帰分析
見せ方伝え方 → 効果的なプレゼン
一般的な統計の本は、例えば相関や回帰分析は、なぜそうなるのかを数式で証明したり、学術的な観点に重きを置いて説明しています。読んだその場では理解できたように思えても、いざ自分の仕事で使おうとすると、どう活用すればいいのかや、そもそもとして使えることに気づけなかったりするんですよね。
一方でこの本は、「データ分析はビジネスにどう役に立つか」 「意思決定にどのように使えるか」 を重視して書かれているのが特徴です。
データ分析と目的
少し所感です。
この本を読んであらためて思うのは、データ分析はビジネスでは目的があってはじめて成立するということです。言葉にすると当たり前に見えるかもしれませんが、データ分析に直接携わるとつい意識が弱くなります。
データ分析は単なる情報の整理やグラフや図での可視化ではなく、ビジネス目標達成のためにあります。いくら高度で先進的な分析手法を入れたとしても、もとの目的が達成されなければビジネスでは意味をなしません。
データ分析者は主役にならず、あくまで脇役。主役は経営や事業、マーケティングなどの意思決定者なのです。
おわりに
この本は、データ分析の 「ビジネスでの使い方」 、つまり提案や意思決定への活用がストーリーからイメージできる1冊です。
統計の知識だけではなくデータでいかに説得力をもたせるか、さらには仕事の進め方も学べる本です。よかったらぜひ読んでみてください!
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