No.1スパイ小説「トップ・シークレット」LINEバトル結果発表と極秘プロフィールの公開☆
毎巻ぜったい面白い、児童文庫 No.1スパイ小説「トップ・シークレット」!
舞台は、存在自体が最高機密(トップ・シークレット)な「スパイ学園」。
世界中から天才があつめられる、超トクベツな学園なんだ。
そんな場所にかよう主人公・ナノから、秘密を守る仲間のみんなにお知らせ!
この夏、6月~8月に実施していた「公式LINE限定スペシャル企画」の投票結果を発表するよ!
ナノ、レオ、ニムが、LINEで何回名前を呼ばれたかで勝負するこのバトルの勝者はいったいだれ?
1位をゲットしたのは…………
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ナノ・エメラルド!
総票数:3万5525票!
ナノ 1万3119票
レオ 1万2421票
ニム 9985票
ナノ「やったー! 勝負に勝てるなんて、最高にクールだ!
こんなにたくさん応援してもらえるなんて、うれしすぎるよ~!!
最高にハッピーだ!!
きみに、あたしの極秘プロフィールを、楽しんでもらえたらうれしいな!
もちろん、この内容は、あたしときみだけの秘密だよ!」
それでは、ナノの「ここだけの情報」を、この記事を読んでいるみんなにだけ公開するよ。どんな秘密があかされる?
極秘プロフィール公開!
Q.「人生ではじめてした大ゲンカは、いつ?」
A.あれは、えーっと。
そうだ! たしか、初等部1年生の入学式のあとの、朝ごはんの時間だった。
太陽が顔をだしたばかりの。
朝のはやい時間。
「これにて、入学式を終了する!」
ゼインの声が、大広間にひびいた。
「CSCOブロッサム学園、校訓!」
「「「「つねにせいぎをこころに!」」」」
ブロッサム学園の初等部一年生の、入学式がおわった。
あたしは、これからここでたくさん勉強をして。
世界一のスパイになるんだ!
コーチョー先生っていう、学園のえらい人になったゼインは、一段高い台のうえにいる。
あたしは、ニッと笑って、ゼインに手をふった。
ゼインはあきれながらも、ニッと笑いかえしてくれた。
「ナノ、行くよ」
レオが、あたしの手をひっぱった。
もうまわりに人はいない。
みんな退場したんだ。
「ねえレオ! あたし、今日の入学式、あんまりねなかったよ!」
「たしかに。いつも、ナノがこういう話を聞くときは、七秒でねるのに、今日は七〇秒もおきてた! 新記録だよ!」
レオは、大真面目な顔で、深くうなずくと。
「これなら、今日はカンペキな日になる!」
と言って、こぶしをにぎった。
それからレオは、満足げに、ピカピカのまあたらしい制服のすそを、ピンッとのばして言った。
「制服も、シワもよごれもなくて、カンペキだしね」
レオは、この赤い制服をきるのをずっと楽しみにしてたんだ。
かたのモールの位置をなおしたレオが。
期待のこもった目で、あたしを見つめた。
「ナノ、今日は、はじめて生徒になれた記念日だから、ぜったいにカンペキな日にしようね!」
「もちろん!」
そうそう。レオは、あたしのおさななじみで。
五歳で学園にやって来たときから、ずっといっしょに生活してるんだ。
そんなレオは、五歳のときからずーっとあたしにくっついてて。
なにをするにも、「いっしょがいい」って言うの。
それにレオは、なんでも、あたしのマネをするんだ。
このまえだって、レオは、とびばこの三段もとべないのに、あたしのマネをして、バク宙の練習をしてたくらいだ。
まあ、レオは、いつも「すごい」って言ってくれるし。
あたしのことを、ソンケーしてくれるし。
おくびょうでへなちょこなレオの、めんどうをみてあげれるのは、あたしくらいしかいないから!
ずっと、いっしょにいてあげるんだ。
それに、レオがとなりにいることは、もう“あたりまえ”だしね。
「あっさごっはん~!」
レオとつないだ手を、ブンブンふりながらやってきたのは。
「「食堂だ!」」
食堂に来るのは、はじめてなんだ!
五歳のときから学園にいることは、「だれにも言っちゃいけない秘密」なの。
だから、いままでは、バレないように。
あたしとレオは、ゼインとユーコ先生といっしょに、校長室でごはんを食べてたんだ。
はじめて入る場所に。
なんだかドキドキする。
レオも、ちょっと不安そうだ。
「レオ」
そう呼べば。
まんまるいサファイアみたいなひとみが、あたしを見つめる。
あたしは、ニッと笑って、右耳にかみをかけた。
『右耳にかけたら、実行(GO)の合図』だ。
レオは、パアッと顔を明るくして。
同じように、自分のかみを右耳にかけた。
これは五歳のときに、あたしが考えた合図だ。
「レオ、行こう!」
「うん!」
あたしたちは、食堂のなかへ歩きだした。
広い食堂には、まるい大きなテーブルが、いくつもならんでる。
あたしはレオをひっぱって、入口に近いテーブルにすわった。
「なに食べよう!? レオはなににする?」
「いつもどおり、シリアルかな」
あたしは、レオのほっぺをつついて、フニフニする。
「レオ~、いっつもおんなじじゃんか。今日は、世界一のスパイになるための、最初の日なんだよ! 朝ごはんもカンペキにしなきゃ!」
レオはこまった顔で、あたしを見る。
「じゃあ、ナノは、なにを食べるの?」
あたしは、むねをはった。
「ぜんぶ! ここにあるやつぜーんぶ食べるよ!」
「え、それじゃあ、みんなのぶんが、なくなるよ?」
「ロボットが、あたらしくもってきてくれるもん! それに、世界一のスパイになるなら、たくさん食べないと!」
あごに手をあてたレオは。
テーブルにならんだ、たくさんのシリアルやパンケーキ、ソーセージやフルーツ、ミルクのはいったポットや、オレンジジュースのビンなどを、真剣にながめて。
「ぜんぶを食べることは、本当に世界一のスパイにつながるのかな?」
って、小首をかしげて、つぶやいた。
「食べすぎると、おなかがいたくなったり、気持ちがわるくなって、このあとの授業に集中できなくなるかもしれないよ。それに、血糖値(けっとうち)がきゅうげきに上がると、インスリンの作用で、そのあとねむくなって――」
ひたいに手をあてたレオが、えんえんと話しだす。
「あーはいはい、OK! レオ、その話は、今夜の寝るまえの、おはなしタイムに聞くから、まず朝ごはんを食べよ!」
あたしは、大きなおさらに、パンケーキやソーセージをやまもりにのせる。
「レオ、そんな先のこととか、むずかしいことは考えなくてだいじょうぶ! あたしの言うことに、まちがいはないから!」
「そうかなぁ……?」
そのとき、コロコロッ
あたしの足元を、さくらんぼがころがっていった。
まわりを見わたせば。
ほかのテーブルで、歌をうたっておどりだした子と、それにおどろいてシリアルがこぼした子がいたたり。
なぞの実験をはじめた子のせいで、りんごがゆかじゅうにころがったり。
りんごに足をすべらせて、制服をよごしちゃった子が泣いちゃったりしてる。
そのたびに、先生たちがあわててサポートをしにいく声がひびいてきた。
これから友だちになる、一年生のみんなはとっても元気だ。
ゼインから、「低学年の食事タイムは、最初のころは、いろんなものがころがったり、とびかったりするから、気をつけろ」って言われたんだ。
あれ、それを言われていたのは、レオで。
あたしは、「ぜったいに、食べ物をなげるなよ」って言われたんだっけ。
さわがしい食堂を見まわしたレオが、キュッと口をむすんだ。
レオは、言葉にはしないけど。
その目は、ちょっと不安そうにゆれてる。
レオは、ゼインやユーコ先生には「よく気づけて考えられる子」って言われてるけど。
あたしにとっては、「さきのことを不安がる、おくびょうで、へなちょこな子」だ。
だからあたしは、レオが安心できるように。
その手を、ぎゅっと、にぎってあげるんだ。
「レオ、だいじょうぶ、あたしが守ってあげるから」
レオは、サファイアみたいな目をキラキラさせて、あたしを見上げる。
あたしは、ちょっといいところを見せたくなった。
「ミルクをとってあげるよ!」
ミルクのはいったポットが、ちょっととおくにあったから。
あたしはイスのうえに立って、ポットをつかんだ。
「ありがとう」
レオがうれしそうに笑うもんだから。
レオのおさらにのったシリアルに、ミルクをかけてあげることにした。
ここには、いつもいるゼインとユーコ先生はいないし。
あたしは、もう初等部一年生のおねえさんになったんだから。
レオのめんどうを、ちゃんとみてあげないとね!
あたしは、立ったまま。
レオのシリアルのはいった、深いおさらをめがけて。
ミルクポットをかたむけた。
ビチャビチャッ
高いところからミルクをそそぐと、はねるんだ。
しらなかった。
「うわぁ!」
レオの顔は、ミルクでまっしろになってる。
「あ、ごめん!」
おどろいてかたまってるレオを、助けてあげようと思って。
そのメガネを、ふいてあげようとしたとき。
あたしはちょっと、おっちょこちょいだから。
もう、ミルクをもってることをわすれてた。
だから。
左手で、レオのメガネをつかみながら。
右手で、ポットのミルクを、その顔にぶっかけてた。
「ぎゃあっ」
レオのさけび声が、食堂にひびいた。
「ええ! レオ、びちょびちょじゃん! ごめんね!」
レオは、自分のまっしろの制服を見下ろして。
「制服が……びちょびちょだ」
と、ぼうぜんとつぶやいた。
レオの顔には、この世のおわり、ってかいてある。
「ごめんね! レオ、ごめんね!」
ポットをテーブルにほかって。
テーブルクロスで、レオの顔をふく。
「カンペキな日に、なるはずだったのに……」
まだ、レオはかたまってる。
「ごめんねってば!」
ゴシゴシと力強く、その顔をふけば。
「いたいよ、もうふくのやめて」
レオに、パシッと手をはらわれた。
そのとき。
レオの手が、ちかくのオレンジジュースのビンにあたって。
バシャバシャッ
ビンのなかみが、あたしの制服を、びちょびちょにした。
「うげ! オレンジジュースまみれになった!」
「ご、ごめん。でも、わざとじゃないよ!」
「わかってるよぉ。でも、うへぇ~、べちょべちょしてて、気持ちわるい」
あたしが、制服をしぼりながら、くちびるをとがらせれば。
レオがかなしそうな顔をして、うつむいた。
「もういやだ。おれもナノもべちょべちょだし、ぜんぜんカンペキじゃない」
って、小さな声でつぶやくと、イスからおりた。
「え、どこいくの?」
「きがえにいく」
レオが、食堂の出入口にむかいながら、ぶっきらぼうに言った。
「もう、サイアクの日だよ」
ムカッ
「なにそれ! だいじな記念日をそんなふうに言わないでよ! 制服がぬれただけじゃん!」
「だいじな制服が、よごれたんだ。朝ごはんだって、まだ食べられてないし、きがえてたら、授業におくれるかもしれないし。そしたら、成績が下がるかもしれないし。そしたら昇格がおそくなるかもしれない――」
あたしもイスからおりて、レオのあとをおいかけた。
「そんな、うじうじ、さきのことを考えなくていいじゃん。まだ時間はあるんだから! レオは、ムダに考えすぎなんだよ」
「ナノが、考えナシなだけだ」
前を歩くレオが、つきはなすように言った。
「あたしだって、ちゃんと考えてるし! レオのおくびょうへなちょこ!」
「ナノだって、バカだ!」
「バカじゃないし!」
ムカついたから。
ドンッ
レオのせなかを、かるくおした。
「ナノ、おさないで!」
ふりかえったレオが、あたしのかたをおす。
ミルクでべちょべちょな、レオの白い手形が、あたしの制服についた。
「レオもおさないで!」
あたしは、またレオのかたをおした。
そしたら、またレオもおしてくるから。
あたしも、もっと強くおしてやった。
そしたらまたレオが、もっと強くおすから――
のくりかえしで。
あたしたちは、食堂のなかで。
おしあい、たたきあい、ひっぱりあい。
自分たちのミルクとオレンジジュースの水たまりに、いっしょに足をすべらせて。
ドガッと、ゆかをころげまわった。
レオの制服をひっぱって、あたしの制服もひっぱられて。
食堂じゅうをかけまわる大ゲンカになった。
「よし、そこよ、右ストレートよ!」
「さあ、オレンジ VS 青の大ゲンカ! どっちが勝つか!」
「おれは、オレンジだと思うなぁ」
「いや、いまの青のパンチはよかったわよ、青もなかなかやるわ!」
「あの色のコントラスト! ぼく、いまいい絵がかけそうだ!」
「ぼくは、いいごはんがつくれそうだ!」
「ぼくは、いい字がかけそうだ!」
「ぼくは、いい音楽がつくれそうだ!」
大乱闘(だいらんとう)のすえ。
あたしは、レオの上にのっかった。
「あたしの勝ち!」
パチパチパチッ はくしゅがおこった。
レオところげまわったせいで、あたしの顔も制服も。
ミルクとオレンジジュースで、びしょぬれだ。
かたでいきをしながら、レオを見下ろせば。
レオは、ムッとした。
「ナノ、きらい」
「きらいって言わないで!」
レオが、あたしをおして、立ちあがると、食堂をでていく。
あたしは、それをおいかける。
「なんで、きらいって言うの!」
レオをおいかけながら言えば。
レオは、かみの毛からおちるミルクをはらった。
「ナノが、ミルクをかけるし、おしてくるからだよ」
「じゃあ、もうかけないし、おさない。そしたらゆるしてくれる? きらいって言わない?」
「……うん」
レオは、小さくうなずいた。
「じゃあ、なかなおりのあくしゅ」
あたしのさしだした手を、レオが、ぎゅっとにぎってくれた。
そして、コウカイした。
「レオ、べちょべちょじゃん」
「ナノもだよ」
「たしかに。レオ、ミルクかけちゃって、ごめんね。あと、おくびょうへなちょこって言ってごめんね」
「うん、いいよ」
うなずいたレオは、まゆを下げてあたしを見つめた。
「おれも、オレンジジュースをかけちゃって、バカって言ってごめんね」
「いいよ! ゆるすよ! だってあたし、バカじゃないし!」
あたしが、しっかりうなずけば。
レオは、うれしそうに笑って、ぽんっと手をたたいた。
「たしかに。ナノは、いろんな遊びを思いつけるし、運動もできるから、バカじゃないかもしれない! まだ授業もはじまってないのに、決めつけちゃダメだったね」
「そうだよ~! あたし、ぜったい天才なんだから!」
きっと、あたしは、レオがソンケ―しなおしちゃうくらい、授業の勉強も、運動もカンペキにこなして。
世界一のスパイになるんだ!
あたしが、超天才ってところを、これから、レオに見せつけていかなくちゃね!
「レオ、授業におくれないように、いそいで、きがえに行こ」
「うん!」
寮にむかって、はや歩きですすみながら、あたしはレオを見た。
レオと、こんな大ゲンカをしたのは、はじめてだ。
「ねえ、レオ」
「なに?」
「なかなおり記念に、まえから話してた、あたしたちだけの“あたらしい合図”をつくらない?」
「つくる! やる!」
レオが、サファイアみたいな目をキラキラさせるから。
あたしは、ふふんとむねをはった。
「あたし、夜おそくまで考えてたアイデアがあるんだよ」
「え、なになに!?」
あたしは、レオとむき合うと。
手を上げさせて、そこにハイタッチして。
こぶしをつくらせると、そこにこぶしをぶつけた。
「ハイタッチしてから、こぶしをぶつけるの!」
「すごい! かっこいいよ!」
レオはちょっと考えて、言った。
「あのね、ナノ……おれも、ずっと考えてたんだ」
「ん?」
「目標を達成できたときにやる、合図」
レオが、ちょっと自信がなさそうに言った。
「え! レオ、教えて!」
「ナノのアイデアに、ちょっとついかして――」
レオが、ゆびをならして、あたしをゆびさした。
「え、レオ天才! それもついかしよう!」
それからレオといっしょに、いろいろかっこいいものをふやして。
とうとう、最高の合図が完成した!
「これ、最高にクールだ!」
うれしくてとびはねちゃう。
「ねえレオ! なかなおりの任務を達成したから、やろうよ!」
おたがいにむき合って、うなずくと。
ハイタッチをして。
こぶしをぶつけて、ゆびをならす。
「「ミッション・コンプリート!」」
同時に、おたがいをゆびさした。
「これで、あたしたちだけの合図ができたね!」
「うん!」
ニッと笑いあって、あたしはひらめいた。
「レオ、あたらしい合図も決めて、なかなおりもできたんだから、シュパッときがえて、超高速で朝ごはんを食べて、スーパースピードで教室に行けば、カンペキな日になるよ!」
「たしかに! ナノの言うとおりだ!」
「でしょ! あたしの言うことに、まちがいはないんだって!」
「そんなことは、ないと思うけど」
あたしは、レオのほっぺをつまんだ。
それからあたしたちは、べちょべちょの手をつないで。
今日をカンペキな日にするために。
寮にむかって歩きだした。
ま、そんなかわいかったレオも。
三年生になるころには、ぜんぜんかわいくなくなって。
このあと、一七七七回くらい、ケンカをすることになるんだけどね。
くわしくは、1巻を読んでみてね!
もう読んだ? 最新7巻の情報はコチラ!
ドキドキの7巻、ラストはちょービックリしたよね?
『■■■■■』の支部に潜入する8巻も、発売をおたのしみに!
極秘プロフィールは楽しんでもらえた?
もちろん、これは最高機密情報(トップ・シークレット)だから。
ぜったいヒミツにしてね!
それじゃあ、またきみに会えるのを楽しみにしてるよ!
常に正義を心に!