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「新卒採用だけ・・・?」人事としてのキャリアに不安を感じて転職して1年が経つので、このタイミングで振り返ってみる

こんにちは!人事の中島(@nakashi_HR_CC)と申します。
タイトルの通り、キャリアに不安を感じて転職してから、そろそろ1年が経ちます。
環境を変えて気づいた人事の魅力と難しさ、新しく芽生えた感情などを、節目としてまとめておこうと思い、記事を書きました。


人事のキャリアって何なんだろう?

新卒採用しかできない焦り

“モノ”と向き合うより“人”と向き合う方が性に合っていると感じ、前職でエンジニアから人事にキャリアチェンジして、「自分は人事として生きていくんだろうなー」となんとなく考えるようになりました。
ただ、人事と一言に言っても、その領域は多岐にわたります。
採用、育成、評価、制度設計・運用、配置、組織開発、労務管理・・・
人事を名乗っていましたが、やっていることは新卒採用の上流工程(企画〜母集団形成〜オペレーション設計など)に限定され、「これって人事って言えるのかな?」と不安を感じるようになりました。

答えはないけど幅を広げたい

昨今、経営戦略と人材マネジメントを連動させ、競争優位性を生み出すために人事も主体的に関わる必要があるという論調が強まっています。(戦略人事なんて言われてますね)

人事関連の本やネット記事を読んでいると、採用は重要であるとは思いつつ、あくまで手段だなとも感じます。
「戦略人事を実現するために、個人としてどんなスキルや経験を積むべきなのか?」
今でも明確にわかりませんし、答えはないのかもしれません。
ただ、人事としての経験は広げておきたい・もっと組織の中に入っていきたい という思いが大きくなり、それが実現できそうなポジションに魅力を感じて現職への転職を決意しました。

キャリア採用の楽しさと難しさ

現在は、AI事業本部という組織でエンジニアのキャリア採用をメインで担当しています。
「結局また採用?」と思われるかもしれませんが、前職での新卒採用と現職でのキャリア採用ではやることも考えることも大きく異なります。

数字と向き合いアクションを考える

普段はダイレクトリクルートを中心に採用活動をしていますが、数字との向き合い方は営業職のような側面があると感じます。
採用目標数から、承諾率、選考合格率、エントリー率、スカウト返信率などを逆算し、日々のアクション目標を立てていきます。
進捗が芳しくなかったら追加で何かしらの策を打ち、常に数字と向き合い続けます。
ポジションによって特徴や難易度は異なりますから、数字を見ながら「リファラル採用を強化する」「採用広報イベントを仕掛ける」「エージェントとの連携を深める」「スカウト媒体の使い分け」など様々なアクションを考えます。

ダイレクトリクルートでは、リサーチ、スカウト、カジュアル面談、クロージングに至るまで、1対1ですべてを対応(もちろん現場の協力もありますが)することが求められ、求職者との関わりも深くなります。
人事としての「採用力」が身につきやすいポジションだと感じます。(新卒採用を担当していたときは、数千人規模の母集団をつくる役割だったので、採用の手触り感が全然違うなと感じます。)
また、新卒採用がある程度定められたスケジュールで動く必要があるのに対し、キャリア採用はポジションニーズがある限り、年中採用活動をすることができます。それだけ場数を踏みやすいという見方ができます。

深い事業・組織の理解が求められる

採用活動では、自分が組織の代表として、事業や組織について深く理解し、求職者に自分の言葉で説明をする必要があります。
エンジニア採用であれば、エンジニアリングに関する知識も当然求められます。

相手は社会人経験を積んで、業界や職種、仕事に関する理解が深い上、軸も明確なケースが多く、質問もクリティカルなものが多くなります。
募集ポジションでの具体的な役割、事業フェーズ、開発環境、チームの雰囲気、それらを元になぜお声かけしたのかなどを正確かつ詳細に説明し、求職者の不安に思っている点について傾聴し、解消のサポートをする役割を担います。
現場との距離感を近くし、募集チームの一員のごとく理解を深める必要があります。

事業部人事の魅力

前職では、いわゆる本社機能のような組織で、影響範囲がとても広くスケールの大きな仕事ができる一方で、現場とはやや遠いポジションでした。
今は事業部人事なので現場がとても近く(オフィスの同じフロアに他職種が混在している環境)、それによるやりがいや魅力をとても感じています。

現場メンバーとの距離の近さ

オフィスの同じフロアに現場メンバーがいて、少し歩けば気軽に話せる距離感で、非常にコミュニケーションが取りやすいです。
雑談などもしやすく、ミーティングの設定なども気軽にできます。
これにより、現場の状況を即座にキャッチアップでき、必要なアクションをすぐに起こせます。
採用活動で言うと、採用要望のすり合わせ、面談・面接のアサイン、スカウト前のマッチング確認、面接フィードバックのヒアリング、クロージング協力依頼、採用イベント登壇依頼、リファラル採用など、とてもスピーディーに推進できます。

私が担当していた部門では、チームとして年間16名の採用に成功しましたが、現場との密な連携とスピードによる成果であると感じています。
One Teamで進めている感覚を強く実感することができています。

入社後の状況も見える

本社機能の仕事では、自分が関わった人が入社後にどうなったのかを直接追うことができず、やるせなさを感じていました。
事業部人事だと、自分が起点(スカウトなど)となって入社してくださった方が、入社後どのような状況に置かれているのかを間近で観ることができます。
定期的に雑談や面談をしたり、ランチに行って話を聞いたりしながら、活躍している様子や、モチベーションの状態、時には困りごとやしんどいと感じていることなどを聞き、人事としてできることがないかを考えることができます。

入社した方が「楽しく働けています!」や「思った通りの環境でした!」などと声をかけてくださると、何にも変えられない喜びを感じます。
今の自分には、これが人事の仕事をする上での1番のやりがいになっています。

感じている課題と次のチャレンジ

組織課題への介入

この1年は採用にコミットし、あくまで主観ですがそれなりに成果も出せたのかなと思っています。(もちろん失敗や反省も多くありましたが・・・)
前職の経験から今に至るまで、『採用』は自分の中で一つの軸・武器になりつつあります。

一方この1年間、近い距離で現場の声を聴きながら、採用だけではどうにもならない組織的な課題や難しさを感じてきました。
・プロダクトチーム間の連携(情報共有のあり方)
・不確実要素が多い新規事業組織のマネジメント
・カルチャーの浸透(オンボーディング)
・組織体制の妥当性(よりよい体制にするには?) etc…
このような組織的な課題に対し、課題の本質を掴み、解決に向けた施策を実行する力量が自分には足りないと痛感しました。

現場に近いポジションで採用に関わることで、
「入社した方が長くイキイキと働き活躍していただけるように。」
「また、事業成長に貢献できるように。」
採用と合わせて、組織活性化・組織課題解決ができる人事になりたいという思いが、より強くなりました。

👇この本、めちゃくちゃ勉強になったのでシェアします。
“システム設計(アーキテクチャ)は、組織構造を反映させたものになる” という考え方が、人事としても考えさせられる内容でした。

HRBPとしてのチャレンジ

「採用以外の人事経験も積みたい」「HRBPとして活躍できるようになりたい」ということは、常にマネージャーに伝えていましたが、今期から1プロダクトチームのBPを担当させていただくことになりました。
(やりたいと言っていたことに対して、ミッションを与えていただけたことに感謝です。。。)

先日、担当させていただくプロダクトの事業責任者・開発責任者に「担当人事をさせていただくことになったので意見交換させてほしい」と早速依頼したところ、快く引き受けてくださり、課題に感じていることや期待感などをお話してくれました。
次の1年は、これまで以上に事業・組織を深く理解した上で、人事として事業成長に貢献し、現場メンバーが気持ちよく働き続けられるよう、頭と体をフル回転させていきたいと思います。(もちろん、採用も引き続きやっていきますが!)

実務での体験がキャリアを想像させる

かなり主観的な意見も多くなりましたが、約1年間で感じたことや心境の変化をまとめました。

本社機能としての新卒採用担当の役割から、事業部門でのキャリア採用担当の役割に変わることで、より現場をリアルに感じ取り、魅力ややりがいを感じるとともに、近くにいないとわからない組織的な課題があることも見えてきました。

この1年に限らず、これまでの社会人経験から強く思うことは実務での体験がキャリアを想像させるということです。
以前の環境では掴めず、本などを読んでもピンとこなかった状態から、現場と近い距離に人事として身をおくことで、「人事の役割とは何か?」という本質に、少し近づけたような気がします。

これはまだわかりませんが、人事としてやるべきことが見え、できることが増え、関わる領域が広がった時に、より大きな貢献・インパクトを生み出すために『チームを持つ』という必要性が出て『マネージャー』というロールへの欲求も出てくるのかもしれません。

人事に限らず、キャリアを考える上での何かしらの参考になれば幸いです。
最後までお目通しいただき、ありがとうございました!

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