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【観劇日記】『ウェストサイドストーリー』

「ウェストサイドストーリー」は、作品は見たことがなくても、タイトルは知っているという人は多いのではないだろうか。劇中の音楽だって、聞いたことがあるはずだ。

私は「ウェストサイドストーリー」について、ずっとラブストーリーしか思っていなかった。それも、悲しい、悲劇の恋である。確かに悲恋ではあるが、単なるラブストーリーではなかった。もっと深いテーマがあったのだ。

それは、人種差別の問題である。ポーランド系とプエルトリコ系の若者たちの抗争を描くことで、アメリカという国の闇の部分を表現しているのだ。

アニータやプエルトリコ系移民の女性たちが歌う「America」は、アメリカへの憧れ、祖国を思う気持ちが歌詞になっている。その歌詞は、アメリカという国に対する皮肉も利かせている。

今、なぜ「ウェストサイドストーリー」なのだろうか。

「ウェストサイドストーリー」の初演や映画が公開された頃のアメリカは、公民権運動が盛んな時代で、黒人が白人と同等の権利を訴えるようになった時期だった。東西冷戦やキューバ危機といった問題も抱えていた。

21世紀の世界は、東西冷戦は終わったかもしれないが、核兵器や移民、イギリスのEU離脱問題、香港のデモ、様々な問題を抱えている。

日本だって、隣国との問題がある。

エライ人たちは、世界を分断したいのだろうか?インターネットがあって、指1本で世界に繋がることができ、ニュースだってまたたくまに広がるのに。

行き場のない若者たちの物語は、普遍的でいつの時代だって通じる。世界共通と気付かされた。

360°の回転劇場で見るミュージカルは、すごい迫力でした。やっぱり生で見るのはいいよ。








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