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最近読んだ本とか漫画とか 2021年1〜4月編

みなさまこんにちは。ツバメです。
音楽以外の趣味の話をしようと作ったnoteを全く使いこなせていないので、
タイトル通り最近読んだ本とか漫画について語って
みます。

最初は2か月に1回のペースで更新しようとこの記事を書き始めたのですが、気が付いたらそこから更に2か月経過していてひっくり返っちゃいました(照)

筆者、1年前のこの時期に狂ったように本を読みまくっていてそこから趣味としての読書が定着してきたタイプの人間なのでまだまだ知識の引き出しが少ないのですがよろしくです。

ちなみに各作品ネタバレについては根幹部分については避けるようにしていきますが、微ネタバレみたいな感じで書きます。(曖昧)
人に作品を紹介するときのネタバレの線引きって意外と難しいわね。
「これは名作だから何も考えずに見ろ/読め/聴け/感じろ」が結論になりがち。
ということで小説5作品、漫画3作品、雑誌1作品紹介します。
ゴールデンウイークの暇つぶしの助けになったりでもしたらウレシ。


ランチ酒 原田ひ香

「小説読みたいな~」と本屋をウロウロしていた時に飛び込んできたタイトルとかわいげな装丁に心惹かれて購入しました。これが楽しいから読書はやっぱり紙媒体を譲れないし、本屋と図書館は心が安らぐ大好きな場所です。

この小説で面白かったのはタイトルの仕掛け。仕掛けというと大げさかもしれないけど。
みなさん「ランチ酒」で想像するのはどんな光景でどんなお酒ですかね?
僕は「優雅に昼からイタリアンでワイン」とか「昼からどうしようもなく居酒屋でビールとか焼酎飲んじゃう」とか「おいしいお酒を求めて旅をしている人が行き着くランチビール」みたいなものを想像したんですが、「この物語におけるランチ酒」はそれらとはちょっとだけズレているんですよね。

「見守り屋」という特殊な夜型の仕事についている主人公にとってのランチは「1日の終わりに食べる食事」という位置づけ。
だから世間のあちこちで”仕事終わりの一杯”をやっている人と同じカテゴライズされるというわけです。角度を変えると見え方が変わるってやつですかね。

肝心の物語もしっかり面白いです。「見守り屋」という特殊な職業に係るややこしい話、離縁した夫と娘、姑が絡むドロドロした話が並行して進行していくからこそ、ランチとお酒がどれだけ主人公にとっての救いなのかがひしひしと伝わってきます。
ハンバーガーとビール、刺身と日本酒、唐揚げとハイボール等々、食欲、飲酒欲、外食欲を刺激される文章が最高でした。
また、東京中心に街のあちこちでランチ酒を展開するので、東京近郊で生活してる方にはより刺さると思います。「あ、ここ知ってる!」とか「この街にそんなとこあるの??」みたいな。
世も世なのでフラッと飲みに行くのも憚られる日々ですが、そういう時はフィクションに欲望を託しましょう。これは僕のライフハックです。どんどん活用してください。


タイタン 野崎まど

装丁が美しすぎて衝動買いをキメた本。
内容は「AIがすべての仕事を担うようになった未来の世界で、仕事に病んでしまったAIを人間がカウンセリングする」という物語。
この構図だけで面白そうだなとピンと来てしまった人はすぐに読んだ方がいいですね。(無駄に急かす)

ざっくりジャンル分けすると「SF」×「お仕事」小説といった感じになるけど、その掛け算がとんでもなく哲学的で示唆的に展開されるのが良かった。
「人間が仕事をしていない世の中」というワクワクとモヤモヤが入り混じる世界観がとてもツボにハマったし、ストーリーのスケールの大きさや、展開のスピーディーさやスリリングさも味わい深かったな。
「仕事」や「働くこと」の意義を見出せたりするので、そういう迷いのある人にオススメ~~ と言いたいところだが、疲れてる人が読みにはややボリューミィーだし、変な方向に病むスイッチが入ってしまっても責任は取れないので迂闊なことは言えない。が、面白いのでオススメ(結局オススメしている)。


コンビニ人間 村田沙耶香

言わずと知れた(であろう)第155回芥川賞受賞作品。
なんだかんだでまだ読んだことがなかったので読んでみました。

内容は大学卒業から就職せずコンビニバイトに勤しむ30代半ばの女性を主人公にした物語。
主人公の生き方は本人にとっては負い目を感じることのない<正常な生き方>であるのに対して、「いわゆる世間一般な意味での普通」な生き方をしている人(主人公の周りにいる人)の目には、<異常>に映る。
そんな、<それぞれにとっての普通>がエッジ全開に綴られている物語。
読んでいて思わず息が苦しくなってしまうような描写や、言葉に表しようのないモヤモヤ感に襲われてしまうので、痛快な読書体験をしたい人にオススメ。
普通が崩れてしまった時代だからこその読み応えもあると思うので是非。
あと「世間一般的な普通」って表記で大意が伝わっちゃうのは一見便利そうだけど、その裏にはこの概念に苦しめられている人がたくさんいるってことも少しは頭に入れないとなと思ったり。
かといって逐一噛み砕いて説明していくのは不可能に近いし、多様性多様性言われてるけど世の中むずかし~~って感じですよね(結論が小学1年生)


晴れ、時々 くらげを呼ぶ 鯨井あめ

読んだきっかけはフォロワーさんのオススメ。見事に好みでした、ありがとうございました。
物語はくらげを降らせることができる高校生の女の子と、その子と同じ図書委員の男の子を中心の話。
くらげに込められた思い、登場人物たちの背景など、物語全体の温度感がとても暖かくて良かったな。
「世界中に迷惑をかけたかった」の一言にはやられた。
この言葉が登場する文脈は、実際に読んでみてほしいので割愛するが、高校生という小さな存在が、自分の生きている世界に立ち向かおうとしている熱さよ。
また、作中にたくさんの実在する小説や小説家の名前が登場するのが特徴的で、「本に救われた人の編んだ物語感」がそこはかとなく伝わってきてしまって良い。
どこか辻村深月作品的な世界観に似ているような印象を受けた。
本に限らず音楽やドラマやら、「影響を受けた軸」の深掘りはワクワクするよね。


かがみの孤城 辻村深月


小説編ラストは先ほどチラッと名前を出した辻村深月さんの大名作。今年文庫化されたので2年ぶりに読み返しました。
「鏡の中の世界」に招かれた子どもたちがそれぞれの世界での壁を乗り越えて、つよくおおきくなっていく物語。
とにもかくにも物語の構成が恐ろしく精巧で、スラっと読めるのに読み込めば読み込むだけ新しい面白さを見つけることができてしまう究極の小説だと思っています。(物語の構成だいたい覚えているのに爆泣きした)
「本屋大賞」や「このミステリーがすごい」など凄いタイトルを沢山受賞しているのも当然だよなと言わざるを得ない傑作なので、みなさんの長い人生のどこかでこの作品と触れ合うタイミングが来てほしいなと願っています。

漫画編
ブルーピリオド 山口つばさ

漫画も紹介してみます。
最近かなり話題の作品で、2020年のマンガ大賞受賞作。こちらもフォロワーさんに「絶対刺さりますよ」と唆されたので読んでみた。ものの見事に刺さりました

ざっくりとした内容は何でもできるけど心から熱を注げるものがなかったインテリヤンキーの主人公が美術(油絵)に魅力を見出してしまい、そのまま美大(東京藝術大学)を目指すという物語。
こういう知的な熱量で圧倒していく物語にはどうしても引力を感じてしまうんですよね。(ex:ボールルームへようこそ/ランウェイで笑って)
主人公が美大受験に対して「行きたい理由があるんじゃなくて、行きたいから理由を探してるんだよ」と語っているのが痛烈に印象に残っている。
脇を固めるキャラクターの「美」に対する哲学の太さにも心を揺さぶられる。(序盤から出ているキャラだと世田介やマキ、最近出てきた人だと猫屋敷あも先生がめちゃくちゃ良い。あと八虎の友達の恋ちゃんも良い。)

アニメ化も決まっているので楽しみ。既にYOASOBIやクリープハイプとコラボしていたりと音楽界とも密接にリンクしている作品なのでOPEDは勝手に期待値が上がっている。誰が担当するんだろうな~~~~。


ボールルームへようこそ 竹内友

ブルーピリオドの項目でチラッと名前出したやつ。
社交ダンスという世界と出会ってしまった富士田多々良くんの成長物語。
この作品を知ったきっかけはUNISON SQUARE GARDENとのタイアップからなんですが、ものの見事に作品の世界観に虜になってしまったんですよね。
「伝統と進化の対立」「常識への懐疑(挑戦)」「表現するということ」
作品のバックに透けて見えるこの辺りのテーマがとにかく高い熱量と圧倒的な画力で描かれていて最高です。
単行本勢なので最近出た11巻読んでビックリしました。都大会以降の展開気になりすぎて…。
釘宮方美さんが本当に良い。「生きてくれてありがとう」というくそデカ感情マンになってしまった。


ワンダンス

(満喫で読んだので写真がない)

こちらはストリートダンスが題材。
吃音症を患っているため人前で話すことが苦手な小谷花木くんが、身体で表現するダンスと出会っていくという物語。
高校のダンス部の空気感とかリアル感あってよかった。
作者の珈琲さんが吃音を患っている方で、その経験が痛いくらいリアルに描かれているのも刺さってしまった。多分読む人が読んだら人生変えられちゃうんじゃないかってくらいパワーのある物語。
こちらも今後の展開が気になる…。

オマケ
Casa BRUTUS(カーサ ブルータス) 2021年 5月号 [安藤忠雄×人生 人生100年時代をどう生きるか。] [雑誌]

建築家安藤忠雄さんの特集。
安藤さんの作品がたくさん載ってて写真眺めるだけでも面白いんですが、対談が特に良かった。
中でも芦田愛菜さんとの対談は「智の強者の世界」感満載で芦田愛菜さんの人生2週目っぷりに驚かされること間違えなしで必見です。
kindle unlimitedで読めます。

こんな感じでいろいろ紹介してみました。書き物はいいぞ。(読書おじさん)
みなさんオススメの小説やら漫画やら、是非教えてください~!
ということで、お読みいただきありがとうございました。
またそのうち書きます。

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