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里山大百科「秋」ニホンミツバチの蜜採り

明治初期にセイヨウミツバチが日本に導入される前までは、各地でさかんに行われていたニホンミツバチの飼育も、現在では細々と趣味的な規模でなされているに過ぎない。

しかし、気難しい性格のニホンミツバチを飼うためには、自然の機微を読み取り、さまざまな工夫や直観力を駆使しなければならない。

四国・愛媛県の山中で、裏庭に自作の巣箱を置きニホンミツバチを飼育している農家を訪れ、真夏の採蜜作業の様子を見せてもらった。

その作業の手順を目のあたりにしたとき、ニホンミツバチの性格はもちろんのこと、ハチに対するの農家の人の洞察力の深さに驚きを新たにする。

(1)山の斜面に置かれた巣箱

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石台の上に、底のない長方形の木箱を置いただけのものだが、雨除けの屋根が丁寧にこしらえてあった。7月中旬のこの頃、巣内のコロニーは最盛期を迎え、ワーカー(働きバチ)が巣箱の外側にまではみ出していた。巣箱はその強度を保持するため、ワラひもで縛ってある。

(2)採蜜作業の準備

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まず、ムシロの一端をロープで縛り筒状にする。このムシロは巣箱にいるハチを追い込み、一時的に保存しておくために用意される。

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