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マンションと資産形成②今買う?待つ?リスク評価



こんばんわ。はたけです。
マンション一次取得検討者に向けた話の第2話です。

まずは前回の話を先に読んで下さい。

※投資は自己責任でお願いします。

※自宅の購入や賃貸も最終的な決定はFPなど信頼できる方への相談の上ご自身で判断してください。当方はいかなる結果についても責任は負いません。


今買うリスクと待つリスク

さて、今回は早速ですが、マンションを今買うリスクと待つリスクについて掘り下げていきます。

今回の話に当てはまるのはかつての自分のような人間・・・

つまり買うマンションも目星をつけた、予算(予想支出に予想収入、保険、学費の想定など)も十分検討した、仮審査ok、FPからもGOが出てる、けど本当に今買っていいの?待った方(3,4年くらいなら・・・)が得じゃないの?
といった邪念が芽生えた人向けの話です。邪念とはつまり、少しでも他の人より損することが許せない、という気持ちの事です。


当てはまらないなら無視してください。

なんでこんな話をするかというと、最近、Twitterでも暴落芸人が増えてきたと思いませんか?僕の尊敬するS大先生の真似をする輩が増えてきたからです。

やれリセッションだ、逆イールドだで近々株価の大暴落を予想する投資家気取りの人々、都心の一部の中古の在庫が増えて天井説を唱える人々、オリンピック後の大暴落を未だに諦めないS大先生とその信者たち・・・など理由は様々です。(あとハターキーも

もちろん、これらを信じるのは自由です。日本では信仰の自由は保障されているからです。

そもそも上記を理由にマンション価格が数年以内に大きく下がるというのはは全て突っ込みどころ満載の根拠に非常に乏しい妄想です。

これらを一つ一つ突っ込んでいくのは今回の話の趣旨ではないので置いておきます。

もちろん数年以内に株価の暴落がある可能性は全然あるとは思います

※なぜマンション価格の話に株価の話をするかというとマンション価格と株価の間には遅行性の相関関係があるからです。

しかしそれより問題は数年待ってマンションを買うことのリスクは十分に検討しましたか?ということです。一緒に検討していきましょう。

答えは人それぞれになるので、どんな答えになってもそれは仕方ないと思います。しかしどんな答えが出ても家族が関わることなので納得いくまで十分に検討することが重要です。


今買う事のリスク

ではまずは今買う事のリスクを検討しましょう。

高値掴みになることのリスク

すぐ買うことのリスクは高値高みだけですね。高値掴みすると何故困るのでしょうか。

これに関しては答えは一つだけです。数年以内に手放すことになったときに、残債割れする可能性が高くなる、ということです。

それ以外は些細なことでしょう。本質的に耐久消費財であり、本来年々価値が下がっていく自宅で損したとか、得したとか、おかしな話です。

ここ数年の鋭い右肩上がりの相場が人々の考えを曇らせました。


手放すリスクは何でしょうか。病気、転勤、隣人リスク、家族の変化などでしょう。
しかし、これらについてはそもそもどのタイミングであっても想定しておくべき項目です。

高値掴みになると、よりリスクが高くなるのは事実ですが、そもそもマイホームを買っていいのか、という時点で想定しておいてください。詳しくは別の回でやります。

特にCF(キャッシュフロー)がかつかつになるような自宅の買い方は強くお勧めしません。買いたい場所のマンションを買うとCFが苦しくなる場合は場所を変えるかマイホーム購入を諦めてください。リスクが高すぎます。

※CF:大雑把にサラリーマンであれば総収入から総支出を引いて、どれくらいの残りがあるか、と思ってもらって大丈夫です。

逆に言うと、高値掴みになろうともCFが十分に回ることが想定できているのであれば、残滓割れのリスクは長期で住むことで解消できます。

なお、転勤リスクについてはそもそも銀行のローンを引く段階でその可能性と対応を銀行に相談しといてください。つまり、残債割れになりそうな場合、賃貸に一時的に出すことを許容するかどうかです。

これをせずにローンを組む転勤族の方、正直良くやるなぁ、というのが率直な感想です。今までは単に相場に助けられてますね・・・


ちなみに田舎の人たちはではほとんどの世帯が戸建てで引っ越すことなく生活しています。都心の人は謎に先に出たリスクを過大評価しすぎる人が多いように思います。

もしくは元々のCFに関する見積もりが甘い、と言うことです。

また、実際に上記のリスクが高いと思うのであれば、高値掴みとか価格関係なく、マイホーム購入は諦めるのも手だと思います。

繰り返しますが、日本の4割の世帯は賃貸です。


待つ事のリスク

一方で待つ事によるリスクは何でしょうか。

そもそもマンション価格は数年以内に下がるのか

これ自体の答えは僕は持ち合わせていません。貴方が数年以内に大きく下がる確信があれば待ってもいいと思います。

しかし、一次取得検討者にも関わらず、あなたがそれについて間違わない確信があるなら自信過剰期待の大型新人かどちらかです。普通はそんな確信誰も持ちません。

バフェットさんのような株の百戦錬磨であっても株価の暴落は予想できないのは同様です。いつ暴落が来るかなんて普通は正確に予測しえません。それがわかれば皆今頃大金持ちです。(相対性理論的な一切突っ込みは受け付けない)

(なのに、貴方だけが正確にそのタイミングを予想しうるのは不思議だと思いません?)

であれば、近いうちには買う予定なのに待ち続けることのリスクも検討すべきです。

もし数年間下がらなかった場合のリスクは検討しましたか?

このリスク、案外軽く見積もってませんか?
実は高値掴み以上にリスクが潜んでいません?

・実は数年間値下がりしない(値段変わらないか、むしろ値上がる)
・株の暴落はあったけど、マンションの値下がりは知れていた
・自分の年齢が上がって団信に入れなくなった
・待ってる間に大きい病気になり、働けるが団信に入れなくなった
・待ってる間に保育園や小学校に子供を入れる時期が来てしまった
・もともとローン引いた後の妻側の妊娠は想定はしていたが、ローンを引く前に子供が出来てフルタイムではなくなった(=ダブルローンを引けなくなった)

上から順に割と残念なリスクだと思います。

人によっては関係ないのも含まれていますが、ざっとこれくらいのリスクが待つ事によって含まれます。

もちろん、これらの事は最初から自宅を買う気の無い人には一切関係ありません。

さて、マンション価格の推移を見てみましょう。

東京23区では2006年のリーマンショック前後で確かに2割減少しています。一方で大阪含め全国では1割もありません。

バルク売りがほんにゃらとかいう話もありますが、それがどの程度平均に影響を与えるほどあったのか、またバルク売りしたマンションがエンドに安く入るのか、バルク売りしたマンションを買って大丈夫なのか一切情報がありません。

このような情報を真に受けて行動を変化させることできる胆力があるのはバルク売りの関係者か不動産関係者だけでしょう。普通は無理です。


不動産関係者の知り合いはいないけど、バルク売りしてたマンションを一次取得で狙いすまして買いました。なんて信用できる知り合いにいますか?いませんよね?つまり容易ではないということです。

こうでもしないとそもそも予算的に購入できるマンションが無いという人は別です。ワンチャンス狙う価値はあるかもしれません。でも戸建ても賃貸も選択肢にあるから無理しないでね・・・

それでは上記の待つことの個別リスク、それぞれ見ていきましょう。

実は数年間値下がりしない

期待してた暴落が全然来ないばかりか、良くて横ばい、下手したら数年かけて更にマンション価格が上昇していく場合です。

その間当然、賃貸の値段がかかります。もし月々10万円(都心ならもっとかかるでしょう)なら年120万円、5年で600万円です。もし買いたい場所のマンションが今4200万円で売っていたら…1、2年ならまだしも5年なら3600万円まで暴落しないと元が取れません。

ところで無責任にも暴落するとか言ってる人たち、これくらいの値段間違いなく5年以内マンション価格下がるんですよね?

これにハイ、と即答できる人がいたらまさに無責任の極みです。何故ならそんな証拠はどこにも無いからです。暴落しなくても責任取らないなら、こんな無責任な話はありません。

もし仮に、狙っている場所の駅距離、規模、妥当、築年数がその人が思っている坪単価になるまで好きなマンションの分譲賃貸に住む引越し代、家賃、管理費など全て負担する、と言うのなら素直に聞いてもいいかもしれません。


ちなみに前回の逆イールドからのリセッションでマンション価格どうなったかご存知ですか?ちなみに前回とはコロナショックのことです。

上の表を見てください。全くマンション価格は動いていません。むしろ上がっています。

このように逆イールドカーブは必ずしもリセッションを反映しませんし、リセッションは必ずしもマンション価格の大きな値下がりを保証しません

こんな当たり前のことを知らずに(もしくは知りながら)声高らかにリセッション!不動産暴落!天井説!覚悟しろ!と叫ぶ破廉恥な人々のことをサカー○ー病と言います。(ハターキー、お前もじゃ!)

もちろん数年以内に株価や不動産価格が大きく下がる可能性はあります。ありますが、万が一外しても彼らは一切の責任をとりません。それどころか恥ずかしげもなく数年後、「今から数年以内に大暴落する!」と変わらず元気に叫んでいるでしょう。当たるまで叫べばいつか当たります。それがいつかもわからないまま…

専門用語で不動産も歩けばサカー○ーに当たる、と言います。嘘です。

逆に値段が上がっていくこともあり得ます。あり得るどころか、不動産(特に新築マンションの)価格は下がる要因がなければ普通はむしろインフレと同じで特に人気エリアでは緩やかに上がっていきます。

長くなりましたが、まとめると今買うと高値高みになる可能性は確かにある。しかし同時に待つことによって今より高い値段で買わされたり、賃貸などの無駄な支出が増える可能性もまた同時にある、というのは事実です。

これら相反する事実やリスクは最低限頭に入れておきましょう。

あと仮にそのうち暴落が来たとして、その下げ幅は誰にも予測できません。それがあまりにも小さかったりすると、当然待つ意味は無かった、むしろ損した、ということになります。

待っている間に団信が入れなくなった

団信は非常に割の良い生命保険です。特に金利上乗せ無しでついて来る団信はお得度がずば抜けています。一方でこういう団信は年齢制限もしくは特定の大きな病気にかかっていないことが前提になります。

待ってる間に年を取ったりこれらの病気になった場合はお得な団信に入る機会を失うことになります。

団信に入れたとしても金利が上乗せになったりしますし、生命保険を団信分かけようとすると、まずまずの保険料になります。(※それとは関係なしに生命保険は検討すべきです。念のため。)

また、返済期間のうち働いている期間が短くなるリスクもあります。定年までの残り時間短くなりませんか?

最も、今からマンション買うまでにその間のお金に手を付けない自信があるなら大丈夫ですが・・・


待ってる間に保育園や小学校に子供を入れる時期が来てしまった

保育園は大丈夫ですか?保育園の倍率が激戦区だと現地で何年住むとか、あらかじめしとかないと難しくなることもあります。

転園自体が子供の負担になるかどうかの知見は持ってませんが、そもそも転園自体が出来なくなるのは共働き世代にとって、どう考えても負担になるはずです。

マンション買ってから子供を産む考えもあるかもしれませんが、もちろん出産時期について各家庭の事情はあるかと思いますが、あるかどうかもわからないマンションの暴落を待つためだけに出産を後回しにするのは、母体の年齢のことも考慮すると、どうなんでしょうか。リスクとリターンのバランス考えてみてください。

一旦欲しいマンションがある保育園や小学校と同一区域に引っ越す、という考えもないわけではないですが、引っ越し代金、敷金礼金は完全に支出(デメリット)になります。

ただしこれらはすでに欲しいマンションと同じ校区の賃貸を借りて住んでいる場合は無視できます。


早く買うこと、待つことのリスク、まとめ

ここまででも早く買うことにも待つことにもリスクは存在することが分かります。

・早くマンションを購入すると高値掴みするリスクがある
=CFの破綻や、転勤など家を急に処分する際に残債割れするリスクがある

・マンションを購入すると様々なリスクがある
=結局より高値掴みになったり、団信が有料になったり、保育園に入れなくなったり、高齢出産など。また定年に年齢が近づくなど。


まとめ

今回述べた事を参考にしていただきたいのは、あくまで「すでに買うことを決心している」ファミリーの場合です。すでに決心している場合はいつ買うのか、よくよくリスクとメリットデメリットなど評価してから決心してください。

待つのも待たないのも他人は誰も責任なんてとらないので好き勝手言いますが、最終的な判断は自分と家族で行うものです。

よくよく考えたうえであれば、待つのも早く買うのもどちらを選んでも後悔は無いはずです。

麻雀の上手い人ほど振り込んでも淡々としています。そもそもその牌を切ることの妥当性をよく理解しているからです。上手い人は結果論に左右されない。

振り込んでくっそー!とか叫ぶのはその牌を切ることの妥当性が十分評価できていない初心者だからです。もしくはただの盛り上げ上手です。
ちなみにはたけは、麻雀初心者なのでよく叫びます

※相場の上手い人ほど株でもマイナスが出ても淡々としています。


ちなみに、そもそもマンションを買うかどうか迷っている人に関しては、迷っているうちは買わない方が良いよ、買わない方が経済合理性が高いよ、と強めにアドバイスしておきます。

買った方が良いよ、と他人に言われたから、なんて軽い気持ちで買うと何かあったときどうします?と思ってしまいます。


以上です。良ければ待つか待たないか、ここまでの記事を参考にしてください。

また次回、気力があれば書きます。

次回はちなみに外伝で、逆イールドとかリセッションって何?をやります。元気があれば、ですが。

※今日のコラムはいつか手直しするかもしれません…



※ちなみにハターキーは前回のオマケにも書きましたが、株クラの末端でもありますので、株価の暴落は来ると思ってます。しかし仮に来たとしてもマンション価格の下げ幅は全く予想できません。もし全然下がらなくても他の暴落芸人同様、当然責任は取りません。ハターキーですので。では!

雑記書いてます