置き去りにされた記録 第6章〜怒り〜
肺が痛い
夫、両親への怒りがあふれてくる
10月11日
心臓がバクバクする。めまいも止まらない。どうしてだろう?
10月18日
毎日退屈だな。ちょっと無理をすれば仕事に行けないわけじゃないしな。
最近カウンセリングに行くとしんどい。行きたくないな。
10月20日
動悸がおさまらなくて結局仕事をやめた。
薬を飲んでも動悸は収まらないし、頭はぼーっとして体もだるくて最悪。
動悸はおさまらないけど苦しいってほどでもないからこのままほっとけばいいかな。
10月22日
やっぱり動悸が苦しい。精神的にも最悪。無理しないように努力してるのになんでおさまらないんだろう
11月3日
肺に穴があいた。すごく痛い。
病院の待合室で待ってる時、心細くて涙があふれてきそうだった。
11月5日
仕事ができないから生活費をもらうことと治療費をもらうために夫に連絡した。
最初はすごく心配していたけどそのうちごちゃごちゃうるさいことを言ってくる。
しまいに「金はわいてくるわけじゃないんだ!」って。
バッカじゃないのって思った。ほんと嫌なやつ。
11月6日
右の肺に穴があいたけど、左もあきそう。
肺に穴があいてから動悸はさらに激しくなるし、頭、食道、腎臓、腸もみんな痛い。最悪。
11月10日
頭がすごい混乱してきた。
今まで夫を傷つけちゃいけないって思ってきたけど、今はどうやってあいつを傷つけてやろうかと思ってくるようになった。
両親に対してもすごい怒りが出てきて抑えきれない。
しんどい。
今自分の中で「自分を大切に生きていきたい」と「辛かったことを認めたくない」という二人の自分がいてこの二人に押しつぶされそう。
11月13日
今まではがんばることがいいことで、がんばらないことはダメなことだと思ってきたけどそうじゃないんだ。私は今まで過去に辛いこと、悲しいことがあってもいいこともあったんだから帳消しにしなきゃいけないって思ってぐちゃぐちゃになっていたけどいいことでも悪いことでも別々に考えたらいいんだってことがようやく理解できてきた。
そしたらいろんなことが楽になってきた。
11月16日
今日のカウンセリングは楽だった。自分が感じていることを素直に話すことができた。
最近、味が濃いものとか砂糖がついたパンを食べるとなんか変。お腹が痛くなる。
どうしたんだろう?
一人孤独で、苦しくて、よく日記をつけていた。
この頃から食べ物に対する異変が起こってきたんだ。
最初は味が濃いものを食べたときに「あれ?なんか変」という体の異変に気づきはじめ、添加物、農薬のついた野菜、有機野菜、砂糖、パン、お菓子、調味料、塩、、、市販のものはほとんどのものが食べられなくなってきた。
体重も激減してきた。
無農薬のお米は食べられたのでごはんはたくさん食べていたけど、50kgあった体重が2ヶ月くらいで37kgまで落ちてしまった。
何が起こっているのかわからない。
ガリガリになりすぎて恥ずかしかった。
今まで痩せたいとよく思ってきたけど、痩せたくないと初めて思った。
37kgになった時はさすがに体力も落ち、食欲もなくなってほぼ寝たきりになった。ごはんもおかゆにしなければ食べられなくなった。
何日かおかゆだけ食べほぼ寝ていたら少しずつ食べられるものが増え、体力も回復してなんとか44kgまで戻ってきた。
体重は増えてきたけど、食べられるものは相変わらず増えない。
味気ないものばかりで飽きてくる。
ただでさえしんどいのに最悪だ。
肺は治って仕事に行きはじめたけど、体重が減って体力がない。
本当はまだ仕事はしないほうがいいけどお金を稼がなきゃいけないし、それに毎日家にばかりいて精神的におかしくなりそうで無理して仕事に行ったら、仕事に行きはじめて1週間くらいでまた肺に穴があいた。
最初に肺に穴があいたときはしっかりしなきゃと気が張っていたけど、もう限界だ。無理して仕事に行った自分を責めた。
いつ治っていくんだろうか、、、、不安と恐怖で一杯一杯になった。
それなのに夫は、、、、!
夫にやさしさを期待するのは無理なのはわかっていたけど、本当にムカつく!
私が家を出てから大変で、従業員の人がやめてしまったり、お店でボヤを出してしまったり、金銭的にも追い詰められ、電話をすれば文句ばかり言われた。
「私のせいじゃない!」
そう言いたかったけど、何か言っても自分が傷つくだけ。
ひたすらガマンした。
また肺に穴があいて先生もびっくりした。
「そんな状態で普通は仕事にいけないでしょ。」と言われたけど
「大丈夫だったよ。めまいもするし動悸もするけどそれくらいなら平気。家にいて退屈だし」
でもさすがに治ってすぐまた穴があくと、この私でも休まないダメだと思った。
肺だけじゃなくて、本当にしっかり治るまでゆっくりしようと思った。
私はずっと世間の「正しい」に従わなければいけないと思っていた。
私は間違っている。だから「正しい人」の意見を聞かなければいけない。
そう思っていたけど、納得できないことが多く反発ばかりして孤立してきた。
私の苦しみはこの「正しさ」だったかもしれない。
つづく
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