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至れり尽くせりのジムのトイレでひとつだけ不便なこと

通ってるジムのトイレは親切のかたまりでできている。
まず扉を開けると、白くて清潔な広い手洗い場が広がっている。いつも水滴ひとつ落ちていないほどピッカピカ。

トイレ本体は手洗い場の左側に設けられたもう一枚のドアをむこう。
ドアの手前には、トレーニング用シューズを履いたまま履けるでっかいスリッパが厳かに鎮座している。

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こういうやつ。
さあ、履きたまえ。
と言わんばかりの風格。とにかくデカい。
シューズ脱がなくていいのは地味にありがたい。ただ、これを履いて上手いこと歩ける人はジムの中でもかなりの上級者に違いない。

ふつうのスリッパのように歩こうとすれば、あっという間にシューズから脱げてしまう。自然とすり足になるのだけれど、今度は重くて大きいからやっぱり脱げそうになってくる。それでも脱がずに履けるのは、面倒くさがりの私にはありがたいことだ。

そして、シューズを履いたままドアを開けいざ、トイレへ。

こっちはつるりとした真っ白な便器がすました顔でたたずんでいる。

そして仕方ないわね、使わせてあげるわよと言わんばかりにパカっと便座の蓋が持ち上がっ…あが…あが……上がらない!

履いたままシューズも、自動で上がるはずの便座も、親切のかたまりなのに。

便座のふたは、あがらない。

親切心を拒む最大の理由。

トイレに入るドアが内開きなのである。

どんなにハイテクな便座を持っても、便利なスリッパを操っても、ドアから離れないと便座には座れないのよ!!

要するに、内開きのドアのせいで中が狭いのです。

どでかいスリッパを履いてすり足でトイレ内に入り、便器に身を寄せながら扉を閉めないといけない。それなのにドア閉めようと後ろに下がった隙に自動で便座のふたが開いちゃう。
しかしふたは、ドアを避けようとへっぴり腰になった私の尻圧に負けて思考停止。

本当はとても便利で快適なはずの空間が、内開きのドアと私の尻圧によって困った空間に早替わり。

過去と他人は変えられない。
ドアとトイレも変えられない。
よってこの不便を解決するには私が幅を取らないスリムタイプに変身するしかないのである。

ああ、無情。


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