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江戸の風に吹かれて

【江戸の風に吹かれて】
一昨夜は、第88回「読書のすすめの落語のすすめ」、マスクと消毒と禁密のリアル会場と、
オンラインZoomとの、両方での開催でした。
ご参加いただきました皆様、誠にありがとうございました。

前回ご参加の方から、クオリティが高いですね!、落語は心の洗濯ですね!という感想を頂きましたが、

本当に落語は心の洗濯です。

心にこびりついているものを笑いで落とし、人の情に涙し流れる。心がまっさらに、胸は温かく、清々しい気分になります。

読書もそう、心の洗濯ですね。

自分の頭の固まった殻を砕き、
自分は本当は何も知らないんだ、知ってることなんて大したもんじゃないんだ、まっさらになります。

「読書のすすめの落語のすすめ」第一部、清水店主による【縦糸の読書のすすめ】も、心を洗濯する本ばかりでした。


そして、第二部【落語のすすめ】では、三遊亭全楽師匠「雛鍔(ひなつば)」、三遊亭神楽師匠「徂徠豆腐(そらいどうふ)」、まさに心の洗濯でした。

私の心に、皆さんの心に、江戸の風が、人情の風が吹き渡りました。

この3月のうららかな陽光の日、全楽師匠は「雛鍔(ひなつば)」、丸い四角い穴の空いた天保銭を、お雛様の刀の鍔(つば)と…

ここ一年来のコロナ禍で、季節感も色あせた中、ふうっと優しい趣が香り立ちました。


そして、3.11の前日だったその日、神楽師匠の「徂徠豆腐(そらいどうふ)」、江戸の人情…

10年前の3.11、人の痛みを深く思う人情という風が日本中に吹きましたが、

10年に至る今日、私たちの社会にその風は、人情という風は、弱まってしまっています。

「徂徠豆腐」という人情噺は、江戸に吹き渡っていた風、日本人の心から吹いてくる風でした。

私はこの風を受けて、私の中の何かが変わりました。

自分のことでやっきになっている私、損得勘定でいつも量っている私、

江戸の人情の風に吹かれて、自分の安定や自己実現より上位のものがあること、

「徂徠豆腐」から吹く風が囁いています。


本は、先人の魂が時空を超えてそこに凝固しているもの、それを情熱で溶かして自分の血に流し込んで、生きる糧にするのが読書。

そして、落語は座布団一枚の宇宙、何もないから何でもできる。聴く人の想像力で無限に広がる世界。

どちらも、自分の心次第です。


それから、全楽師匠の「落語なぜなに質問コーナー」でのお話が、深く胸に落ちました。

“登場人物たちの声は、どう使い分けているのですか?”という質問に、

“声を使い分けているつもりはなく、登場人物たちになりきっているだけ。そして、噺を線で覚えるのではなく、点で覚えて、点と点をつないでいく、その過程に個性が出るのです”


私もそうですが、人生の処世術を人に聞き答えを求めて、線で、しかも直線で歩きたがりますが、

自分の体験が第一です。

江戸の風に吹かれた体験の一点が、また次の体験の一点へと、

その間を、読書や落語、またいろいろな体験で、大いに躍動して、個性を輝かせて。


次回「読書のすすめの落語のすすめ」は、4月14(水)19:30~21:00
リアル会場とオンラインZoomの両方で❗

江戸の風に吹かれてみませんか?



落語会の後、落語会にご参加頂いた方から、本格絶品コーヒーの出前🎵
豆をひくことから始まり、お湯の温度、注ぎ方まで、二通りの焙煎のものを頂き、同じ豆でこんなバリエーションが!ご講義頂きました。
本業は教職の方ですが、個性が光っています😃

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