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カフェ・モンタージュ
2020年12月11日 23:32
「クロイツェル・ソナタ」の物語は、すべて一人の人間が汽車でみた夢の中で語られているといえなくもないような、幻想的な筆致で書かれている。同じく旅の幻想であるワーグナーの「ベートーヴェン参り」をも連想させるその筆致は、新たな幻想旅行を彩る音楽をヤナーチェクに書かせることになった。車輪の音、反転する時間、自己をうつす鏡が乱反射してまばゆい光を放つ中、強烈な汽笛が鳴り響く… 1923年の作品とは信じ