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澤田知子の千面相/つあおのアートノート

「二十面相」」や「百面相」などの言葉があるが、「千面相」といっても過言ではないのが、写真で新たな表現を展開する澤田知子東京都写真美術館「澤田知子 狐の嫁いり」と題した展覧会が開かれており、2Fの展示室全体を細かく仕切らずに使った大胆なインスタレーション的な展示には、思い切りのよさとすっきり感に満ちた印象を受けた。

澤田は、過去に自動証明写真機を使って作品を制作するなど、セルフポートレートを主たるテーマにしながら、いいカメラでいい写真を撮るといった所作から解放されたところに自己表現のあり方を見つけてきた作家だ。

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展覧会のほとんどは自らの顔写真だったが、一部には、ケチャップやマスタードのプラボトルの異なるヴァージョンのものを多数撮って並べた作品も。アンディ・ウォーホルへのオマージュなのだろうか。

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こうして写真で見ると、ボトルが仏像のようにも見えてくるから不思議だ。

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後ろ姿でもこれだけのヴァリエーションが撮れるとは! 「多様性」あるいは「ダイバーシティ」という言葉や考え方の重要性を示唆している。

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「澤田知子 狐の嫁いり」
2021年3月2日〜5月9日、東京都写真美術館


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