兄に3回殺される。
誰しも経験があるとおもう。
1回目
生まれてすぐの私に兄が動物を触った手でベタベタ触ってきて、息ができなくなった。
私は、動物アレルギーだった。
2回目
3歳の私は、兄になんでも従う舎弟になっていた。寝てる父の(臭い)足を噛め!と言われたら、「へい!」といって噛んでいた。
ある日、兄と遊んでいた時に「おい!三輪車乗りながら階段から落ちろ!」と言われて、10段以上ある階段から「へい!」と言って、三輪車乗りながら落ちてみせた。
ハリーポッターと同じ傷がデコにできただけで、かすり傷ですんだ。
3回目
小2の私は兄と学校の帰り道、「カバンもちをしよう!」となった。私がじゃんけんに勝った!嬉しくて、走った!その先にトラックがきていることも知らずに。トラックに轢かれ坂道の上から下まで、転げ落ちた。
轢かれた瞬間の記憶はなく、気がついたら家で座らされていた。そのトラックの人がランドセルに書かれた住所をみて、家まで送ってくれたらしい。身体を見渡す限りかすり傷ですんでいた。
これは不思議な話だが、
私を轢いた人は、ヤクルトのビンを積んだトラックに乗っていた。配達途中っていうわけでもなく、その人の車かもわからない。どんな人なのかもわからなくて。
事故があったあとに一度だけ、「すみません」と謝りにきて、ヤクルトのビンをくれた。2回目くることはなかった。
母が警察から聞いたことだが、
「ちょうど追ってた犯人で、今回も逃げられた。」と。
何をした人か?は教えてもらえなかった。
今思うと、子供だった私達に何されててもおかしくなかった。
でも、なんですぐに逃げなかったのだろう?
当時小2だった私には、怖い人なのかもわからなかったが、家まで連れて帰ってくれた優しい温もり、美味しいヤクルトの味が残っている。きっと悪い人じゃない。
とにかく!
動物アレルギーと、ハリー・ポッターの傷と、トラックに轢かれる、トラックの運転手の犯人?!と、
3.5回死にかけたことはあるが、生きる運命をいただいてユユがここに立っている
私は人生の序盤で、兄のせいで運を殺(と)られた。
生かされている。生きなきゃいけない。
あと何度、運が使えるんだろうか。
いまは車の免許でいうと、運を使い過ぎたから違反者講習を受けなきゃいけない。
時が経つにつれて、『運』が時効ってなって
ゴールドになったらいいな。
運というものは雨のように降っているとも聞いたことがある。雨のような運を掴めるかは、ユユ次第。
あなた次第。
ー兄に3回殺される。ー
【カバンもちのルール】
双方でじゃんけんをする
勝った方はランドセルを負けた方に渡す
負けたものは勝った方のランドセルと自分のランドセルを家まで持って帰らなければいけない。