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8月を振り返って

8月が終わろうとしている。
私の子ども時代は8月31日が夏休み最終日で、その日は宿題と格闘するのが毎年の恒例だった。
大人になってからは逆算して計画を立て、実際にそのスケジュールに沿ってタスクを消化することができるようになった。
とはいえ、子ども時代よりもイレギュラーなことも多くなった。
こなす作業も多岐に渡り、使う脳みその範囲も広くなった。
目の前の1つのことに集中しておけばなんとか成り立った子どもの頃とは違い、広範囲に意識を向けないといけない環境になった。
大人って大変だ。

この8月のことを振り返りたいのに、この1ヶ月間はほとんど記憶にない。
個展での在館やたくさんの出会い、制作、市民講座やその他の案件。コロナ罹患。持病の悪化。そして、連日の猛暑。
県内だけではなく、県外からもたくさんの人たちが個展を観に来てくださって、たくさん交流したはずなのに。
一つ一つ噛み締めていたはずなのに。
そのほとんどが記憶からこぼれ落ちてしまっている。

完璧主義でいつもフルスイングで生きてきた私にとって、今年の8月ほど不完全燃焼に終わった月は未だかつて経験したことがないかもしれない。
もちろん、燃え尽き症候群のような感じでぶっ倒れていたことは何回もある。
それでも「それは、こんなに頑張ったし、無理してきたからだ」という明確な理由がわかっていたこともあって、おとなしく休養に向き合えた。
だけど、この8月はとにかく自分の体が自分の意思では動かせない、体力だけではなく気力にも火が着かないような、湿気った花火のようだった。
そんな時でも、目の前の「締め切り」は待ってはくれない。
いつもなら余裕を持って動く案件も、今回ばかりは本当にギリギリまで取り掛かることができなかった。
そんな自分のことを責めてしまい、それもまた余計に苦しかった。
充電が満タンになる前に次の案件が動き出してしまい、充電しても充電しても追いつかない状態のまま走り続けたこの数年。
2024年の目標の一つに「余白を持つ」というのを掲げていた。
今のところ、全く守れていない。
今年も残り4ヶ月。3分の1。
そろそろ、その目標を守る生活をしたい。

数日前のこと。
思うように動かない自分の身体に鞭打って動かしていた日が続いたある日の夜に「100%の力でやろうとするから(完璧にしようとするから)しんどくなるのかも。明日は何が何でも40%の力しか出さんぞ!」と半ば自暴自棄のような気持ちで眠りに就いた。
「40%の力しか出さんぞ!」と決めていたので、次の日はたくさんあった締め切り案件も「私なりの40%」でやりきった。
いつもは100%を出すところを40%の力しか出していないのに、同じ仕上がりだった。
そして、「100%の力」でやっていた時よりもサクサクと作業が進んだ。
薄々気がついてはいたけど「完璧主義」って、自ら壁を作ってしまうのかもしれない。
本来はそこに壁なんて存在してないかもしれないのに。ね。

そんなことを経験した私が、8月31日の23時にこのnoteを書いている。
明日の朝までに仕上げないといけない案件が、パソコンの画面上で「まだかまだか」とこちらの様子を伺っている。
もう決めた。40%の力でやろう。
「100%でやることが正義」だと信じて止まなかったかつての自分。
年齢を重ね、無理も効かなくなってきた今日この頃。
生まれ変わるような気持ちで、「完璧主義」を手放そうと思う。
そんな決意のnote。

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