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禁断の一言「俺は独立したい」を録音したら、そこから本当に動き出した

副業でコーチングしているくせにキャリア迷子だった私の車輪が大きく動き始めた時のことを綴ります。伝えたいことは、「一歩踏み出せないなら、とりあえず口に出して言葉にしてみて。そこから考えてみて。」


今の会社が大好き。だからこそ、踏み出せなかった。

大好き。だから申し訳ない。

僕は、最後に勤めた会社が本当に好きでした。掲げるパーパスも、仕事も、何よりも一緒に仕事する仲間が。自己管理ができなかったばっかりに5ヶ月も病気で休職させてもらい、それだけでなく、復職後にコーチングという副業まで認めてもらった。会社から貰ったギフトの大きさは、計り知れない。

大好きだった。大好きだったからこそ、申し訳ない気持ちが滲み出てきた

なぜ申し訳なかったのか。僕はコーチングという副業に響いていた。自分の響きの総量が100だとして、今まで余すことなく100を会社に注いでいたところ、やがてコーチングに50が注がれ、会社には残りの50を注ぐような感じがあって、これで良いんだろうか?って申し訳なさがうまれてきた。

クライアントさんとのコーチング・セッションで「本当に大事にしたいことは、どんなこと?」なんて話を聴けば聴くほど、ブーメランみたいに自分に返ってくる。むしろ加速して返ってくる。

「俺はこのままで良いんだろうか?」「こんな気持ちになって、申し訳ない。」


望んでいるのは、副業じゃなく、複業だ。

いつしか、「副業」という言葉に違和感を感じてきた。「副業」という言葉は「本業」無しに成り立たない言葉だ。親機と子機のような関係にも思える。正と副という関係性になった瞬間に、絶対的な上下関係が漂い始める。

もしかして、全部「正」なんじゃないのか?

そう思うと「複業」という言葉が湧いてきた

雑木林で様々な種類の木が、各々伸ばしたい方向に枝や葉を伸ばす。土の中で、それぞれの木が、互いに影響を及ぼしあっている。どの木も、それぞれ主役で、自立し、関係し合っている。複業という言葉からそんなイメージを持ったし、今もそう思っている。

この複業という概念は、僕に、「何かを選択するために、他の何かを犠牲にしなくてもいい」と教えてくれた。この考え方は、僕を大きく救ってくれたのだけど、まさか、この考えを録音することになるとは、思ってもみなかった。


母校のイチョウ並木を歩きながら呟いた一言をなぜか録音してしまった

2023年9月のある日。僕は北海道・札幌にある母校を久しぶりに歩いていた。

2023年9月25日、北海道大学、北13条門に続くイチョウ並木

もう1ヶ月もすれば、この緑は黄色になるという時期。酷く暑かった2023年の夏のせいか、イチョウ並木は少し乾いているように見えた。自分の大事な第二の故郷・北海道にも気候変動の影響が現れていることを感じ、社会課題のために汗をかいているたくさんのフロントランナーのことを思い出した。

彼らの、力になりたい。

そう想った時、このイチョウの木々と、自分の「複業」構想が重なった。

それは、とてつもなく大事な瞬間だと直感した。「今この瞬間、これを記録しておかないと後悔する」と直感し、何も考えぬまま、手元のiPhoneの録音ボタンを押し、思っていることを喋った。

iPhoneで録音していた

録音を聞き返すと、こんな言葉が耳に入ってくる。

やりたいことは、ひとつではない感覚がある。
ひとつではなく、いっぱいつながっている感覚がある。
ひとつに選択してしまうと、残りを捨てなければならないような感覚があり、
それは少し違う気がする。

2023年9月25日、北大のイチョウ並木で

そして、もう一度録音ボタンを押してしまった。

俺は、独立したい。
・・・と、始めて言葉にして、外に出してみた。

あー とうとう言葉に出しちゃった

今聞き返すと、その声は純度が極めて高く、二度とあの純度が現れる気がしない。迷いのトンネルを抜けたその瞬間の純度。傍目からすれば、何を録音しているのだと思われるだろうが、僕は録音しておいて良かったと思っている。言葉に出して録音などしてしまったものだから、不可逆的な変化が起こった瞬間がスナップショットで記録されてしまったのだ。


録音してからのこと

録音が、自分の向きを決定づけた

言葉を自分の外に出す、まさに「思考の外在化」の力を、身をもって知ってしまった。自分の中の lead myself が臨界点に達したのかもしれない。

その頃、榎本英剛さんの「本当の仕事」という本に触れたのも大きかった。
この録音の前にも、この本を読み、独立を人生の選択肢の一つとして考えていたものの、どこかしら他人事だった。「そうは言ってもさ」「言うのは簡単だけどさ」

しかし、例の録音の後に読むと、自分の追い風になっているようにも感じる。紙に刷られた文字の並びも大きさも、何も変わらないのだけど。自分が自分の向きを決め、自分が自分のリーダーになると、こうなるんだろうか。

その頃、読了の記事を書いていた。


独立した今、あの録音を不思議に思っている

独立した今、あの録音は何だったんだろうと不思議に思っている。なぜ記録したいと直感し、iPhoneで録音したんだろう。周りの人は僕をモゴモゴ呟く変人として見ていたのだろうか。

いろいろ思うが、内に秘めていることを、内に秘めるだけじゃなくて言葉にして外に出すことのインパクトを知った。言葉にして外に出すことは、勇気がもたらした不可逆な変化。もう戻しようがない。

自分の想いを言葉にしようとしてもできないときもあると思う。それも良いと思う。そこでストップをかけているものが何なのかが明らかになることも大発見であり、それも不可逆な変化なんだと思う。

内に秘めていることを、ぜひ言葉に出してみて。僕は、それに向き合う人を、リスペクトします。


読んでくださってありがとうございました。
今日も佳い日で。

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「向かいたい未来へ行動するために、コーチングで伴走させてください」
CTI認定プロコーチとして、コーチングを通じて行動の変化を応援しております。コーチングのお申込やお問い合わせはこちらから、お待ちしています。

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