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#4 執事のコンサート現場な一日【後編】開演~終演

今回は、前回に引き続き、TSUKEMENコンサート本番から終演後までの裏舞台をご紹介していきたいと思います。

本番開始5分前は、例のやつを

着席を促す最終アナウンスがホール内に流れる頃、執事はメンバーが使用する楽器をステージ上のスタンドへセットし楽屋へ。

コンサート直前の出発の儀式ともいえる"気合い入れ"をやります。TSUKEMENメンバー3人と舞台監督と執事で円陣を組み、手を合わせます。

この進行を仕切る担当は、実はその場でいきなり決まります。自ら名乗り出したり、誰かが誰がをとっさに指名したり…その土地が地元、などゆかりのある者がいれば担当する可能性は高いです。レペゼン長野、なのでTAIRIKさん!…といった感じで。

鼓舞する一言を述べて、最後にみんなで…「我々
TSUKEMENに、非の打ち所はないっ!!」と自画自賛風に声を合わせ締めくくり、一気に本番モードへ!

そして、一同順々に舞台袖へ移動。そこでさらにメンバー同士 舞台監督と執事もそれぞれに握手を交わし目を合わせ、さらなるパワーを注入!
本番開始のベルを待ちます。

やがて本ベルが鳴り響き客席は暗転。舞台監督のキュー(GOサイン)に合わせ、執事が扉を開けメンバーを送り出します。

いよいよ、お待ちかねのコンサート開演!

お客様の目の前にメンバーの姿が飛び込んできて、アンサンブル演奏が繰り広げられます。

まずは、舞台袖より、コンサートの無事開演を視覚的にしばらく見届けたあと、執事はまず客席へと向かいます。

扉の中へ入り最後方にひっそりと立ち、まず全体を見渡し無事の進行や場内の室温など、基本的な点を確認します。違和感などあれば、即座に修正対応。

そして、実際の音の聴こえ方をチェックします。前回の記事で、リハーサルから音をメンバーとも確かめていましたが、楽器から出る音そのまま(生音)の演奏は、お客様が客席を埋めるだけで、音が変わったりするのです。その状況はメンバーへ後ほど適宜フィードバックします。

もうひとつ、演奏終わりのお客様の反応や拍手を肌で感じます。角度的になかなかですが…お客様の笑顔や喜びのご様子を目にした時は、幸せを感じます。その点は、ステージ上の演奏者ときっと同じですね。

極力それはずっと観ていたいのですが…執事は楽屋へ戻ります。TSUKEMENコンサートは、途中休憩をはさみ、前半と後半の二部制です。あらかじめ開演前に準備は済ませていますが、後半に向け諸々の最終チェック。そして、舞台袖へ戻り、前半終了とともに扉を開けメンバーの戻りを受け入れます。

メンバーは楽屋に戻り、まずは後半用の衣装チェンジ。着替えをサポートします。口々に演奏や音の感触をつぶやきますので、聴く側として分かった提供すべきデータ等あれば伝え、修正すべきところは修正、チーム一丸となり後半のブラッシュアップを目指します。

そして、後半開始前は、再び気合い入れ!の流れから同様にステージが始まっていきます。

後半の舞台裏は、ひと味違う勝負タイム

またゆっくり片隅へ移り、じっくりコンサートのクライマックスを楽しむ!…のはお客様にお任せし、程なくして、裏舞台では何と早くも撤収に向けた準備が始まっていくのです。

コンサート進行自体は、楽屋で観られるモニターやスピーカーを通じ勿論気にかけながらです。

すべて終わってからの片付け開始では、ひと仕事終えるメンバーや舞台監督と時間のズレが生じたり、退館が遅れるとホール使用時間やその後の移動にも影響するため…執事はひとり先取りをするわけです。

前半の衣装一式をしまうことから、楽屋内で片付けられる物は片付け、荷物を収納するスーツケースの中は実は緻密に物の収納位置が決まっているのですが、そこらへんも無駄なく整えていきます。
さらに、帰路に関し、タクシーなどの交通手配状況を運営スタッフ様と連携し確認します。

後半終了の頃には、ステージ袖に戻るメンバーを受け入れ、水分補給などをサポートし、アンコールのお声に応えるメンバーをまた送り出します。

最後の一曲が終わり、歓声と拍手に包まれる場内を袖から見て、無事コンサート終了を実感するとともにこちらも同じくホッとして喜びを感じます。

やりきったメンバーに声をかけながら、冷たいおしぼりを渡したり着替えをサポートした後は、最後の片付けです。この時点で、残すは後半の衣装と舞台上の備品のみとなりますので、スムーズに最後の片付けを進めていきます。

その作業の傍ら、メンバーへの伝達事項や運営スタッフ様と公演終了後諸々のやりとりを対応していきます。

最後に、楽屋を極力キレイにしてから退出し、当日運営をお世話になった皆様へ、メンバーと一緒にご挨拶しホールを後にします。(またぜひ戻ってこれますように…)

駆け抜けるように、コンサート本番の一日はこうやって展開されているのです。

無事ひとつのコンサートが開催出来ること、いつもお客様と全スタッフ 関係者の皆様へ感謝でいっぱいなのであります。


と、長文になり失礼しました。お読み頂きありがとうございます。

コンサート現場の裏舞台、ご想像出来ましたでしょうか… 勿論アーティストにより進行や関わるヒトやモノは異なってきます。TSUKEMENは編成的にもかなりシンプルな方ですよ。

今後もこの業界の知られざる世界を、ご紹介してまいりたいと思います。それではまた。

うるわしゅう。




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