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業務を構造化する

こんにちは、BYARDの武内です。
だいぶ暑い日も増えてきましたね。

我が家では夏は水出しアイスコーヒー、それ以外の季節はコーヒー豆を買ってきてホットコーヒーを淹れる、という感じなので、水出しアイスコーヒーを作り始めたら「夏がきた」と感じます。今年は先週から水出しアイスコーヒーになりました。

コーヒー好きの方にはこちらの水出し用のパックがオススメです。少しお値段はしますが、毎回コンビニでアイスコーヒーを買うよりは安く済みますし、美味しいので、ぜひ試してみてください。

さて本日のnoteは業務の構造化についてです。

1.構造化とは

構造化とは、情報を適切なサイズで分割し、上位と下位に要素分解していくことです。ビジネスシーンでは、「物事を分解して整理する」ぐらいの意味で使われます。

これまで複数社の業務設計を行った経験からすると、業務を構造化して理解出来ている人は多くありません。業務を記述したフローチャートやマニュアルはあったとしても、それを読む人は構造化しながら理解出来ているとは限らないからです。

マニュアルなどに記載されている内容は詳細な業務手順などが多く、いわゆる「具体」を扱っています。一方で物事を構造化するためには、具体的な事象を「抽象」レベルで統合し、整理しなければなりません。

もちろん抽象的なレベルだけでフワッと理解しているだけだと、実際に業務を進めることは難しいでしょう。具体と抽象、その両方を行き来して思考することが重要なのです。

数十人規模の組織であれば、社内の動きもある程度は見えるため各自があうんの呼吸で業務を進めることも可能ですが、数百人、数千人と規模が大きくなってくるにつれて、各自が担当している業務範囲はどんどん狭くなっていきます。だからこそ、自分の担当している業務を詳細に把握してるだけではなく、業務の全体像を構造的に理解していることが重要になるのです。

IT用語に「ITアーキテクト」という言葉があります。「アーキテクト(architect)」は、もともとは建築家、建築士を指す言葉ですが、ITアーキテクトは、システムのグランドデザインやその構造を設計する職種を指し、具体的なプログラミングを行うのではなく、抽象的なレベルでシステム全体を設計しています。

私の造語である「業務設計士®」という言葉も、業務を具体レベルだけでなく、俯瞰して抽象レベルでも理解し、構造化した上で再構築していくという意味が込められています。

「DX(デジタル・トランスフォーメーション)」という言葉が色々なところで言われはじめて久しいですが、成功のポイントはすごいシステムを導入することでも、AIを活用して業務(のほんの一部)を自動化することでもなく、まずは自分たちの業務をきちんと整理をして構造化を行い、どこにシステムをいれるのか、どこの処理を見直すのかということを意思決定することです。

単なるデジタルツール導入に成り下がってしまった大半の「DXプロジェクト」では、このプロセスがすっ飛ばされ、なんとなくツールの導入を検討し、なんとなく相見積をとり、という状態なので、いつまでたってもDXの入口にも立つことはできないでしょう。

業務を構造化するスキルは現代社会において、かなり重要なものであると私は考えておりますが、ペーパーテストなどでは計ることが難しいのも事実です。業務設計スキルをどのように見つければいいのか。色んな場面で何度も聞かれてきたこの質問に対する一つの答えとして作ったのが、BYARDというツールです。

2.BYARDにおける構造化

BYARDは「ストリーム>ワーク>タスク」という3つの階層構造を持っています。ストリームは業務プロセス、ワークはそれを構成するカード(業務)単位、タスクは業務を処理する上でのステップ(TODO)、といった位置づけです。

BYARDを使って業務プロセスを整理していくことで自然と構造化がされるように、ワークの担当者は1人のみ、タスクには担当者と期限は設定できない、などの制約をあえて設けています。やろうと思えばどこまでも細かく分解できてしまう場合もあるのですが、細かくなればなるほど全体が見えなくなっていくため、構造化が深くなりすぎないようにしているのです。

とはいえ、業務を構造化する、ということに慣れている人は多くありませんので、BYARD導入後のオンボーディングではどのように業務を構造化していけばいいのか、というご説明をするようにしております。

BYARDのオンボーディング資料より抜粋

BYARDではサンプルのストリームはいくつかご提供しているものの、業務プロセスの細かい部分は各社異なるため、最終的には自分たちで業務を構造化して整理した上で、BYARD上に落とし込んでいく必要があります。

マニュアルやフロー図があったとしても、いわゆる業務の全体像という観点が抜け落ちているものも多く、企業が規模が大きくなるほどに他部署が何をやっているのか、全体の業務の流れがどうなっているのかがみえなくなっていくようです。

BYARDの操作自体はまったく難しくありませんが、この業務の構造化やワークとタスクの粒度をどうするか、という部分で悩まれる方が多いため、オンボーディング内でまずは業務の構造化ができるようになるようなプログラム構成になっております。

「業務の可視化」とは、マニュアルやフロー図、チェックリストを作ることではなく、本来は「業務を(構造化して)可視化する」ものであるはずです。BYARDはMiroなどのドローイングツールほどの自由さはありませんが、業務が自然と構造化して整理できることを意図した機能配置になっているため、自分たちの業務を構造化しながら整理していくのに最適のツールです。

タスク管理ツールは「タスクの書き出しと管理」、プロジェクト管理ツールは「プロジェクトの整理と進捗管理」のために作られたものですが、BYARDは「業務を構造化した上で、進捗管理と改善サイクルを回す」ためのツールです。タスクや案件(プロジェクト)といった機能は似ていますが、使いどころも目的も全く異なるツールになっています。

特に最近評価いただいているのは「属人化の解消」「引き継ぎの円滑化」におけるBYARDの活用です。BYARDを使うことで自然と業務が構造化できるため、マニュアルやチェックリストだけでは伝えきれなかった業務の全体像や流れを周囲に自然と伝えることができ、脱・属人化を進めることができた事例も増えています。

思考は使う道具(ツール)によって左右されます。BYARDというツールを使うことで、多くの人に業務を構造化することを自然と身につけてもらえると、業務の効率化や生産性の向上に大きく貢献できるのではないかと考えています。

BYARDのご紹介

BYARDはツールを提供するだけでなく、初期の業務設計コンサルティングをしっかり伴走させていただきますので、自社の業務プロセスが確実に可視化され、業務改善をするための土台を早期に整えることができます。

BYARDはマニュアルやフロー図を作るのではなく、「業務を可視化し、業務設計ができる状態を維持する」という価値を提供するツールです。この辺りに課題を抱える皆様、ぜひお気軽にご連絡ください。

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