所有者不明土地 経済損失6兆円
2021.7.19 日経新聞朝刊
所有者が分からない、所有者と連絡がつかない土地が、2040年には「北海道」の面積に迫る。
所有者が亡くなり、相続人の所有意識が薄いと、相続手続きがなされず放置される。
2021年4月に改正された民法では、土地の相続を知ってから3年以内の登記を、相続人に義務付けている。
2024年度までの、施行を目処に準備が進められている。
相続手続きが進まない理由
改正前の民法では、相続登記自体が義務ではありません。
相続登記を行うためには、相続人間での協議だけでなく、登記費用(固定資産税評価額×0.4%)もかかる。
遺産分割協議書などの書面作成も必要となり、司法書士に依頼することがほとんど。そのため、費用もかかる。
不動産の実務を行なっている上では、売買など『必要に迫られた時』に、相続登記をするケースをみかけます。
所有者自体が分からない?
そんなことあるの?と思う人もいるのではないでしょうか。
土地の所有者が誰か。
今は、コンピュータで管理できますが、以前は、紙で管理。
紙が燃えた、紙にかかれた文字が読めない、紙の記録をコンピュータに登録するときに間違えた。
いろいろな事情で、土地の所有者が不明となっています。
税金が課されない土地
不動産を所有していると、毎年、固定資産税という税金が課される。
土地の評価額(正確には、課税標準額)が30万円未満の場合は、固定資産税が免除。
山林や道路(私道)など、土地の評価額が低い(もしくは無い)場合は、固定資産税は課されない。
固定資産税を支払う必要がある場合は、所有者や相続人宛に、官公庁から書面が届くが、その書面が届かないと、所有している認識すらないケースも出てきます。
東京で仕事をしていると、税金が課されている不動産=所有する全ての不動産と認識され、相続登記が漏れているケースも見かけます。
所有者不明土地の多くは、経済的価値(固定資産税が課されている)がなく、放置されている土地と推測しますが、所有者には管理責任もあることを、私は周知しております。
相続手続きはお早めに
ご自身や家族など、身の回りの方に、相続登記が義務化されたこと。
手続きに時間がかかるケースもあることを周知しましょう。
祖父の代から相続手続きをしたケースで、数十人の相続人から署名を要するケースもありました。
罰則は、10万円以下の過料。
それ以上に、相続登記を要する事情が出た際に、あなたが困ることが出てきます。
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