“部分最適”の積み重ねをしても“全体最適”にはならない
1. 今?なぜ?クライシスマネジメントが必要なのか?
そもそも、突然襲われる“危機”を“管理”できるはずもない。
“管理”できていれば“危機”にならない。
この【危機管理】という言葉には違和感があるが、
危機によって齎される結果を最小限のダメージにするために、事前に様々な対策を講じておく
という意味で“管理”という単語を使っていると勝手に解釈している。
リスク(危険性)は、野放しではダメなので、リスクマネジメント(危険性管理)しておかなければならない。
今の日本に足りないのは?一言で言うと
的確な意思決定がなされていない。真のリーダーシップ不足
リアルな統率力( リーダーシップ )があってこそ、誇りある服従心( フォロワーシップ )が生まれ、組織・チームの団結の強化にも繋がり、目標達成にも大きく寄与することになる。
社長がいかに優れた経営判断をとったとしても、社員がそれに基づき一生懸命に働かなければ、事業の成功は果たせないことと同じ
リーダーも“個”であり、フォロワーの“個”だ。
クライシスマネジメント(危機管理)は“力強い安定した組織作り”
2. サッカー日本代表で考える【部分最適】と【全体最適】
サッカーにおいて
日本代表 vs クラブチーム
の場合、日本代表が絶対勝つだろうか?
今月の日本代表メンバーは、全員欧州クラブチームで活躍している人で構成されていたチームだった。
欧州などの強豪リーグに挑戦して、“個の力”を磨くことは、日本サッカーにとっての【部分最適】だ。
各メンバー個々の能力は高いのだが、そのメンバーが揃って一緒に練習できるのは数日間で、チームとしての戦術を浸透させて実行してもらうか?
ここが監督の手腕が試されるところだ。
試合になれば監督がピッチにたっている訳でなく、プレーしているのはメンバーだ。
大部分を個人の“判断”に任せている。
日本代表・・・数日間で連携の練習をしてきた
クラブチーム・・長い期間かけて連携の練習をしてきた
私は、日本代表が必ず勝つとは思わない。
“個の力”というのは重要だが、そのチームに最適な“個の力”でなければ、チームとしての最高のパフォーマンスにならない。
【全体最適】を支えるのが【部分最適】だ。
【全体最適】とは?
英語ではTotal Optimization
『組織全体として最適な状態』 のこと。
【部分最適】とは?
『全体ではなく“組織の一部や個人が最適な状態”』 のこと
経営の世界において、個々の社員が最高の成果を発揮しても、必ずしも会社組織として利益が最大化しない場合がある。
これは、個人がどんなに頑張ったとしても、全体として最適な状態にはなっていないからだ。
部署毎の【部分最適】を積み重ねたからといって【全体最適】になるわけではない。
経営層やリーダーは、企業の売上を最大化するために【全体最適】を目指さなければならない。
ドーハの悲劇~ジョホールバルの歓喜の中心メンバーキング・カズこと”三浦 知良”選手は、W杯初出場代表メンバー最終選考で落選した。
岡田監督(当時)のこの“決断”が正解であったのか?
私の個人的見解であるが、岡田監督が描いている戦術にはキング・カズが担うポジションがなかった。
そして、ピッチに立てなくて、ベンチを温めるだけのキング・カズはチームにいい影響をもたらさないと考えたからメンバー落選という選択をしたのではないだろうか?
と思っている。
現場の指揮官として【全体最適】を考えた“決断”だったと私は思うが、、、。
3.“日本国”と“メンバーシップ型日本型経営企業”に共通した特徴は?
コロナ禍という“危機”状態下で、“日本国”および“メンバーシップ型日本型経営企業”は
多くの【部分最適】が発掘されたり、抽出されたりしたが、肝心の【全体最適】が全くなされていない。
“付け焼刃”的な”リモートワーク“を行っている大企業は【部分最適】にもなっていないし、【全体最適】など考えてもしないとしか思えない。
ちょっと、コロナ感染者数が減ってきたら、『とりあえず出社して』という体制に戻っているのではないか?
【全体最適】の方針を明確にして、個の最大のパフォーマンスによる【部分最適】が行われていかなければいけない。
これで“力強い安定した組織作り”が出来上がる。
4. 破壊的イノベーションの阻害要因
① 【 官 僚 主 義 】
有効性よりもルールが重要
前例踏襲主義
他の領分に手を出してはいけない
管理の為の管理が大好き
② 【 政 治 主 義 】
典型例が 『 派閥争い 』
イエスマンばかりがリーダーを取り囲む
抵抗勢力の問題は「屁理屈」をこねてでも論難
③ 【権力に溺れる欲】と【権力にすり寄る欲】
トップ層の【権力者】の言動は、上司部下関係のみならず、関連する団体や組織、一般社会にも影響を与える。
この“欲”によって“忖度”や“空気を読む”という得体のしれないモノが“思考停止”を生み出す。
5.18番目のSDGs目標
日本の【全体最適】を考えて動いている人がどれくらいいるだろうか?
やってるつもりの人は大勢いかもしれないが、最小限の“自分”という範囲に被害が及ばない【部分最適】を行っているにすぎない。
危機対応のマネジメントに、“競争原理”は必要ない
必要なのは、“協力原理”に基づいた行動
前例や権威を超えた、臨機応変な自発的なアクション
【全体最適】:SDGs「持続可能な開発目標」を実現できる社会に向けて一丸となること。
【部分最適】:それぞれの分野のプロフェッショナルの“個の力”を最大限に発揮する。
オープンイノベーションの時代
官民、企業、個人といった垣根を取っ払って、日本代表チームメンバーを招集して
“地球上の誰一人として取り残さない”
を日本を実現しよう?
これが 18番目のSDGsだ。
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