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「勝利」や「成功」からの学びは殆んどなく、「敗北」や「失敗」から多くのことを学んだ④(油断大敵 編)

失敗を繰り返しながら、入社1年目の新人時代を過ごし2年生となった。

仕事というより、ゴルフ、酒、タバコ、ファッション、音楽、そして“ナンパ” には“全集中” 

貯金は“ゼロ”、借金生活

寮生(単身者除く)で車を持っていないのは私だけになっていた。


調子に乗ると必ずやってくる“失敗”(その1)


新人の1年間はH課長代理が指導員として客先との重要案件や打合せには同席してくれた。
(この制度は“SP(先輩)制度”という名前だった(笑))

H課長代理に相談に乗ってもらいながら、大部分の企画書&客先訪問(代理店のオッサンと)を行って、未取引企業との契約をもらえることができた。

小さな契約ではあったが、特殊な保険であったので、自分なりには商品内容・関連法律そしてプレゼンの勉強をした。

『シロアリ駆除業者賠償責任保険』というものだった。


よほどうれしかったのだろう。客先の前にある公衆電話ボックス(当時、携帯電話はない)から会社に報告電話をした。

「H先輩!やりました!契約もらいました!今晩一杯おごってください。」

社有車に飛び乗って会社に意気揚々と戻った。

会社の駐車場に着いて後部座席に置いた荷物を取ろうとしたら

「はぁ? 契約書が入った袋がない!」
「あああああ、電話ボックスに忘れてきたんだ。」

Uターンで電話ボックスに行ってみたが、書類袋は無かった。


意気消沈というのか?絶望感といった方がいいだろう。

そんな状態で所属営業課に入っていった。

私の気持ちとは裏腹、メンバー全員が大笑いしだした。

H課長代理
「何かやらかしたのか?」
小生
「えぇ、まぁ、実は、、、」


H課長代理
「さっき警察署から電話があった。誰かが書類袋を警察に届けてくれたらしい。警察に出頭してこい!(笑)」



調子に乗ると必ずやってくる“失敗”(その2)


2年目になると大部分の仕事は自己完結していかなければならない。

上司に相談しながら進めればいいのだが
「この程度なら大丈夫だ」
という驕り高ぶりが“失敗”をまねいてしまう。


私が担当していた最大手客先のT課長代理(公認会計士資格者、また因縁の“T”)から資料作成を依頼された。

「火災保険における“損害拡大防止費用”の考え方の資料が欲しい」


当該客先とは、台風災害の保険金支払いで揉めていて、交渉の席で毎回【私の上司のT課長】と【先方のT課長代理】は言論バトルを繰り返していた。

“犬猿の仲”そのものだった。
(両者ともの東大卒の“T”であった。)


“損害防止拡大費用”の解釈文をH課長代理に相談しながら作成した。

当時、営業課にワープロは配備されていなくて、支店内のタイプ室に発注しなければならなかった。

ここで私ワープロ作成を確実にチェックしておけば問題にならなかったはず。

適当に読み返しただけで客先に資料を提出した。誤変換に気が付いていなかった。

(誤)消化  (正)消火

後日、客先での損害査定部門も同席した保険金支払ミーティング(6人vs6人)

損害査定部門課長
「損害鑑定人のレポートなどを総合して“損害認定額”はこの金額です。」
客先総務次長
「T課長、この“損害拡大防止費用”は認められるのではないですか?」
上司のT課長
「難しいところですね。我々営業サイドとしても、ここが限界で本日が最終結論です。」

客先T課長代理
「これ以上交渉しても無駄なようですね。営業さんは、もう少し客先サイドに立って欲しいもんです。お願いした資料もふざけてますし、、、胃袋じゃないんだから。

~バン!机上に小生作成の“損害拡大防止費用”資料を叩きつけた~


会社に戻る社有車の中、会社に戻ってからの会議室の中
機嫌最悪のT課長、損害査定部門の課長から、どれだけ罵声を浴びせられただろうか、、、。


調子に乗ると必ずやってくる“失敗”(その3)


“消化”問題も何とか収束した頃のことだ。

“損害拡大防止費用”を勉強したことによって、“約款解釈”をして自分の言葉で簡単に相手に説明できるように徹底的に調べる“癖”に結び付いて、今も続いていて役に立っている。


ビルの外壁塗装工事現場で、不注意で隣の駐車場の車に塗料がかかるという事故が発生した。

この塗装会社に賠償責任問題の説明に行くときのことだ。

「賠償問題の整理はできた。おーヤバイ、こんな時間だ」

社有車に飛び乗って、塗装会社に向かった。


広い道路で青信号になったので、F1レーサー気分で猛スピード発進した。

「あっ!」

目の前に警察官が現れた。

「ちょっとスピード出し過ぎです。車から降りてコチラへ」

スピード違反 罰金 減点


今回の教訓


勝って兜の緒を締めよ

勝ったからと言って、油断や驕りからつまらない失敗をするもの。

上げ足を取られることが無いように、気を引き締めて注意を怠ってはならない。

すぐ“調子に乗る”“図に乗る”私のようなタイプは、毎日自分に言い聞かさなければならない。


雪駄の土用干し

雪駄を干すと形が反ることから、威張っている人をからかう諺。


油断大敵

物事が順調に進んでいるときや終わりに近づいたとき、つい気を抜いてしまう。

「気の緩み」や「注意を怠けること」により、思わぬ失敗や負けをまねく。

・・・次号へ続く

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