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“オープンイノベーション”が中小企業の生き残り策(その2)~正しい“よそ者”の選び方~

「深刻化するコロナ不況で生き残れない企業は?」という問いに

私は即座に

「昭和感覚アナログ・ガラケーおじさんたちが支配する企業」

と回答している。


【“老害化”した企業】の典型的組織形態のピラミッド型は、指揮命令系統が明確で、上からの指示を部下がしっかり理解し、忠実にこなすことが最大のミッションだった。

これは、結果的に “指示待ち社員” を量産してしまった。


時代の変化・外部環境の変化を敏感に察知して、自立して自分の頭で考えて迅速にアクションしていかなければいけないVUCA時代において、リーダーは、覚悟を決め、迅速な判断をして、社員に進むべき方向性を示さなければならない。

バブル崩壊~失われた30年の間 “指示待ち社員”のエリートとして活躍した“昭和感覚アナログ・ガラケーおじさんたち”が、前例のない挑戦に“正誤”の判断などできるはずがなく、決断が遅く、アクションの遅れてしまうのは致し方ない。

前例踏襲思考しかできないのだから、期待しても的確な指示はでてこない。

「時期尚早」

「同業他社の様子を見よう」

お決まりの問題先送り発言を繰り返すのが関の山。



「よそ者・若者・バカ者が組織を変える」

というフレーズを聞いたことがあるはずだ。


過去の成功体験に頼らないで組織を改革するのに必要なことの例えだ。

“若 者” ・・・ 既存の慣習や決まりを知らない新しいパワー

“バカ者” ・・・ 旧来の価値観の枠組みからはみ出た新しい視点

“よそ者” ・・・ 組織の外にいて従来の仕組みを批判的・客観的に見れる


老害化”したピラミッド型組織内の人材で、“若者”と“バカ者”の出現を期待しても無駄。

“若者” “バカ者” に類する人材は村八分になって干されているか?退職しているだろう(笑)


私が【“オープンイノベーション”が中小企業の生き残り策】と主張しているのは、組織改革をできるのは “よそ者” しかいないと考えているからだ。


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では、どんな“よそ者”がいいのか?


まずは、企業の実態を把握してもらうために、既存の顧問税理士・弁護士ではなく、所謂“経営コンサルタント”に類する人に話を聞いてもらった上で、客観的に自社の問題点整理してもらい具体的な改善策を検討・提案してもらうこと実践に移すことだ。

いきなりスタートアップ企業との提携やM&Aの道を選ぶには得策でない。

コロナ禍の今は特に、短期間での即効性が必要なので、“ハンズオン支援”と言うか、中小企業サイドと一体となって課題解決に取り組んでいかなければならない。

組織内に入り込んでもらって、企業再生に取り組んでもらわなければならないのだから、実務経験の少ない(企業勤務のない等)コンサルタントやスタートアップ経営者は不向きだ。


< 絶対に選んではいけない人材 >

● 優秀な成績で優秀な大学を卒業して有名コンサルティングファームの“若者”社員

頭脳明晰でフレームワークを活用した論理的な思考は身に着けているかもしれない。

しかし、実践経験が乏しすぎることと、無駄なプライドだけが目立つ。

中小企業者の方々から遅かれ早かれ

「若造のくせに、偉そうに」

というボヤキが出るだけ(笑)。


● ITリテラシーの低い文科系コンサルタント


今までの既存の仕組みをベースにする考え方を止めて、業務の棚卸を行い

①  AIやテクノロジーに代替可能な比較的単純な労働を抽出する。

②  「人間にしか出来ないこと」労働を抽出する。

というプロセスは絶対必要なので、この知識に欠けたコンサルタントは不向きだ。

数字に弱いというのは致命的。


● 成功報酬を謳えないで長期契約に拘る


コンサルタントに求められるのは“成果”であって、“成果”がでなければ、クビを言い渡される厳しい世界。

契約期間の考え方は難しいが、最初から長期契約締結に拘るコンサルタントは危険で、短期契約(契約延長の可能性有)+成功報酬を提案してくるコンサルタントを選択すべきだろう。

成果がでれば、プロジェクトメンバーの信頼も勝ち取れて、黙っていても大事にされる訳で、成果に拘ったお付き合いは大切。


● 即決即断が出来ない人

“指示待ち社員”の中に、指示できない”よそ者“を入れても何の化学反応も起きない。

経営陣に対しても意見が出来る【覚悟】が出来ている“よそ者”でなければ存在意義はない。



“よそ者”のコンサルタントにお願いする課題は?


既存の仕組みに合わせて仕事するのではなく、新しい仕組みを創造すること

表面的にはピラミッド型で一定の指揮系統は維持しつつも、その中身はよりフレキシブルなプロジェクト型、ネットワーク型へと移行させる

上下関係よりもフラットな人間関係で働ける、各スタッフの役割分担と協調性・連携を構築する

『自立して自分の頭で考える』必要性を社員に浸透させ、指示待ち人間には務まらなくなる職場環境に変えてくれる

「楽しい、面白い、ワクワク」の要素を持ち込める人


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「イノベーションは“既存の知”と“既存の知”との新しい組み合わせから生まれる」


“よそ者”とは、背景が違う以上、考え方や価値観が異なるのは当然のこと。

お互いの立場を最大限に尊重して、それぞれの優劣を論じ合うのでなく、“違い”と“共通点”があることを認めたうえで、お互いの主張のギャップを埋めて、ウィン・ウィンの結果を導き出す。

これが“よそ者”を受け入れることによる“異文化との融合”の最大のメリットだ。


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