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ニーズの無い寄付は迷惑でしかないゴミの不法投棄と同じこと

「要らなくなった洋服や靴、サイズが合わなくなった子供服があるので貧しいアフリカの人に寄付したい」と考えている人も多くいらっしゃるでしょう。

先進国として貧しい国の人に寄付することは正しいことだと信じておられるかもしれません。

この善意によって行われる行為が、誰かを苦しめることになるとは気づき難く、自分の行為が迷惑になっているという考えに行きつきません。


ガーナでは、毎週1500万着もの古着が輸入されています。

一部は難民キャンプへの物資としてリサイクルされますが、多くは現地のマーケットに並ぶ商品となります。

しかし、ファストファッションの浸透により、低品質の古着は売れません。

世界中から品質の良い古着が安く手に入るのなら、多くの人が古着を購入するでしょうが、誰だって当然のことながら、汚いものは購入しません。

その結果、輸入された古着の約4割はゴミとして捨てられているのです。

「ガーナの首都アクラは、不法投棄された衣料の山は深刻な環境汚染をこの地にもたらし、それはまるで地獄絵図の様相」
とCOURRiER Japonの記事は紹介しています。


発展途上国では、ゴミ処理場などの施設は不十分ですので、古着の大量廃棄が原因で環境・海洋汚染が深刻になっています。

更に、アフリカにおける繊維産業の成長の機会が失われ、さらに衰退していくことになります。
そして、繊維産業に携わる現地人の雇用も減少していきます。


2016年に行われた東アフリカ共同体(EAC)の会議では、3年後を目途に古着の輸入を禁止するという決定がなされました。
特にルワンダ、タンザニア、ウガンダは、積極的に古着の輸入を禁止して、自国の繊維産業を保護、発展させることが目的であるという姿勢示しました。

しかし、輸入禁止を撤廃するよう表明をした3国に対しアメリは、自由貿易協定違反であると主張します。
また、アフリカ諸国からの免税輸入品目を拡大した上で、経済成長を促すアフリカ成長機会法(AGOA)の見直しを開始し、3国をAGOAの対象外にする可能性を示唆する圧力をかけ、輸入禁止は撤廃されました。



誰かのためになると思って寄付した古着は、実はアフリカ諸国では環境問題や現地の産業・雇用問題を引き起こしていたのです。



「着なくなった服や靴を困っているアフリカの人々に届けたい」という善意の思いは分からないわけではないですが、心のどこかにアフリカの人々を見下していて、先進国もサポートがなければ何も出来ないという固定観念があるのではないでしょうか?


冷静になって考えてください。
ニーズの無い「着なくなった服や靴」の寄付は、迷惑でしかないゴミの不法投棄と同じなのです。



「ラナプラザ崩壊事故」

2013年4月24日にバングラデシュの首都ダッカ近郊で起こった大規模な建物崩壊事故です。ラナプラザとは、8階建てのビルで、その中には数つのガーメント工場が入っており、主に欧米のブランド向けに衣料品を製造していました。

この事故の前日、建物に亀裂が見つかり、警戒が呼びかけられていました。しかし、工場のオーナーは労働者たちに次の日も出勤するよう命じ、結果的にこの大災害につながりました。

「ラナプラザの事故」は、ファストファッションの暗い側面を浮き彫りにし世界中に衝撃を与えました。

労働条件の悪さ、安全基準の無視、そして先進国の企業が責任を放棄する姿勢は、広く批判されました。

この事故以降、労働者の安全と権利を保護するための国際的な取り組みがなされ、労働者の安全基準や労働条件の改善を目指す多くの活動が展開されるようになり、ファッション業界の供給チェーンの問題に世界中の注目を集めました。

また、持続可能なファッションへの関心が高まり、エシカル・ファッションやサステナブル・ファッションといった運動が広がりました。




2018年7月、高級ブランドのバーバリーが、ブランド保護のために衣料品やアクセサリー、香水など2860万ポンド(約41億8000万円)相当の売れ残り商品を破壊・処分していたことが分かったということが明るみになって、バーバリーは大バッシングを受けました。
(過去5年に処分された製品は9000万ポンドに上るということです。)


バーバリーに限らず、ファッション業界では売れ残り商品の焼却処分が一般的になっています。


日本国内だけでも約40億着も捨てられていると言われています。
バーバリーの廃棄の理由は「よくわからぬ市場で、安値で販売されることによる『ブランド棄損』を回避するため」と回答しました。


これはファッション業界のやっかいな秘密であって、バーバリーの件は氷山の一角に過ぎないのでしょう。



この種の社会問題は、学校では教えてくれないのかもしれません。

ここは家庭内での勉強として、親子一緒に語り合うことが重要なのではないですか?


冷静に過去を振り返ってみると、私は社会人になってから、自分に割り当てられた仕事に関連する知識習得や資格取得の勉強以外は、全く行っていませんでした。

自分の子供たちの勉強を一緒に取り組んだこともありませんでした。


サラリーマン時代の独立起業を考えだしたある日のことです。

「やばい!知らないことが多すぎる。勉強しなければいけない。」

と思ったものの、何から手を付ければいいのか?さっぱり分かりません。


「とりあえず、趣味の世界から勉強してみるか」と思い、
マイルス・デイヴィスの口癖だった「So What ?」を自分のテーマとして掲げて、アフリカ系アメリカ人が創造した「ジャズ」「ヒップホップ」の歴史から調べることにしましたのです。


自分が好きなことですから、調べることが楽しくて、様々なことに「So What?」と疑問を持つようになっていきました。


これが私流の勉強法で「共創術」なのです。


自分の無知にアクセス


皆様にも是非お勧めしたいのです。


お時間合えばいかがですか?


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