見出し画像

DXやCXを成功させるには、それを推進する立場にあるリーダーのSXが不可欠

まず言葉を定義する。

Transformation(変容)

DX = Digital Transformation = 「デジタルによる変容」

CX = Corporate Transformation = 「企業改革」

SX = Self Transformation = 「自己変革」

OS = Operating System =「基盤(機器の基本的な管理・制御する機能)」

App= Application = 「応用ソフト」



日本型経営企業は、自身が旧来のモデルと決別し、新しいモデルを作り直す必要がある


日本産業界の現状は、残念ながら、グローバル化とDXが起こす破壊的イノベーション、産業基本構造の劇的な転換に適応できていない。

日本型経営企業は、1960年頃からの高度成長とともに形成、確立され、終身雇用と年功序列(新卒一括採用)こそが『正しい働き方』であるという前提の下に作られた制度を軸とした経済社会モデルが、今でも大きな位置を占めているからだ。


『働き方改革』の本質は?

日本型雇用システムの抜本的なバージョンアップ

正社員を中心にした【画一的な働き方】から、多様な働き手による【柔軟な働き方】への変革



すなわち 企業のOSを抜本的に見直さなければならない。



イノベーションの最大の敵は“三種の神器” 『前例踏襲』 『問題の先送り』 『責任回避~転嫁』


経営陣も

「かつてはうまく機能していたやり方がもう通用しなくなってきた」

と感じているはず。


しかし【ガラケー昭和感覚アナログ“オッサン”】は、コンフォートゾーン(居心地のいい場所)から出たくない抵抗感によって、新しいITツールを使いたがらないで、慣れようともしない。


緊急事態宣言が解除されたり、世論が落ち着いてきたりすると、何かと理由を付けて、元のやり方に戻そうとする。

そして、新しいやり方・価値観が見えないことから、具体的な行動へ踏み出せない。


何かをやって失敗すると責任を問われるが、やらなかったことに対しては責任を問われない


という考え方が根付いている組織では、『問題の先送り』 『責任回避』は繰り返される。


新しいことへのチャレンジは、前例と照らし合わせて、失敗する可能性がある限り「時期尚早」という上層部の判断が下される。


脅威は、猛スピードで襲い掛かってきて、前例通りにやってくる脅威はない。

前例を調べている余裕もない。

問題を先送りしている余裕などない。

その場その場で直ちに対応していかなければならない。

「誰が悪い」 「何が悪い」 と他責して責任転嫁したところで、何の解決もできない。


“三種の神器” 『前例踏襲』 『問題の先送り』 『責任回避~転嫁』

こそが、変革に取り組めない要因だ。



“なんちゃって『リモートワーク』導入”で分かるOS変更の必要性


OSはハードウェアを動かすためのソフト

AppはそのOSの上で動く具体的な作業をするためのソフト

Appは、OSごとに対応・非対応が分かれている。


OS=『毎日出社し”同じ場所””同じ時間”を過ごしていくことがチームワーク』

App=『リモートワーク』=『従業員がオフィスに出社することなく、会社以外の遠隔の場所で業務を行うこと』


このOSとAppの相性は悪い。


経営陣やリーダー陣の“コンフォートゾーン“は、現在のOS。

このOSを変更することは、今までのやり方を否定することになる。

現OSを維持する最高の手法は、人事評価制度を変更しないこと。


“茹でガエル”経営陣が、もっともらしい上から発言

「リモートワークによって生産性向上は図れない。」

によって、“なんちゃって『リモートワーク』導入”は終焉を迎える。


現OSがアップデートされない限り、新しいApp『リモートワーク』はスムーズに導入できない理由がお分かり頂けるはず。



自分をマネジメントできなければ他者をマネジメントすることはできない


ドラッカー氏は下記のように述べている。

“Success in the knowledge economy comes to those who know themselves – their strengths, their values, and how they best perform.”

「知識経済での成功は、自分の強み、価値観、そしてどのようにして最高のパフォーマンスを発揮するか、自分自身を知ることができる人にもたらされる」


VUCA時代は、かつてはうまく機能していたやり方をやっていては、今まで通りの成果を出すことはできない。


脅威が、どんな形でいつ訪れるのか?予測できない。

チャンスを掴むためには、自分が常に最高のパフォーマンスを出せる状態を作り、自分の可能性を最大限に伸ばすことができるにする 『セルフマネジメント』 が重要だ。


『セルフマネジメント』とは

肉体・精神の両面で安定した状態を維持し、より良い方向へと改善するように自分自身を統制していくこと


『セルフマネジメント』能力が高い人の特徴

状況に応じた的確な判断ができる

感情をコントロールすることに長けていて、周りの人たちと良好な関係を保つことができる

集中して仕事に取り組むことができる

常に自己ベスト更新するような高いパフォーマンスを発揮できる

計画的に目標を立て、実現に向けて具体的な行動ができる


部下や組織をどう変えるかという組織のマネジメントではなく、自分自身をどう変えるかという『セルフマネジメント』


まずリーダー自身が 『セルフマネジメント』 出来てこそ、『組織マネジメント』が出来る。



ピンチをチャンスに変える行動ができる組織となるには?


危機管理下などの自分の意志でコントロールできない事象が起こった時は?

まずは自社・自分の状況を理解すること

周囲の状況を理解すること

周囲に対する行動を変えること


つまり

『リーダーのリアルな統率力』  & 『 フォロワーの誇り高き服従心』

がなければ、組織・チームの団結の強化にも繋がずに、目標達成にも大きく寄与できない。


【 リーダーシップ 】とは?

明確なビジョンと目標を示し、フォロワーのパフォーマンスを最大化させることによって目標達成を実現させる能力のこと


【フォロワーシップ】とは?

チームの成果を最大化させるために、自律的かつ主体的にリーダーや他メンバーに働きかけ支援すること


“力強い組織”でなければ、脅威に打ち勝てない。



簡単に言うと、組織変革に必要なものは?


自分を理解すること

相手を理解すること

相手に対する言動を変えること


CXを行うには、SXという個人のOSをアップデートすることが第一義。

SXした上でDXなどの新しいAppは導入しなければならない。


あちらこちらの日本型経営企業を見渡すと

“なんちゃってDX” “DX導入ごっこ” をやって

“なんちゃってSDGs” “ダイバーシティごっこ” もやって

”なんちゃってCXごっこ” をやっている。


情報リテラシー向上、ITリテラシー向上、そしてコミュニケーション能力の向上というSX(自己変革)をしなければ、CX(企業改革)などできるはずがない。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?