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日本とドイツ、再生可能エネルギーの普及に向けてタグを組む

本日から、地中熱・地熱の展示会「Geo THERM - expo & congress」が独オッフェンベルクにて開催! 元々の会期であった春先から延期され、6月になってやっと、業界関係者がリアルに一堂に会します。
 
脱炭素とエネルギーの安供給の観点から、地中熱・地熱は今まさに注目されるエネルギー源です。

これに関連して、日本で地中熱の普及に尽力されている福島大学赤井仁志教授に、この分野における独日連携プロジェクトをご紹介いただきました。

~(以下、引用)~

地中熱ポテンシャルマップの普及拡大に対して建築設備側の計画・設計やシミュレーションが追いついていない現状があります。建築設備側と地中側を連携できるソフトウェアを日本国内で開発するか、ドイツの優れたソフトウェアを翻訳して導入するなどを想定して、公益財団法人福島県産業振興センター エネルギー・エージェンシーふくしまが、ドイツのエネルギー・エージェンシーNRWに取り次いでくださり、ドイツ国内でソフトウェアの調査と視察ができるように手配してくださいました。

NRW州内で開発や利用されているソフトウェアの調査・視察の他、毎年、オッフェンベルクで開催している地中熱・地熱の展示会 #GeoTHERM - expo & congressでも調査しました。候補に挙げたソフトウェアの中から、NRW州ケルンにある専門ソフトウェア会社 HOTTGENROTH SOFTWARE 社が開発販売している『ETU-Simulation』を選定しました。設計やシミュレーションの実務で利用するためには、高い精度を要求するより、扱い易さや計算速度が早いことが求められることから、『ETU-Simulation』が妥当でした。

ドイツでの調査や視察の際、新井様に通訳をお願いしました。新井様は、事前に地中熱や空調熱負荷計算などのことを丹念に調べてくださり、日独の専門家同士の打合せで支障なくスムーズに翻訳してくださいました。また、日本やドイツの習慣などの解説も加えてもらえました。

調査・視察の後、ミサワ環境技術㈱が『ETU-Simulation』を翻訳して、日本で販売することになりましたが、ソフトウェアの翻訳でもきめ細かい支援をしていただきました。また、『ETU-Simulation』を日本で、広く使用されるように、日本で広く用いられている最大空調熱負荷計算法に読み込めるようにしたり、地中熱交換器の設計やシミュレーションで多様性のある地中熱専用のソフトウェアと連携したりするところでもご尽力いただきました。
新井様のお陰で、福島県内や日本国内で、空調熱負荷から地中熱までの一貫したソフトウェアが使えるようになります。日本は、ドイツに較べて、ソフトウェアの部分では遅れを取っております。この開発したソフトウェアの利用で、日本でも地中熱利用ヒートポンプシステムの設計やシミュレーション等が的確にできるようになると確信しております。

ドイツ国内で利用されている地中熱のソフトウェアは、空気調和設備の設計やシミュレーションは素晴らしいものがあります。しかし、給湯設備の給湯使用量・給湯熱負荷、浴場設備〔バート(Bad)やテルメ(Therme)、クアオルト(Kurort)〕の熱負荷の研究や技術は、日本がドイツより進んでいることがわかりました。空気調和設備のソフトウェアが日本国内で使えるようになった後に、給湯設備や浴場設備のシミュレーションを、地中熱ソフトウェアに組み込むことを日本側で行い、ドイツに逆輸出したいと考えております。この時にも、新井様のお力添えをいただきたいと考えております。

赤井仁志
福島大学 共生システム理工学類 特任教授 
(併任)北海道大学大学院 工学研究院 客員教授

~(引用 終わり)~

今後、人の往来がさらに自由になり、再生可能エネルギー分野における日独交流が益々盛んになることを祈っております。

#地中熱 #地熱 #再生可能エネルギー #通訳 #ドイツ

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